正直、スマホゲーって物足りない。コンシューマーゲームに比べると軽すぎるのだ。どうせゲームをやるならガッツリのめりこんで感動したい。っていうか、スマホゲーって何が面白いの? なんのためにやるの? 時間もったいなくない?

そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。しかし、現在私(中澤)は土日をスマホゲーでつぶしている。ゲームアプリ『ウマ娘』が面白すぎてやめられないのだ。こんなの初めてー

・『ウマ娘』とは

『ウマ娘』は競走馬を萌え擬人化した作品で、2021年3月4日現在アニメ2期『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』が放送中だ。

サイレンススズカやスペシャルウィーク、トウカイテイオーなど歴戦の競走馬が美少女化するという世界観に1期でヤられてしまった私は2期が決定した時ガッツポーズをした者の1人。今期アニメのNo.1はウマ娘2期だとガチで思っている

だって、誰が想像できるだろうか? この脳みそもツルツルになりそうな設定で涙が止まらないなんて。史実を踏まえながらレースに向かって盛り上がっていく描写の丁寧さと、伏線が回収される激アツなレース模様に拳を突き上げずにはいられない。

・紆余曲折のアプリ

思わず力が入ってしまったが、話をスマホゲーの『ウマ娘』へと戻すと、本アプリがリリースされたのは2021年2月24日。アニメ2期も盛り上がっている最中、最高のタイミングに見えるが、実は相当紆余曲折を経てのリリースだった

当初は、1期が放送された2018年にリリースされる予定だったこのアプリ。しかし、ほぼ音沙汰のなかった12月15日、「さらなるクオリティ向上を目指し」とリリース予定が延期される。さらには、翌年5月8日、事前登録受付状態のままコンテンツプロデューサーが退任するという事態にファンは激震した。

「もうダメだ」「終わった」そんな空気の中、事前登録受付中のまま2年が経過。これでフェイドアウトしなければ逆に凄い。ほとんどの人がそう思っていたことだろう。しかし、ウマ娘は帰ってきた。そう、まるで最後方から直線一気を決めるかのように。

まさにダークホース。フィクションの世界の中だけではなく、現実でもウマ娘は奇跡を起こしたのである。事前登録の開始から実に約3年もの月日が経過していた。

・ダビスタ的ゲーム性の高さ

そこで行く末を見守るためにもダウンロードしてみたところ、アプリの内容は、自分がトレーナーとなりウマ娘を育てる育成シミュレーション。そのゲーム性自体は想像がついていたが驚いたのはグラフィックだ。表情豊かに細かく動くCGがもはやアニメレベルなのである。

時に笑い、時に体調を崩すウマ娘たち。そんなウマ娘たちと2人3脚でトレーニングを続けレースに挑むのだが、レースもまた一筋縄ではいかない。1番人気でも普通に負けるし、逆に8番人気など実力で劣っていても大差で勝つこともある。

そのランダム性と難易度の高さゆえに、勝負所のG1で勝った時は素でガッツポーズだ。逆に、ギリギリで負けたりすると悔しくて声が漏れる

・延期の理由に納得

そんなダビスタ的ゲーム性と連動して発生するのが、ウマ娘のパーソナリティーが掘り下げられる日常系アニメなイベント。これがダビスタなどの競馬育成シミュレーションにない部分で非常にウマ娘を感じるポイントなのだが、アニメでは目立たないキャラが主人公レベルで掘り下げられるのが良い。

そして、自分もトレーナーとしてその世界に登場しているため、アニメの中に入っているような錯覚に陥る。アニメが窓から海を見る感覚とすれば、アプリは海で泳いでいる感覚だ

もちろん、ここまで没入できるのはCGやエピソードなどが、アニメと変わらないくらい出来が良いからだと思う。延期理由の「さらなるクオリティ向上を目指し」って本当やったんやなあ。この内容なら3年延期されたのも納得だ。

・ウマ娘はただの現実

というわけで、暇さえあれば『ウマ娘』をやっている私。現状、課金はしていないので余裕で雑魚なのだが、土日もやり続けてしまうくらいどっぷりである。ダイワスカーレットで有馬記念勝った時はめちゃくちゃ嬉しかったな。

ウマ娘たちと共に一喜一憂してしまうゲームアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』はもはやスマホゲーではない。それどころかゲームですらない。私にとってはただの現実である。

執筆:中澤星児
Photo:© 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会、(C) Cygames, Inc.
ScreenShot:ウマ娘 プリティーダービー(iOS)

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