少し前にネットを騒がせた「かじるバターアイス」。みなさんは食べることができただろうか?

ぼやぼやしていたせいで結局2本しか食べられなかった私は、その後深刻なバターアイスロスに陥っていた。近くのコンビニを毎日周回し、ネットで情報を漁るも、もうどこも売り切れで手に入れることは叶わず……。

あぁ……あのバターのようでバターじゃない感じをもう一度味わいたい……! とダメもとで近所の商業施設に行ったところ、なにやら見たことあるような黄色いパッケージの商品を発見。

ポストバターアイス時代の流れに乗っかった疑惑は拭えないが、とにかくこれはバター欲を非常に掻き立ててくる商品だ。値段は160円と、お財布にやさしい。アイスが無ければせんべいを食べればいいじゃないということだな。

・岩塚製菓「バター餅せんべい」

うん、これはアタリだ。食べてみるとどこか懐かしい味。ハッピーターンをマイルドにして、ミルク感をプラスしたような感じだろうか。バターはうっすらわかる程度だが、そのおかげか風味は軽く口溶けも良いので、いくらでも食べられそうだ。

実際、ひとつ小袋を開けたと思ったら、数分後には8個くらいなくなっていた。うますぎるのだ。たくさん入っているうえ、サクサクと軽く食べられるため、手が止まらない。シンプルながらも恐ろしい中毒性を秘めたせんべいである。


だがここでひとつの疑問が生まれた。「そもそもこれは本当にバター餅の味なのだろうか……?」と。


私は今までバター餅がなんなのかを知らないまま、このバター餅せんべいをうまいうまいと貪り食っていた。これは由々しき事態だ。熱烈なリピーターのひとりとして、このせんべいがどこまでバター餅を再現できているのか確かめなくては……!


・みうら庵の「もちもち三角バター餅」

ということで買ってきました、バター餅。秋田の郷土菓子なので、東北の商品を扱うお店にて594円で購入。売り場のお兄さん曰く、そのまま食べてくださいとのことだが、さてさてどんな味なんだろうか……。



は……? なんだこれ? めちゃくちゃうまいぞ!!


誤解無きよう言っておくと、せんべいはせんべいでとても美味しい。だが本物のバター餅はそれとは別次元のおいしさだったのだ。

まず思ったのは、バター風味の高級なすあま(和菓子の一種)みたいだな、ということ。とてもやさしい甘さで、ふんわりもっちりとした食感である。

元来バター餅は狩人であるマタギが狩携の際に持ち歩くための携行食として作られたというが、そんな背景があるとは微塵も感じさせない。上流階級の貴族が紅茶と一緒に食べていてもおかしくはないと思ってしまうほど、とてもお上品なお味なのだ。

ふわもちの食感がたまらないため、これはこれでいくらでも食べられるんじゃないかと錯覚してしまう。


・せんべいにはせんべいの、餅には餅の良さがあった

結論として、バター餅せんべいとバター餅は別物だ、ということに私の中では落ち着いた。バターの風味がほんのりするというところは共通しているが、後味や甘さの種類は全然違う。せんべいが劣っているとかでは全くなくて、本家バター餅がうますぎるのだ。



ただ、バターアイスしかり、バター餅も簡単に手に入るものでは無い。そんな時の強い味方こそが、おいしくて入手しやすいバター餅せんべいだったのだ。

そのうえ、バター餅という神銘菓に巡り会うきっかけも頂き、もうただただ感謝しかない。安易に本家と比べるようなマネをしてしまってホントすみません。これからもバター気分の時はお世話になりますので、どうぞよろしくお願いいたします……!

参考リンク:岩塚製菓「バター餅せんべい」、笑Shop「みうら庵のもちもち三角バター餅」
執筆:まろ
Photo:RocketNews24.

▼バター餅は、新静岡セノバで5月16日まで開催中の「東北ワクワクマルシェ」で購入。他にもこだわりの東北商品がたくさん並んでいました!