遊びながら学べる、おもしろ玩具を製造する株式会社メガハウス。このたび本物と見間違えるほどリアルな “昆虫グミ” を作れるクッキングトイが登場したという。

カエルをゼリーに入れたり、アリを寿司にしてみたり……子どもが大喜びしそうなイタズラグッズ。昆虫が好きならリアルさにワクワクだし、嫌いならギャーギャーいって楽しめそう。

どっちに転んでもよし、と始めてみたら、待っていたのは予想を超えるグロテスク展開! どういうことか、ちょっとご覧いただきたい。


・「グミップルラボ ドキッとステーション」(税込3850円)

その商品は「グミップルラボ ドキッとステーション」といい、対象年齢は8歳以上。グミ液を作るためのビーカーや計量スプーン、型抜き用のトレイなどがセットになっている。

本体に加え、ジュース各種とゼラチンの購入が必要だ。ジュースの色が、そのまま完成作品の色になる。茶色ならコーラ、橙色ならイチゴとレモンのシロップなど、カラーレシピもついている。

「湯せんステーション」と呼ばれるメインパーツに湯をセットし、好きなジュースを温めてゼラチンを溶かす。卓上で簡単に湯せんができるというわけだ。

ハンドルをぐるぐる回すと、手動ミキサーになる。幅広の羽根のおかげでゼラチンを混ぜやすく、よく考えられている。好きな色のグミ液を用意できたら、成型開始だ。


・カブトムシの場合

商品には型抜き用のグミトレイが6枚もついている。昆虫のほか、カエルや金魚、生肉などを作れるぞ。今回はキング・オブ・昆虫のカブトムシと、その幼虫を作ることとする!

ゼラチンを溶かしたコーヒー液を「腹側」のトレイに注ぎ込む。脚先にも液体が行き渡るよう、付属のツールで丁寧にコーヒーを満たす。

10分ほど冷蔵庫で冷やすと固まる。後でわかるのだが、工程ごとに5分~10分間の冷却が必要なので、完成には結構な時間がかかる。

続いて「背側」にグミ液を入れて、固まる前に2つの型をドッキングさせる。型にはガイドとして凹凸があるので、パチンとはめるのだが……

ここでアクシデント発生! ガイドの凹凸が微妙にずれていて、しっかりハマらない!! ここがハマらないと2つの型が密着しないのだ。


型は軟らかいポリ素材なので、ひねったり伸ばしたりすれば無理やり押し込むことはできそうだが……


あああぁぁぁ! 一生懸命いじっていたら、液体が四方八方に漏れ出てしまった! ちょっとグロテスクだよ! ごめんなさいー!!


ともかくドッキングはできた。ゼラチンが固まる過程で一体化するはず。再び冷蔵庫に入れて待つこと10分……恐る恐る型から外してみる。


んんっ、今度はなにかがブラブラしている!?


脚だ!! 脚のように細いところは十分な強度がなく、無理に型から抜こうとするとちぎれてしまう! 

つまようじを駆使しながら、なんとか型から引きはがす。サイズはちょうど本物のカブトムシで、段のある腹部もリアルな一方、甲虫としてはあり得ない体勢になっていて脳が混乱する。

無残である……。せめて輪郭をくっきりさせようと、余分なところを取り除いてみるが……


やはり無残である。これじゃ死骸だ。なぜこんなことに……


幸いにも羽根パーツだけはキレイにできたので、本体に接着してみる。残ったグミ液を接着剤のようにして塗ると、パーツ同士を接合できる。

なんか余計に無残になった! 羽根が開いているから!?


むごい! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……!! そんなつもりじゃなかったんです!


・幼虫の場合

同時進行していた幼虫の方はどうだろうか。


こちらはカブトムシのような細いパーツがないため、キレイに型抜きができた!

ゴロッと大きく、大迫力である。カルピスを使ったのだが、半透明のツヤツヤボディがリアル。弾力のある触感も昆虫そのもの。すごい、よくできている!!

サイズ感がちょっとおかしいが、親子の図。


この「グミップルラボ」、1つ作業するごとに冷蔵庫で冷やす工程が入り、そうこうしているうちに湯せんのお湯が冷めてくるなど、なかなかに大変である。

ほかにも、見本写真みたいに内部が透けているようにしたくて茶色を加えたら、一瞬で溶けて拡散したり……

凝固しかけてデンプンノリのようになったグミ液の始末に苦戦したり(そのままシンクに流すと、たぶん排水管が詰まるぞ)

卓上がひどいありさまになったり……といった悲劇が散々あったのだが


「おたまじゃくし」が可愛くできたのが唯一の救いである。


・ごめんなさい

「本物そっくりの虫を作ってムシャムシャ食べてやるぜ~!」というアホな趣旨で始めた企画だったのだが、予想外の絵面(えづら)に自分がドン引きし、しかも背徳感や罪悪感に襲われる微妙な経験だった。もうしません、許してください。

商品としてはよくできていて、グミ液が冷めないよう湯温をキープしたり、こまめに攪拌(かくはん)したりすれば、もう少し上手くいったと思う。幼虫など、本当にリアルである。ご想像のとおりかと思うが、食感はグミというよりゼリー。

同時発売に「グミップルラボ キラッとステーション」という商品もある。そちらは花やジュエリーやガラスの靴を作れる平和的なキットなので、興味はあるけれどグロいのは勘弁という方は比較検討していただきたい。


参考リンク:株式会社メガハウス
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.