美味しいパンを食べようと思ったら、焼きたてに勝るものはない。熟練の職人の昨日のパンよりも、素人の焼きたての方が美味しいなんてことも十分あり得る。

しかし、とにかくパン作りは手間と時間がかかる。初心者キットに挑戦したこともあるが、1工程ごとに「30分ねかせる」などと待たされ、半日がかりの大仕事。

そんな貴重な焼きたてパンも、冷凍食品なら自宅で食べられる! 最近はカルディで売っている「オスカーモンド クロワッサン」が大好きだ。ところが最初は思いのほか焼き加減が難しく、悪戦苦闘した。だいぶマシになったが、参考までに失敗も含めてお伝えしたい。


・「オスカーモンド クロワッサン」(筆者の購入価格:税込537円)

まずは成功例をみていただこう。上手く焼けると、このような外はパリッと、中はフワフワの焼きたてパンが食べられる! こってり濃厚で、甘~いクロワッサン。発酵バター100%だといい、カロリーはちょっと考えたくない。

「クロワッサンは塩系が好き」という人には向かないが、甘党の筆者にはとても美味しい。なによりオーブンから出したて、焼きたてのホカホカパワーにかなうものはない。

裏面もこんがり、いい色に焼けている。はじめは、こうはいかなかった。


中心にふっくら空気の層ができているのが伝わるだろうか。何層にも重なった薄い生地が、しっぽまでサクサクの食感を生み出している。絶品である。


・成功に至るまで

話が前後したが、ここに至るまでは悪戦苦闘があった。初挑戦して失敗したときのことをレポートしたい。

商品は1袋に5個入り。開けた瞬間の感想は「薄っ!」である。生地はせんべいのように平べったく、とてもクロワッサンにはみえない。小ぶりなので1人でも5個いけそう。

焼く前にまずは解凍するのだが、夏場20分、冬場30分と明確に指示がある。長時間放置しないように注意書きがあり、「前日から適当に出しておこう」というアバウトな行為は許されない雰囲気。

さらに、オーブンには予熱が必要。筆者の環境では20分かかった。解凍時間と予熱時間がぴったり合うよう計算しなければならない。

焼成は180℃で25分とある。食べようと思い立ってから合計1時間。結構な時間が必要だ。


この時点で筆者は少々「めんどくさいな……」という思いに捕らわれていたのだが……


次第に台所にただようバターの香り! 早朝のパン屋のように香ばしく、元気がわいてくる。焼き上がるのを待つワクワク感を久しぶりに思い出した。

指定の時間が経ってオーブンを開けると……何倍にも膨らんでいるー!! 王蟲(※『風の谷のナウシカ』に登場する巨大生物)だ! 小さいなんていってゴメンナサイ。めちゃくちゃ美味しそうである。


パッケージには、そのまま10分ほど冷やすとある。ところが、喜んだのも束の間……


生気が抜けたように、みるみるしぼんでいく王蟲たち! シワシワである!! どうしたぁぁぁ!?


食べる頃には、ぺったんこになってしまった。味はめちゃくちゃ美味しいのだが、クッキングシートに接していた部分はしんなりと湿り、何層にもなっているはずの中央部も頼りない。

ググってみると発酵時間の長短……は冷凍食品だから関係ないとして、どうも焼成の温度が足りなかったのではないかと思う。写真から察するに、もっとこんがり焼き色がつくはずだし。

そういえば我が家のオーブンレンジ、家電としての耐久期間がとっくに過ぎていて、最近なかなか加熱されないなぁと感じていた。

どう考えても、ミイラのようなこの姿は正解ではない。商品のポテンシャルを活かしきれてないと思う! 悔しいのでもう1度、同じ商品を買ってきて挑戦してみることにした。

今度は解凍時間もタイマーで正確に計り、夏でも冬でもないので中間の25分にしてみた。

オーブン温度は180℃だと足りなそうだったので、10℃プラスの190℃に。生地の解凍が終わるよりも先に予熱が終わってしまったので、念のためもう1度予熱した。さらに、うちのオーブンの取扱説明書にある「途中で鉄板の前後を逆にせよ」という指示も忠実に守る。

そして冷ますときには通気性がよくなるように網を使ってみた。その結果が冒頭というわけだ。


・大変だけれど本当に美味しい

上手く焼けると「もうパン屋で買う必要はない!」というくらい美味しい。準備には少々手間がかかるが、冷凍だから何カ月も保存できるし、原産国は本場フランス。そう聞くと、余計に美味しいような気がしてくる。

一部ECモールでも手に入るようだが、カルディの冷凍コーナーならかなりの確率で発見できると思う。もし1度で上手くいかなくても、あきらめずに挑戦してみて欲しい!


参考リンク:カルディオンラインストア
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.