ちょっとシャレにならないことが起きている……かも? 率直に私、P.K.サンジュンの心境を表すならば、そんな感じになる。現段階では疑惑の域を出ていないが「ヤバいかも」という恐怖と「そんなワケがない」という確信が、心の中でせめぎ合っている状況だ。

もしかしたら、私、P.K.サンジュン(43歳)は「痛風」を患った……かもしれない。絶対にそんなハズはないのだが、症状だけを考えると痛風がドラフト1位候補に上がってくる。ちょっと健康の神様よ、俺に限ってそんなことはないですよね? ねぇ!?

・痛風はあり得ない

俗に “贅沢病” とも称される病気、それが「痛風」だ。患部に風が当たるだけでも痛いことから「痛風」と聞くが、客観的に考えても私とは縁遠い病気と言わざるを得ない。その理由は大きく2つある。

まず1つに、私の家系に痛風持ちがいないこと。母方の祖父は糖尿病、母と叔父はガンで亡くなっているので「糖尿」と「ガン」については否定しないが、痛風に関しては「家系的にはあり得ない」と断言できる。どう考えても痛風になりにくい血統なのだ。

2つ目は私が「すこぶる健康体」であること。健康診断は基本的にオールA。コレステロール値だけは常にFだが、これは2人の妹も同じだからまさに家系なのだろう。週に3度のジム通いを10年以上続けている私が不健康なら、世の9割以上が不健康認定されるハズだ。

・酒も飲まないのに

さらに言えば、痛風はビールや魚卵などに多く含まれる「プリン体」が大きな原因だと聞く。特に酒だ。私に晩酌の習慣はなく、せいぜい月に1度か2度、付き合いでビールやハイボールを2~3杯飲む程度である。

そんな私が痛風だなんて、どう考えてもあり得ない。というか、心の底から納得できない。だがしかし、およそ3週間前に私を襲った症状は、痛風患者から言わせると「紛れもなく痛風」らしいのだ。

・突然の激痛

異変を感じたのは朝だった。娘を保育園に送るため、自転車に乗ろうとした際「右足の甲」にピキッという痛みが。その時はさほど気にならず、日中も痛みはあるものの、特に生活に支障はなく1日の業務を終えた。

症状が急激に悪化したのは、家に帰ってから。徐々に右足を引きずるようになり、気付けば立ち上がれないほどの激痛が右足を襲った。「折れてるのか?」──。まず私が疑ったのは骨折、もっというと「疲労骨折」である。

しかし、どこも折れている気配はなく、足が腫れている様子もない。ビビった私はすぐにスマホで検索した。「右足」「痛い」と。そして予測変換ではじき出されたのが、


痛風」である。


先述の通り痛風は私にとって縁遠い病気であり、端的に自分事だと思えなかった。とはいえ症状を読む限り、ドンピシャで私と当てはまる。「ウソだろ? いやいやいや、絶対ない! 絶対にない!!」と全力で痛風を拒否した。

結局、その日は就寝し、朝には痛みもほぼ治まっていた。痛風のサイトには「とにかく水を飲め。2リットル以上飲め」と書いてあったため、半信半疑ながらその日は2リットルの水を飲み干すと、痛みがきれいに消えていたのだ。


おっかねぇぇぇえええ!


その日以来、毎日2リットルの水を欠かさず飲んでいるせいか、痛みは一切ない。私としても「何かの間違いだったんだ」と自分に言い聞かせ、右足を激痛が襲った事実ごと忘れ去ろうとしている最中である。

・唯一の心当たり

1つだけ可能性があるとすれば、コロナでテレワークが始まって以来、好きなものを好きなタイミングで好きなだけ食べていることは事実だ。過去数年は年に1度だけ本気のダイエットを敢行し、1年おきに体をリセットしてきたが、この1年に関してはそれをしていない。

だとしても、しつこいようだが私は酒を飲まないし、熊ではあるまいしイクラをバカ食いする機会も皆無。そして何より痛風の家系ではない。医者に行くつもりは毛頭ないが、仮に痛風だと診断されても納得できないし、受け入れるつもりもない

というわけで、現段階で疑惑の域は出ていないが、もしかしたら私は一瞬だけ痛風になったのかもしれない。しばらくは水を大量に飲みつつ、様子を見ます。でも絶対に! 俺に限って!! 痛風はないと思うんだよなァァァアアッッ!!

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.