かつて一世を風靡しかけた牛丼チェーン「東京チカラめし」が2021年5月17日より、初となる “うな牛” メニュー『鰻の蒲焼き牛丼』を発売したと新宿西口1号店の公式Twitterが伝えた。ちなみにこの情報、「東京チカラめし」の公式サイトには一切書かれていない。

さらに言うと、「東京チカラめし」の公式Twitterアカウント自体、そもそも存在しないのだ。あるのは新宿西口1号店の店舗アカウントのみ。……大丈夫だろうか? いろいろと心配になりつつ、『鰻の蒲焼き牛丼』には興味があったので、久しぶりに足を運んでみることにした。

・久々のチカラめし

当編集部の佐藤パイセンによると、新宿西口1号店は去年5月に「新チカラめし」としてリニューアルしたらしいのだが、今年4月になって再び「東京チカラめし」に戻ったんだとか。ややこしい……と思ったけど、よく考えたら私が最後に行ったのは2019年2月なので、何も問題ないな。

さて、出掛ける前に念のため場所を確認しておくかと、「東京チカラめし」の公式サイトを開いた私。ところがここで、驚愕の事実が明らかになってしまう。マ、マジかよ……! 店舗情報のページを見てみたら、なんと……


全国に3店舗しかねぇ……!!

・絶滅寸前

これは東京都内での話ではない。2021年5月19日の時点で、全国に「東京チカラめし」は3店舗しか存在しないのだ。え? ていうか……都内にあと1店舗しかないの? 残ってるのは新宿西口1号店だけ? いや……それもう、ただの個人店やん。

あとは千葉の「新鎌ヶ谷店」と、大阪の「大阪日本橋店」のみである。減ってる減ってるとは聞いていたけど、まさかそんな状態になっていようとは。あまりの数字に軽くショックを受けていると……


そこへ『鰻の蒲焼き牛丼』が運ばれてきた。

・チカラうなぎ

名前の通り、うなぎの蒲焼きと焼き牛丼が同じ器に入った豪華な一杯である。思っていたよりうなぎが大きく、見た目も華やか。ただ……残りあと3店舗か。一緒に山椒と味噌汁もついてきた。これで税込950円だ(大盛りだと1000円)。

牛丼チェーンでうなぎを食べるのは実は初めてなのだが、なんと! 驚くことに!! これがけっこうウマい。想像していた以上にしっかりうなぎである。身は柔らかく、駄うなぎ特有のぶよぶよした食感も特になし。端の方までおいしく食べられた。

もちろん国産の高級うなぎとは比ぶべくもないが、「東京チカラめし」が初めて出すうなぎとして考えるなら花まるものだろう。ただ……残りあと3店舗か。超久しぶりに、それも「東京チカラめし」でうなぎを食べられてとても満足したぞ! ただ……


残りあと3店舗か。

・心配

「東京チカラめし」初となるうなぎの蒲焼きは、予想に反してけっこうウマかった。しかし、彼らが置かれている現状を考えると、うなぎ食ってる場合じゃねぇという思いの方がどうにも先攻してしまう。だってあと3店舗だぞ?

・頑張れチカラめし

新宿西口1号店に関して言うなら、現場の店員さんたちはすごく元気に頑張っていたし、入店時におけるアルコール消毒の声掛け、各席に設置されたパーテーション、注文時の体温チェックなど、他の飲食チェーン以上に感染対策を徹底していて好印象だった。

なんならここから店舗数をガンガン増やしていきそうな活気に包まれており、とても絶滅危惧種に指定されているようには見えない。この調子で頑張ってほしいなぁと素直に思いながら、私は店を出たのだった。まあ牛丼の味はちょっと変わってたけど。

参考リンク:東京チカラめし、Twitter @TCM_Shinjuku
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼告知は新宿西口1号店のTwitterだった。