全ての人に当てはまるワケではないが、どうやら私、P.K.サンジュンと同じ悩みを抱える人はかなり多いようだ。その悩みとは年老いた親との付き合い方。つい先日公開された「緊急募集: 年老いた親と揉めないで付き合う方法」には多くのリアクションをいただいた。

「無視しろ」「お前が悪い」「こうしたらイイ」……などなど様々なご意見を頂戴したが、全員に共通するのは「うちの親も同じ」ということ。なぜ人間は老いと共に滅茶苦茶になっていってしまうケースが多いのだろうか?

・通知ラッシュ

先述の記事が公開されたその日、私の個人Twitterは怒涛の通知ラッシュが止まらなかった。要するに同じ悩みを持つ方たちがこぞってコメントしてくれたワケで、中には数千文字に及ぶメッセージをくれた方も。みなさん、本当にありがとうございます。全部読みました。

アドバイスの内容や親との付き合い方は多岐にわたるが、それについては置いておく。重要なのは「老いと共に滅茶苦茶になっていく人が少なくない」という事実。記事が公開される前は「うちだけ?」かとも思ったが、リアクションを見る限りそんなこともないらしい。

かつては尊敬の対象だった親が、まさかの言動を繰り返すようになり、やがて少しずつ心が離れていく。老い先短いからこそ出来れば心穏やかに付き合っていきたいが、暴発する親を目の当たりにすると「そうも言っていられない」というのが個人的な現状だ。


・いきなり名言

さて、今回お話させていただくのは「なぜ年老いた親は滅茶苦茶になっていくのか?」に対しての華麗なる一言。その言葉を聞いたとき、大げさではなく鳥肌が立った。科学的な理由ではなくむしろ “真理” に近いが、そこから見えてくるものもあるのではなかろうか?

その日、私は事務所でまさに先述の記事を執筆中であった。父と揉め事があって間もなかったためか、記事を書きながらも胸のモヤモヤが晴れず、事務所にいた数名のメンバーに「ちょっと聞いてよ!」と揉め事の内容をブチまけたのである。

「うちも同じ」「うちはまだ大丈夫」「サンジュンは悪くない」「いや、サンジュンが悪い」などと一通り話が盛り上がり、私のモヤモヤも幾分か収まった。そして終盤──。話に加わっていた当サイトの女性記者、亀沢郁奈がサラリと凄い一言を放ったのである。


亀沢:「まあ、どこの家も似たような悩みがあるんだね」

サンジュン:「だな。マジで勘弁して欲しいよ」

亀沢:「でもさ、もしかしたら神様がそういう風に設計してるのかもしれないね」

サンジュン:「なにが? どういうこと?」

亀沢:「ほら、良い人のまま死んじゃったら残された方がものすごく悲しいじゃん。だからある程度先が見えてきたら、人間わざと嫌われるような言動をするように出来てるんじゃないの? 死んだときにあまり悲しくないように

サンジュン:「君……すごいこと言うね。でもそうかもしれない……というか、そう思わないとやってられない」


繰り返しになるが、科学的な根拠もないうえ、全ての人に当てはまる内容ではない。それでもここ10年ほど親との付き合い方に悩まされている私としては「名言じゃん……!」と思わずにいられなかった。

であるならば、父に「かつての姿を取り戻して欲しい」と願うより「はいはい、そうですね。長生きしてね。でも人には迷惑をかけないでね」と流しつつ付き合った方がいいのだろうか? そこまでの答えは出ていないが「人間ってそういうもの」と思えば多少は気も楽になる。

現段階でも私は年老いた父との付き合い方に頭を悩ませているが、この件で2つのことがわかった。1つは「自分がそうならないように気を付けること」そしてもう1つは「人間ってそういうもの」とどこかで見切りをつけると多少はストレスが軽減されることだ。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.