世の中にあふれる「有名店のカップラーメン」は本当に店の味と近いのか? ただそれだけを確かめるガチ企画「有名店のカップラーメン、本物の直後に食べる」も第11回目を迎えた。今回も超がつく有名店、熊本の『桂花(けいか)』が登場だ。

昭和30年創業の『桂花 熊本本店』は、熊本ラーメンの歴史を語る上で欠かせない超有名店。果たしてカップラーメンは店の味をどこまで再現できているのだろう? さっそく検証してみたのでご報告したい。

・熊本ラーメンの雄

札幌ラーメン、博多ラーメン、和歌山ラーメン……などなど、数あるご当地ラーメンの中でもかなりの知名度を誇る熊本ラーメン。その特徴は九州らしく豚骨ベースの濃厚スープで、店によっては鶏ガラを使用することもあるという。

極細ストレート麺の博多ラーメンとは違って、熊本ラーメンは中太麺の店が多いかも……と、九州男児の原田たかしが言っていた。その原田も「熊本ラーメン」と言えば真っ先に『桂花』が思い浮かぶらしい

・熊本ラーメン = 桂花

昭和30年創業の桂花は、熊本ラーメンを全国区のラーメンにのし上げた立役者的な存在で「熊本ラーメン = 桂花」とお考えの人も多いことだろう。特に都内在住だと「熊本ラーメン = 桂花」となる人が多いハズだ。

さて、今回『桂花ラーメン』と比較するのはサンヨー食品の「桂花 熊本マー油豚骨」で、メーカー希望小売価格は税別220円。サンヨー食品のホームページによると、つい最近の2021年3月のリニューアルしたばかりのようだ。

2018年から発売を続けているということは、それなりにユーザーからの支持を得ている可能性が高い。売れなければ即座に販売終了になってしまうこのご時世、これは期待してもいいのではないだろうか? というワケで……


都内の桂花に直行!


桂花ラーメンをオーダーしたら……


しっかりと舌に記憶させる!!


で、食べ終わったらすぐに店の外で


カップラを即食い!


結果……


別物でした。


理由は大きく2つある。個人的に実は今回が “初桂花” だったのだが、本物には隠し切れない臭みがあった。これは本場で長浜ラーメンを食べたときにも感じたことだから、おそらく本場の豚骨スープは「臭みがあってナンボ」なのだろう。

・本物の臭みがない

一方のカップラーメンには臭みが一切ないので、まずその点が大きく違う。あたり前といえばあたり前だが、カップラーメンの方では臭みが一切再現されていない

さらに、マー油の風味はカップラーメンの方が圧倒的に強かった。おそらくではあるが、本物は臭みを含めてスープが荒々しいので、同量のマー油を加えた場合、どうしてもカップラーメンの方がマー油を強く感じる。このことからスープについては「別物」とジャッジしたい。

・麺は過去最高かも

ただし、麺は過去のどの商品よりも本物に近かったのではなかろうか? 生麺と乾燥麺の違いがある以上、基本的に麺についてそこまで掘り下げてこなかったが「桂花 熊本マー油豚骨」はかなり近い。素直に驚いた。

もう1点、どちらがウマいかの話は置いておくが、食べやすいのは俄然カップラーメンの方だ。理由はもちろん、本物にある臭み。この臭みがクセになるまで、言い方を変えると臭み込みでウマいと感じるようになるまでは、カップラーメンの方が万人受けする味わいだ。

まとめると、臭みが再現されていない分スープはかなり違うが、麺はかなり近い。また「食べやすいのは圧倒的にカップラーメン」ということになる。再現度はそれなりだが、完成度は高いカップラーメンと言えるだろう。

かつて本場で長浜ラーメンを食べた際、地元在住の知人に「たぶんいきなり食べてもウマくないよ。でも3日連続で食べたら病みつきになる」と言われた。本場の豚骨スープとはそういうものなのだろう。それを考えると、方向性からして違うラーメンなのかもしれない。

参考リンク:桂花
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

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