「かつや」が先日発表した新商品『豚キムチとチキンソースカツ飯』は、我々 “かつや者” にかつてない新鮮な驚きをもたらした。あれ? なんかこれ……普通にウマそうじゃね? そう、あの「かつや」の期間限定メニューなのに、なかなかイイじゃんと思わされてしまったのだ。

なるほど、たしかに豚キムチとチキンソースカツという組み合わせには心惹かれるものがある。「丼におさまらないボリュームになった」ことを理由に、カレー皿で提供するという今回の手法も上手いと言わざるを得ないだろう。しかし……私(あひるねこ)は今、静かにブチギレている。

・かつやの新商品

本日2021年5月28日より期間限定で販売が始まった『豚キムチとチキンソースカツ飯(税抜690円)』。合い盛りメニューの新作を作ろうとした結果、豚キムチとチキンカツが丼におさまらなくなったという実に「かつや」らしい一品である。

さっそく注文してみると、運ばれてきたのはなんとカレー皿。その上には豚キムチにキャベツの千切り、そしてチキンカツが2枚ものっている。凄まじい物量だ。もはやご飯の姿は見えず、たしかに普通の丼だとおさまらないというのも理解できよう。だがしかし……。


「かつや」に問いたい。お前ら……


カレー皿の気持ち考えたことあんのかよ……!!

・非人道的行為

先日の新メニュー発表で、丼におさまらないことを理由にカレー皿での提供を高らかに宣言した「かつや」。これに対し、“かつや者” の多くは「丼におさまらないボリューム? すげえ!」と素直に盛り上がっていたように思う。

だがその裏で、犠牲になった存在もあったのだ。そう、カレー皿である。カレー皿とは読んで字の如く、カレーを盛る皿のことを指す。しかし、「かつや」におけるカレー皿の歴史は、実に陰惨たるものものだった。振り返ってみよう。


ある時はなぜかうどんを盛られ……


またある時は牛丼とカツ丼を同時に盛られ……


ついにカレー! と思ったら再びうどん……。

こうしてカレー皿は、少しずつ自らのアイデンティティを喪失していったワケだが、そこへ来てまさかの『豚キムチとチキンソースカツ飯』である。豚と、キムチと、カツと、ソースである。全員他人か。赤の他人が遠い親戚のような顔をして入ってきたのか。パラサイトなのか。

・侵略者

そんなカレー皿の気持ちは一切無視して、暴虐の限りを尽くす豚と鶏たち。ハッキリ言ってコイツら、“おかず力” が強すぎる。我も我もとご飯を奪い合うおかずモンスターだ。豚キムに至っては、オプション兵装としてマヨネーズまで引き連れており もはや始末に負えない。

中でも私がもっともタチが悪いと感じたのが、ご飯とおかずのバランスである。別にご飯の量が少ないワケではないのだが、豚キム&チキンカツの攻撃力を考えると微妙に、微ッ妙~に足りないのだ。女性3名に対し、男が4人いる合コンとでも言おうか。

そのせいで、まったく頼むつもりなかったのに つい頼んじまったよ……。


ライス単品(税抜160円)を……!

・不可避の罠

そう、まんまと「かつや」の戦略に引っ掛かってしまった格好である。あな口惜し、あな口惜しや……! あまった豚キムとチキンカツを、ご飯の上にのせちゃったりして。あな口惜し……! いい感じにセルフ丼を作っちゃったりして。あな口惜しや……!!

・絶許

結果、腹がはち切れんばかりの満足感を味わったワケだが、だからって私は「かつや」の暴挙を許したつもりはない。先ほどからカレー皿の「ワガハイは一体何のために生まれてきたナリか……?」という悲痛な叫びがどうにも耳から離れないのだ。だから「かつや」よ、もう一度言うぞ……。


「丼じゃおさまらない!」じゃねぇ……!


おさめろ……!!


– 完 –

参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

★「かつや」関連の記事はこちら → シリーズ「かつや激闘集」

▼余談だが、Twitterで新商品に反応したら……

▼なんか彼女みたいな反応をしてきた。