コロナ禍以降、にんにくを容赦なく盛り付けた商品が一気に増えた。伝説のすた丼屋の『超ニンニクすた丼』しかり、すき家の『トリプルニンニクMIX』しかり、裏ドミノの『悪魔のささやき』しかりだ。

マスク着用を逆手にとった “にんにくの波” が巻き起こっていると言っていいだろう。そんなガーリックビッグウェーブに、あの「餃子の王将」が乗っかろうとしているのをご存知だろうか。

本日2021年3月19日より、同チェーンはオーソドックス餃子の2倍以上の にんにくを使用したという『にんにく激増し餃子』を全国の店舗で発売開始したのだ。価格は1人前が税込297円(イートイン)と、通常の餃子より少しお高め。

では味の方はどうなのだろう? 確かめるべくお店に行ってきたので報告したい。


・『餃子の王将』に通う生活

個人的な話となって恐縮だが、私は「餃子の王将」の餃子を今までに大体1000人前くらい食べてきたように思う。少なく見積もっても、700人前以上はカタい。

いまから3年半前に公開された記事「餃子の王将で100人前くらい餃子を食べたら気付くこと・やりがちなこと50連発」でも書いたのだが、最低でも週に1度は餃子の王将に通う生活をかれこれ15年ほど続けている。

だからこそ「餃子の王将」への愛着も強いわけだが、ここはいつも通り忖度(そんたく)一切無しでレビューしてみることにしよう。まず見た目は……


ノーマルな餃子とほぼ同じ。このあたりは想定範囲内である。しかし味は差があるに違いない。覚悟を決めて、『にんにく激増し餃子』を口に運んだところ……


最初のひと口目から、にんにくのパンチが襲いかかってくる。ただし強打ではない。さながら距離感を確かめるジャブに近い。つまるところ、ノーマルな餃子に比べて確かに にんにく感は強いものの、そこまで “にんにくにんにく” していない気もする。


良く言えば、誰でも食べやすい餃子であり、悪く言えば、にんにく激増しという名前の割には大人しすぎるということになるだろう。

このあたりは感じ方に個人差があるだろうが、少なくとも冒頭に挙げた “にんにく爆弾” のような商品に比べたら、『にんにく激増し餃子』は良くも悪くも優しい。なので、私は食べながらこう思わずにいられなかった。


真面目か! と。


なにせSNSで話題になる にんにく系商品は、基本的に過剰なほど にんにくを盛っている。言い換えれば、ガーリックビッグウェーブに乗りながら大技を決めようとしている。


それに対して、「餃子の王将」は「私どもはそのようなスタンドプレイはいたしません」と言わんばかりに、波の上で基礎練習を繰り返しているかのよう。

そもそも、「餃子の王将」の餃子はノーマルでもしっかり にんにく感があるのだから、『にんにく激マシ餃子』の存在感を際立たせるためにもっと にんにくを盛っても良い気がしたが……。結果的に、「みんなが楽しめるように」という真面目さが勝ったということか。

そういう意味で、この『にんにく激増し餃子』は実に餃子の王将らしい新商品な気がした。以前の記事でもお伝えしたが、期間限定商品1つ見ても、大阪王将が遊び要素強めなのに比べて、餃子の王将は王道路線なのだから。


というわけで、『にんにく激増し餃子』はイカつい名前の割にホスピタリティ高めの商品なので、みなさん恐れずにチャレンジしていただきたい。どうしても にんにく感が気になる方は、ジャストサイズ(税込165円)で試すのもアリだろう。

参考リンク:餃子の王将「にんにく激増し餃子
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.