カプセルトイを集めていると「うおぉ、考えたな!」というアイディア商品に出会うことがある。ただ精巧なだけでなく、メーカーの創意工夫に驚いたり感心したりするのもまた楽しみ。今日はちょっとユニークな1品をご紹介したい。

カプセルトイのクライマックスといえば開封時だが、今回のアイテム、開けた瞬間には何が当たったのかさっぱりわからない。なにせ中から出てくるのが真っ白な “手首から先” なんですもの……


・謎のアイテム(300円)

開封するとゴロリと手が出てきて、ちょっとギョッとする。殺人現場か。


右手、左手と両方あって、CMのハンドモデルのようにスラッと伸びた美しい指である。こんな手だったら、人生いろいろ得するだろうな。

石膏像のような、スベスベとした心地いい感触。結構大きくて迫力がある。爪まで彫られていて、リアルなつくりだ。

凹凸があるので組み合わせると、奇妙な形になる。このままだと意味をなさないけれど、完成したものに光を当てると……


ここまでくれば、もうおわかりだと思う。影絵の手である! 定番のハト!


せっかくなので自分でもやってみる。ハトは両手を組み合わせるだけだから簡単だし、誰しも1度はやったことがあるのでは。子どもの小さな手でも失敗知らず。チョウにしてもよし、パタパタ動かしてもよし。

続いて出てきたのはこちら。


右手、左手があるのは同じだけれど、先ほどのハトよりも複雑な形をしている。


なんだかわかる? 台座にはGOATとあるから、ご想像いただけるかもしれないが……


ヤギである! よく見ると2本のツノと耳、目まであるぞ。あごの下にちょっと突き出た部分は「口元のヒゲ」なのだそう! 芸が細かい!!


これも自分でやってみよう。


やたらデブなヤギになった。目を作るのが難しい。よく見ると耳もヒゲもないし、首も太すぎるが……自分の手を細くすることはできないので仕方がない。及第点だろう。

最後にこちら。これはすごい。


手だけでは、何が完成するのかまったく想像がつかない。そもそも、どの角度から見るのが正解かもわからない。けれど光を当ててみると……


まさかのウサギが登場したー! 子どもの頃の手遊びでも、これはやったことがない。顔だけじゃなく全身なのが秀逸。


よし、自分でも挑戦してみるぞ。


ん? これは……


なんだこれ、できない!!


そもそも、こんな複雑な指の動き、光が当たっていなくてもできない。薬指を立てて小指だけ曲げるって不可能なんですけど! 完成図は単純なのに、裏ではめちゃくちゃ難度の高いポーズをしているという強敵である。まさに「鴨の水かき」

※人知れない苦労があることのたとえ。『巨人の星』の花形くんはこれを「白鳥」として表現した。


・並べるだけではもったいない

というわけで商品名は「影絵の手~動物~」といい、株式会社バンダイから発売中だ。この商品、集めるだけで終わっていては楽しみ半分。光を当てて、さらに自分でやってみるまでがワンセット。

久しぶりの影絵遊び、童心に返るようでなかなかに楽しいぞ! 角度を調整して、それっぽく見えた瞬間は感動する。残るアイテムは「おおかみ」と「しか」だ。ぜひ集めて、スマホのライトを当ててみてくれ!


参考リンク:ガシャポンワールド
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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