先日、何気なくアマプラのホーム画面を眺めていたところ、おすすめ作品の中にアニメ『キテレツ大百科』を偶然発見した。横にいた妻が「懐かしい! 見たい!!」と言うので、試しに再生してみることに。約25年ぶりの『キテレツ』である。

だがよく考えると、放送当時の私(あひるねこ)は『キテレツ大百科』を途中から、しかも飛び飛びでしか見ていないし、そもそもどうやって話が始まり、最後どうなったのかもよく知らない。これは昔のアニメあるあるではないか。

そこで今回は、1988年に始まった『キテレツ大百科』の記念すべき第1話を見てみようと思う。もちろん人生初……なのだが。実はこの回、割と冒頭から衝撃の連続だったナリ。

・キテレツ第1話

全部で331話もある『キテレツ大百科』。その第1話目のサブタイトルは、『ワガハイはコロ助ナリ / 潜地球で宝さがし!』ナリ。いかにも第1話っぽい雰囲気ナリな。アマプラに登録している人は、ぜひ動画を再生しながら続きを読んでほしいナリよ。

さて、まず最初に驚いたのが『お嫁さんになってあげないゾ』という番組OPテーマである。妻はこの曲を知っているようだが、私はというと完全初見。マジで見たことも聞いたこともない上に、みよちゃんがお尻を振ってパンチラするという謎の描写にいきなり衝撃を受ける。

・本編スタート

さあ、ここから先は、初めて『キテレツ大百科』を見たつもりになって楽しもう。物語は真夜中。メガネをかけた主人公らしき少年の部屋から始まる。

……まあ、その少年とは言うまでもなくキテレツのことなのだが、眠っていたキテレツが誰かに名前を呼ばれて目を覚ますと、そこにはキテレツの先祖であるキテレツ斎さまの姿(幻)が。え? こんなに早く、しかも何の前触れもなく出てくるの? と思いきや……


「キテレツ斎さま!」


・展開がマッハ

なんとキテレツ少年、キテレツ斎さまのことをすでに知っている様子だ。戸惑う視聴者を完全に置きざりにして、軽くあいさつを交わす両者。会話の内容から「キテレツ斎さまが記したキテレツ大百科を、今はキテレツ少年が所有している」ことが何となく推察できるが……。

一応お知らせしておくと、この時点で開始わずか50秒である。凄まじいスピード感。何をするにも説明過剰な昨今のアニメ作品とは対照的というか、テンポが早くていいよな。昔のアニメって。しかし次の瞬間、私は震えあがることになる。

キテレツ斎さまとのやりとりの途中、セリフをバックにキテレツ少年の回想シーンが挟まれるのだが、そこにはキテレツの他にもう一人誰かいるようなのだ。小さくて黄色い丸頭に、ちょんまげみたいな飾りをつけ、短い刀を持った……って、


え!?


もしかして、コロ助……かナリ?

いや、ちょっと待てぃ! いくらなんでも飛ばしすぎているぞ。本当にこれは第1話なのか? 違うエピソードを再生していないか? もう一度よく確認してみるも……どうやら合っているらしい。バカな……! そう、これは予想だにしなかった事態である。


コロ助、初登場の段階で……


まさかの完パケ済み……!!

・斬新すぎる

マジかよオイ! 『キテレツ大百科』はキテレツがコロ助を作るところから始まるんじゃないのかよ!! ていうか、初登場が回想シーンて! 初見の視聴者からしたら「何だこのネギ坊主は」ってなもんだろう。ちなみに、コロ助の最初のセリフは……


「ワガハイはおつかいをするために生まれたんではないナリよ」


だった。なら何のために生まれたんだという感じだが、キャラクターが登場するたびに字幕で名前が表示されるあたり、これが新番組であることに間違いはなさそうだ。謎は深まるばかりである。

しかし、まだまだ止まる気配がない『キテレツ大百科』。この後の展開はさらにスゴイぞ。コロ助の制作過程がダイジェストでお送りされたかと思ったら、キテレツとケンカしたコロ助が第1話にしてまさかの家出。最後は仲直りして号泣エンド……ってこれもう7話目くらいの内容だろ!

・1話ではない?

なぜ、こんなことになってしまっているのか? 疑問に思い調べてみると、ここで驚きの事実が明らかになった。実は『キテレツ大百科』は、テレビシリーズが始まる前に単発の特番として放送されており、レギュラー放送版はその続きのような位置付けになっているみたいなのだ。

つまり現在アマプラ等で配信されている第1話は、本当の意味での第1話ではないというワケ。コロ助の誕生シーンなどは、きっと特番の方で描かれたのだろう。どうりでいろいろ省略しすぎだと思ったよ。

ただ、特番は2021年5月21日の時点で配信もDVD化もされていないため(VHSは当時発売されたようだ)、どんな内容だったかを知ることは残念ながらできない。キャストやキャラクターデザインなどテレビ版と異なる部分も多いらしく、一度は見てみたい気もするが……。

・名作

とにかく、『キテレツ大百科』は2021年に見ても抜群に面白かった。特にコロ助のポンコツ可愛さが、大人になってからだと余計に愛おしく感じられ最高だ。アマプラ会員は無料で見られるので、当時を懐かしみつつ、ぜひぜひご覧いただきたい!

あと関係ないけど、EDテーマ『マジカルBoy マジカルHeart』のベースがエグすぎて笑った。こちらも要注目である。

参考リンク:Amazonプライム・ビデオ『キテレツ大百科』
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.