「跨ぐなよ」──。この言葉を言われて敷居は跨げない。なにしろ、大仁田ですら跨げなかったんだから。言わば出禁である。
以前の記事で、そんな言葉をゆで太郎の池田社長から喰らったにもかかわらず、社長室に突入した富士そば代々木八幡店店長の柳田氏。嘘だろ? 池田社長は完全にブチギレているぞ!! 一体どうなってしまうのか!?
・ゆで太郎と富士そばの抗争
立ち食いそばチェーンながらに「のり弁」を販売しているゆで太郎と富士そば。これまで本サイトでは、こののり弁がキッカケで勃発している両社の抗争を独占的にお伝えしてきた。もし、本記事で初めて知ったという方がいれば、詳細な流れについては過去の記事をご覧いただけると幸いである。
・社長室に突入した結果
さて、前回、ゆで太郎本社を襲撃した富士そば。富士そば代々木八幡店店長の柳田氏がゆで太郎社長室に突入したのは冒頭でお伝えした通りだ。で、社長室に突入した後、どうなったのかと言うと……
私(中澤)が両社ののり弁を食べ比べることになった。
まあ、食べ比べるのは良いとして……
こんなに緊迫した食べ比べある? 以前の記事でお伝えしている通り、池田社長は元ほっかほっか亭社員でのり弁愛もある。必然的に、ゆで太郎ののり弁へのこだわりも半端じゃない。
・食べ比べ開始
海苔は瀬戸内播磨灘産だし、かつお節は枕崎産枯節極薄削りをちゃんと鍋で炒ってると言っていたし、白身は船凍品(船上瞬間冷凍方式)だし、醤油は銚子の本膳。醤油までこだわってんのか。まさに「魂ののり弁」と言えるだろう。
それだけに、食べてみるとやはりゆで太郎の素材の良さが際立っている。白身魚はふわっと柔らかいし、かつお節も風味豊かだ。米も粒が立っていてウマイ。
池田社長「フハハハハハ! 勝てると思ったか小童めが」
柳田店長「まだ勝負は分かりませんよ。あなたには大事なものが見えていない!」
──続いて、富士そばののり弁を食べてみたところ……こ、これは!
ギトギトやん!!
それもそのはず、富士そばののり弁は代々木八幡店から持ってきているため、作ってから1時間以上経っている。しかも、白身魚フライの他に、かき揚げ天とメンチカツが小さい丼の中に詰め込まれているのだ。メンチカツの油くささSUGEEEE!
しかしなぜだろう? 油くささがウマく感じてしまうのは。とにかく肉。ただただジャンキーなものばかり食べていたあの頃。このメンチからはそんな青春の味がする。逆に富士そばの方が止まらねェェェエエエ!!
池田社長「バ、バカな!」
池田社長「こ、これは……!?」
池田社長「ギトギトやん!」
しゃ、社長ーーーーーーーーッ!
池田社長「こ、これは……」
池田社長「のり弁の……声!」
のり弁「あなたは頑張ったわ」
池田社長「まだじゃ! ワシャアまだ恩返しするんじゃ」
のり弁「ありがとう。でも、もういいの」
池田社長「何がええんじゃ! こんなものにゆで太郎ののり弁が負けるはずが……」
のり弁「やめて! あなたにはこののり弁に込められた魂が伝わらないの!?」
池田社長「のり子……」
のり弁「のり弁同士で争うのはもう……やめ……て……」
池田社長「ハッ……!」
池田社長「ワシは……ワシは間違っとったんかもしれん。のり弁の上にのり弁はなかったんじゃ。ワシらがお世話になったのり弁は、みんなの味方やった……」
池田社長「こののり弁がそのことを思い出させてくれたんや。ワシらとやり方は違うかもしれへん。でも、こののり弁には間違いなく魂がこもってた。また1からやり直しや。のう太田」
太田室長「war is over」
のり弁……それはワシらの青春
のり弁……それはワシらの魂
全ての魂にありがとう
お付き合いいただいたあなたにありがとう
そして、何より……
ありがとう、ほっかほっか亭
<完>
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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