最近『ウマ娘』の勢いがハンパない。放送中のアニメ『プリティーダービー Season 2』が人気なだけでなく、ようやく配信されたアプリも大ヒット。懐かしの名馬の名前がトレンド入りしているのもよく目にするし、今もっともホットなコンテンツだと言っていいだろう。

寝ても覚めてもウマ娘。始めこそ「ハイハイ、萌え系のやつね」と思ってスルーしていた競馬ファンの私も、いつの間にかその魅力にドップリである。えっ、推しは誰かって? トウカイテイオーさん!

・ウマ娘の面白さ

今でこそ立派なウマ娘ファンになるまで調教された私だが、もともとは競馬の擬人化アニメということに一歩が踏み出せなかった。理由はシンプル。自分の好きな競走馬がイメージと違ったらどうしよう、そもそも馬を美少女に擬人化ってアリなのかと思っていたからだ。

しかし、フタを開けてみるとその考えは私が時代遅れなだけだったと言わざるを得ない。実際に作品を見たら、競走馬たちが魅力的に描かれていて「っぽいなぁ」と思うような特徴をしっかりとらえているから驚いた。これは制作陣が相当な競馬ファンじゃないと作れない。

しかも、ただカワイイだけじゃないのがウマ娘。詳しくは以前の記事「13才から競馬好きのオッサンにウマ娘を全話見せた結果」をご覧いただきたいが、ifの世界……新しい夢の描き方……想像以上の競馬愛が注がれているから胸を打たれてしまった。

それに加えて、個人的に面白かったのが自分の競馬知識を確かめられること。史実に基づいているとはいえ一部がアニメオリジナルなため、そこで知識が試されることになるのだ。これって本当にあったかな? このレースに勝ったのは確か……的な。

もうこれだけでもハマるには十分だったが、アプリの方もスゴく出来がよかったから “ウマ娘の沼” である。基本的にはウマ娘を育成するゲームなのだが、カワイイや育ててあげたいという気持ちに加えて……

どこかダビスタのようで、そしてパワプロ(実況パワフルプロ野球)のサクセスモード的な要素もあるから面白い。先日の休みなんてウマ娘のアプリとリアル競馬しかやっていない競馬漬けの1日があったくらいだ。

……とついつい前置きが長くなってしまったが、ウマ娘を知れば知るほどこうも思うのだ。『ウマ娘』があるなら『ウマ男』もあっていいんじゃないかと。文字だけ見ると仮面ライダーの敵みたいだなってことはさておいて、私はいたって真剣に考えている。

・擬人化の秘めた可能性

というのも、美男子化は決して珍しいことじゃないからである。有名どころだと『刀剣乱舞』がそう。ご存じの人も多いように「刀を擬人化している」のだが、その人気は凄まじいものがある。

もちろん、ただイケているだけじゃダメだということは承知している。でも、競馬にはそれらの不安を一掃できてしまうような強みがあることから、もはや美男子が走る競馬は勝算しかないと言ってもいい。

こういうのも、そもそも競走馬はイケメンかどうかで論議されることがあるのが大きい。競馬ファンであればトウカイテイオー、エイシンフラッシュ、サトノダイヤモンドあたりの名前はすぐに出てくるように、言うなればイケメンの基盤は整っている状態にあるのだ。

そして『ウマ娘』同様、競走馬にはそれぞれバックボーンがあるから感情移入しやすい。リアルイケメンになったトウカイテイオーが有馬記念で奇跡の復活をしようものなら……胸熱ではなかろうか。それでいながら『ウマ男』の強みは他にもあって……

・筋肉と筋肉のぶつかり合い

男にするならするで選択肢は美男子1つじゃないことにある。『北斗の拳』のようなガチムチキャラがレースで激しいバトルを繰り広げるとしたらどうだ。想像するだけでアツそうで、男から見ても面白い展開になるかもしれない。しかもしかも……!

筋肉体操が流行ったように、筋肉は時代に沿ったトレンドでもあるから追い風しか吹いていない。筋肉と筋肉のぶつかり合いに女性たちが熱狂……という未来があっても何一つ不思議じゃない……というのは私が妄想しすぎだろうか。いっそのことオッサン(ウマおじさん)を走らせるのも人気が出るかも


……とも考えたが、絵面が大変なことになりそうだからこの話はやめておこう。

ウマ娘が人気だからウマ男も……というのは安易すぎるかもしれない。でも、ウマ男は娘に負けないくらいのヒキがあると思うんだけどなぁ〜。美少女が走るからこそ人気なのかもしれないが、ウマ男もイケると思うんだけどなぁ〜。

執筆:原田たかし
Photo:© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会、(C) Cygames, Inc.
ScreenShot:ウマ娘(iOS)