先日ビアードパパの「皮だけ」販売について佐藤記者がレポートした。シュークリーム専門店にもかかわらず「クリームは入っていません」と注意書きのある商品だったのだが、このたび、ちゃんとクリームとセットになった皮が発売された。

ようやくというか、そうだよねというか、遅れてきた主役感があるが、さっそく体験してみたところ「これは全ケーキ屋でデフォルトにすべき!」という優秀アイテムだった。


・「シュークリームキット」(税込430円~)

その名を「シュークリームキット」といい、2個セット税込430円と、6個セット税込1190円がある。

個数分のパイシュー生地と、絞り袋に詰められたカスタードクリームのセット。画像は2個セットだが、2個分にしては余るほど、たっぷりのクリームを詰めてくれた。

もし子どもにやらせたい、ということなら「ちびっこパティシエセット」(別料金)にすると、紙エプロンやコック帽などのおまけがついてくるぞ。

説明書に従って、絞り袋の先をハサミでちょっとだけ切る。


店員さんが生地の底に穴を開けてくれていたので、そこから絞り袋を入れる。もし穴がなければ自分で開けよう。

あとはこぶしを握り込んで、好きなだけ絞る!


結構絞ったな、と思ってやめたのだが、かじってみたらまだまだだった。


追加で絞ったり、1口食べるごとに絞ったり好き放題だ! 筆者はクリームが多すぎるとすぐに気分が悪くなってしまうので、そういった意味でもよかった。

ところで筆者はこの日、普通に店員さんに詰めてもらうシュークリームも買っていた。なにげなくそちらも食べてみると、衝撃の事実が! はっきりいって、全然違う! 別モノといってもいい!!

「シュークリームキット」のアピールポイントになっている “凄サクッ” 食感もたしかにある。クリームを直前に詰めることで、皮のサクサク感がぎりぎりまで保たれるのだ。


しかし、美味しさの秘密はそこではない。クリームである!


どこがどう違う、と上手く説明できないのだが、自分で詰めるとカスタードクリームが明らかになめらかでクリーミー、フレッシュな感じなのである。

一方のデフォルト商品は、ちょっともっさりして固い感じ。いつもは美味しいと思って食べているから、わざわざ比較しなければ気づかないほどの微妙な差なのだが、たしかに違いがある。


しかし筆者は見た。


このクリーム、店頭でいつもシュークリームを作っている銀色のマシンからビニール袋にムニュムニュ~と注入していた。つまり中身は「まったく同じ」はずなのである。

ここからは仮説になるが、「シュークリームキット」のクリームは、マシンから出た瞬間にビニール袋に密閉される。筆者の利用した店舗では、さらにジップロックに封入してくれた。そのため直前まで空気に触れず、冷蔵庫で固くなることもなく、生まれたままの状態が続くのではないだろうか。

これは美味い! どのケーキ屋でも、クリームは食べる直前に注入、とした方がパティシエの伝えたい味を体験してもらえるんじゃないだろうか。


・メニュー拡大希望

この「シュークリームキット」、キャンペーン開催中ではあるものの、筆者の見たところ店頭で「激推し」している風でもなく、実にさりげなく売られていた。けれどこれからは、「クリームはお詰めしますか?」と聞くのがデフォルトになっていいと思う!

手土産だと相手に時間をとらせない、という気配りは必要かもしれないが、少なくとも自分用なら、ちょっとの手間で格段に美味しくなるから!

今のところキットは「オリジナルシュー生地 × カスタードクリーム」という組み合わせしかなく、個数も決まっている。そのためクッキーシューがいいとか、季節限定シューがいいとか、そういったアレンジには応じられない。

ぜひとも対象商品の拡大を切望! 自分で詰めると全然違うから、みなさんも試してみて欲しい。


参考リンク:ビアードパパ
執筆:冨樫さや
Photo:PR TIMES、RocketNews24.