およそ2週間前の2021年2月4日、私、P.K.サンジュンは「話題沸騰中らしい “台湾メロンパン” を食べてみた」なる記事を執筆した。ニュースリリースで台湾メロンパンの存在を知り、実際に食べに行った結果をレポートした非常にシンプルな内容である。

だがしかし、記事の公開後、少なくない数の人から「あれは台湾メロンパンじゃないぞ! 香港メロンパンだぞ!!」という声を頂戴した。そして調査の結果、私が台湾メロンパンだと思っていたグルメは『香港メロンパン』だったと判明した次第である。本当にさーせん!

・間違えた理由

まずは私が香港メロンパンを「台湾メロンパン」だと思い込んだ理由について説明しておこう。理由は明快で、私が香港メロンパンの存在を知らなかったこと、そして実際に日本の一部では「台湾メロンパン」として流通していることである。

私が台湾メロンパンの存在を知ったニュースリリースには、香港の “ホ” の字も出てこず「現地では菠蘿油(ボーローヨー)と呼ばれる台湾屋台街の定番メニュー」と記されていた。端的に言うならば、私が無知 & 素直すぎたことが誤認の理由であろう。

・台湾マニアに聞いてみた

で、実際のところはどうなのか? まずは知人の台湾マニアに「台湾メロンパン」のことを聞いてみることにした。


──かくかくしかじか、こういうことがありまして……台湾マニアさんは何かご存じでしょうか?

「はいはい、バターが挟まってるやつね。あれは完全に香港発祥だよ

──やはりそうなんですね。

「うん、台湾の屋台にもあるにはあるけど、台湾人からしたら香港のおやつって認識だね」

──なるほど。

「あとさ、記事に菠蘿油(ボーローヨー)って書いてあったけど、菠蘿ってパイナップルって意味なんだよ。だから日本のメロンパンと同じで、パイナップルの味はしないパイナップルのパンってニュアンスだね。ちなみに台湾だとパイナップルは鳳梨(フォンリー)ね」

──ふむふむ、そうなんですね。

「うん、そう。まあなぜ “台湾メロンパン” で流通してるのかは知らないけど、少なくとも台湾人は台湾メロンパンだとは認識してないと思うな。日本語にするなら香港メロンパンの方が正確だね」

──なるほど、ありがとうございました。


コロナ前は足繫く台湾に通っていた台湾マニアさんが言うなら、まず間違いはあるまい。台湾の屋台でも見かけるとのことだが、元祖を優先するならばやはり『香港メロンパン』と呼ぶ方が正確なのだろう。

・香港メロンパンを食べてみたい

そこで気になったのが「俺が食べた台湾メロンパンは本物だったのか?」ということである。こちらはタイミングよく旧友から美味しい香港メロンパンのお店を紹介してもらったので、ひとっ走り出かけてみることにした。

やってきたのは飯田橋にある「香港 贊記茶餐廳(ホンコン チャンキチャチャンテン)」で、こちらの「菠蘿油(ボーローヤオ)」は香港の人が唸るほどの絶品だという。価格は1つ280円だから、私が食べた台湾メロンパン(410円)より130円も安い。


で、味は130倍ウマい!!!!!!!!!


正直、前回台湾メロンパンを食べたときは「メロンパンにバターが挟まっているだけ」だと思ったが、本物の菠蘿油はまるで違う食べ物。ほのかに温かいメロンパンと、ジュワッと溶けるバターのハーモニーは激ウマの一言である。これがリアルの実力か……!

これはちょっと家では真似できないし、そもそもパンが日本風のメロンパンではない。やはりこれは「菠蘿油」であり、そして『香港メロンパン』なのだろう。これはウマい。マイベストおやつTOP5に食い込んでくるほどウマい。

本物のウマさを知ってしまった以上、ぜひ多くの人に『香港メロンパン』を知って欲しいし、日本のメロンパンにバターを挟んだだけの料理に満足して欲しくないと心から思う。「菠蘿油」もとい『香港メロンパン』はマジで絶品であった。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 香港 贊記茶餐廳(ホンコン チャンキチャチャンテン)
住所 東京都千代田区飯田橋3-4-1
時間 11:30~22:00 / ランチタイム11:30~14:00
休日 無休

参照元:PR TIMES
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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