とんでもないものが生まれてしまった……。それはまるで神への冒涜。己がどこまでできるのかを試すかのような飽くなきチャレンジ。富士そば五反田店限定のそのメニューの名は「大きいコロッケそば(税込み490円)」である。
文字通り、コロッケそばのコロッケが大きくなったもの。しかし、どうだこの迫力は。大盛用の丼に蓋みたいにかぶさるコロッケには風格すら漂っているではないか。シンプルがゆえに直感で伝わってくる。クッッッソデケェェェエエエ!
・東京で掴んだもの
男子たる者、一生に一度はビッグなものに憧れる。それは私だって例外じゃない。上京したのも、プロミュージシャンになるというビッグな夢を掴むためだ。
そんな私が東京で掴んだのが、ビッグなコロッケだったのだから人生とは数奇なものである。あえて言おう。思てたんと違う……と。
・大きいコロッケそばの物語
しかしながら、このコロッケそばにも物語があるに違いない。味わわせてくれよお前の物語を。ひと口食べてみると……ふむ、なるほどなるほどなるほどね。
コロッケがデカイだけだ。
もう本当書くこともないくらいにただコロッケそばのコロッケがクソデカイだけなのである。出汁の染みたジャガイモが嫌というほど主張してくる味はそばがオマケにしか感じない。
だがそれゆえに、ボリューミーであることは確かだ。食べれば食べるほどにクッッッソデカイ。コロッケが終わらねェェェエエエ!
・細けぇことはいい人に
世の中には2つの派閥がある。コロッケそば肯定派と否定派だ。ボリューム感があって良い、あとポテトが意外とそばに合っているのではないか? いや、衣がべちゃっとなるのが許せない。
連綿と続いてきたそんな論争をあざ笑うかのようなそばである。細けぇことはいいんだよ! 大きいコロッケそばにそう言われた気がした。
ちなみに、富士そばの通常のコロッケそばは430円なので価格差はたった60円。麺を大盛にするより安くボリューミーになるので、細けぇことはいいからガッツリ食べたい人にはオススメだ。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.