お店で食べるラーメンの価格はチェーン店で500円程度、「名店」と言われるところでも1000円くらいが相場だろうか。そんななか、相場の10倍! つまり1万円のラーメンを提供するお店が存在した!!

東京・赤坂見附の「松阪牛ラーメン・1人しゃぶしゃぶ 松虎」には、税込1万1000円のラーメンがある。お店に行ってその味を確かめてみたのだが、味よりも衝撃的な事実を発見してしまった。なんと1万円の上を行く、さらにヤバいメニューがあったのだ……

・1万円のラーメン

ここは2021年春、東京メトロ赤坂見附駅から徒歩約3分の場所に誕生した(プレオープン:4月20日~5月18日、グランドオープン5月19日)。


お店に入ると、1階は1人客用の座敷カウンター席。2階には個室も用意されている。テーブルにはあらかじめしゃぶしゃぶ用の1人鍋と、薬味が置かれている。


メニューを見ると、先に挙げたラーメン相場の価格を超える品々が並んでいる。「A5松阪牛ラーメン」が肉1枚で税込1980円、「A5サーロイン松阪牛ラーメン」が肉1枚で税込2500円となっている。


それらを軽く上回っているのが、「往にし方(いにしえ)の大石牛サーロインラーメン」(税込1万1000円)だ。1980円のラーメンでさえも、安く感じてしまうほどファビュラスな値段。 “桁違い” とはまさしくこのことを言うのだろう。


往にし方の大石牛とは、年間約10頭しか流通しない「幻」と呼ばれる松阪牛のことなのだとか。しかもA5ランクのなかでも最高峰の「BMS12番」の肉質である。そんな希少な肉をラーメンにしてしまうとは……。1万円超えも納得だ。


・麺が見えない……

そして出て来たのは、金色の大きな器に乗った肉! 金箔が散りばめられており、ゴージャスというよりほかない!!


ラーメンを頼んだはずなのに麺が1ミリも見えない。目に映るのはデカい肉だけ。その肉色の美しさに思わず見惚れてしまいそうだ。



ちなみにラーメンは注文時に味の濃さ(薄味・基本・濃い味)や麺の種類(細麺・中太麺・ちぢれ麺)、麺の量(100g・200g・300g)などを選ぶことができる。何をどうカスタムしていいかわからないので、私はすべて真ん中を選んだ。


・ラーメンを食っているんだった

まずは出汁の味を確かめるとしよう。レンゲですくってひと口含むと、なんとも透き通った上品な味をしている。この味は、「大阪なだ万」の初代料理長の「鰹一番出汁」のレシピを引き継いでいるそうだ。


そして肉は「噛む」という行為で食べるものではなかった。口の中に入れて歯を立てずにハムハムハム……とやっていると、いつの間にか消えている。まるで、肉の形をしたバターでも口に入れているかのようだ。


器を覆う肉を1枚食べたところで、思い出したよ。ラーメンを食っているんだってことをね。肉の下には麺とゆで卵、それからきのこ類が隠れていた。出汁があまりにも清らかなので、丼の底まで見通せてしまう


麺は本来ラーメンの主役、しかしこの逸品ではオマケ的な存在になってしまっている。だってあの肉を食った後なら、仮に究極の麺であったとしても、味のインパクトでは肉に敵わないんだよなあ。オマケっぽかったけど、決して肉や出汁を邪魔することのない調和のとれた麺だった。


・1万円の上を行く……

さて、我が人生で最高値のラーメンを食べた訳だが、このお店の「食べログ」には、さらにトンでもないメニューが記載されていた。そのメニューとは……。


「開運・必勝金箔山王ラーメン」 価格はなんと税込11万円也!!!!


さっき食べたラーメンの10倍だと!? マジかよ!


最安値の「料亭の出汁ラーメン」(税込500円)との価格差は220倍だぞ! こんなメニューを注文する人がいるのか? お店の人に「頼む人はいますか?」と尋ねると、実はまだ誰も頼んでいないそうだ。やはりラーメンに10万はかなり勇気がいる。1万円ラーメンを頼むだけでも強い決心を要したのに、その10倍となると……。

10万円ラーメンとは一体どんなものなのだろうか? 中身が気になるところである……。


・今回訪問した店舗の情報

店名 松阪牛ラーメン・一人しゃぶしゃぶ 松虎
住所 東京都港区赤坂3-9-16 福虎ビル1階
時間 11:30~20:00(短縮営業中)
定休日 土日祝

参考リンク:atpress食べログ
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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