まさに灯台下暗しだ。当編集部は都内にありながら、食べている餃子は全国各地のお取り寄せばかり。近くにもウマいものがあるにもかかわらず、都内餃子の存在をすっかり忘れてしまっていた。

そのことに気づかせてくれたのは読者リクエスト。オガサさん(仮名)より杉並区高円寺にある「丸山餃子製作所」をレポートしてとの依頼が入ってきたからなのだが、なんと……同店はミシュランガイド2021に掲載されたというから期待大! 都内の餃子、食べまっしょい!!

・ミシュランが認めた味

ひとまず丸山餃子製作所についてHPを確認してみると「ミシュランガイドに掲載」という印籠が目に飛び込んできた。さらに見ると2019年、2020年に続いての掲載とのことだから、そんじょそこらの餃子ではないのが分かる。

ちなみに食材はすべて国産。岩中(いわちゅう)豚という岩手産のイイ豚を使用、味噌ダレは信州産の味噌をベースに複数の味噌をブレンドしているらしい。だが、何より肝心なのはそのお味。今回、せっかく近くに本家があるので店舗と通販を食べ比べてみることにした。

・お店の餃子

ということで、まずはお店へ行って餃子12個入りの餃子定食(913円)を注文。ニンニクはありなしが選択でき、私はオススメと書いてあった “あり” の方をチョイスした。

見た目としては普通の餃子で一般的なお店よりもちょっと小さいかなと思うくらい。店内に入ってニンニクの匂いに鼻が反応したが、食べてみると思いのほかニンニクでゴリ押ししてくるタイプでもなく食べやすかった。

で、この時、私は餃子を味わいつつスマホに以下のような箇条書きのメモをとっている。


「溶けるように消えてく、ニンニクそこまで、パクパク系の上。味噌ダレつけてようやく味つき餃子」


自分で書いておきながら何だが、イマイチ何が言いたいのか分からない。おそらく「餃子が口の中で溶けるように消えていって、パクパクと食べられるタイプの中でも美味しい部類。ニンニクはそこまでキツくなく、味噌ダレをつけて本当の味(力)を発揮する」といったところ……だと思う。

・通販で頼んだ餃子

まぁ通販の餃子を食べてみれば思い出すこともあるかもしれない。こちらは餃子30個入りのニンニクありタイプ(1815円)を注文、都内から都内への送料は766円だった。

届いた餃子はやはり1口サイズで小ぶりだけに、思ったよりもフライパンに結構な数が入る。さっそく餃子の底に油をたっぷりつけ、しっかりと蒸して焼き……

ホイッ!


……とひっくり返したら皮がパリパリに焼けた餃子の完成だ。まずは店舗の味を知らない餃子好きの編集長・GO羽鳥から食べてもらおう。どうでっか?


GO羽鳥「うはぁ〜小さいなぁ〜小ささが可愛いねぇ。なんかね、作った時点でウマいだろうなって分かった。食べてみても普通にウマいね、うん。ウマいんだが、どう表現しようコレ(笑)

こう言っては元も子もないんだけど、うちらのやってる焼き方だと油たっぷりでジュージューいくから皮がウマくなっちゃうんだよね。この餃子の本来の特徴かどうか分からないとはいえ皮がウマいね。

で、皮抜きにしても普通にウマいから、ちゃんとしている餃子だね。あとニンニクは確かに感じるけど、そこまでキツくない。そうだな、この餃子はねぇ……THEパクパク系です!!

味噌ダレもウマいよ。これ系だったら醤油だとしても合うと思う。でも醤油だと、もうちょっとニンニクが強くなっちゃうかもね」


──とのことで、なんと偶然にも「パクパク系」という意見で一致。続いて私も食べてみたのだが、店舗とは皮に大きな違いがあった。確かに当編集部の焼き方は特殊。詳しくは「焼き餃子を美味しく作るコツ」の記事をご覧いただきたいが、皮にドーピング的なことを施すため、お店と違うようになるのもしばしばなのだ。

・作り方1つで変わる餃子は面白い

餡に関してはメモに書いた通り、スゥッと口の中で消えていく。当然といえば当然だが、お店と通販を比べても特別変わったところはないように感じた。両方に共通していたのは、老若男女誰が食べてもOKな点。大人はビールと合わせたら最高の組み合わせになるはずだ。

ここで改めて気づかされたのが餃子の奥深さ。焼き方1つ変えるだけで違った顔を見せてくることは知っていたが、ついつい餃子に慣れすぎてそのことを忘れてしまっていた。今回、店舗と通販を食べ比べることで、いろいろと大事なものを思い出せた。

お店で食べる餃子もウマくていいけど、通販の餃子は自分でいろいろと試せるからまた面白い。人は身近なことに意外と気づかないもの……餃子で灯台下暗しを体験する実食であった。

参考リンク:丸山餃子製作所
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.


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▼店舗の餃子はこんな感じ


▼これまでお取り寄せした都道府県。全国制覇までの道のりは長い!

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