いつからそうなったのかはわからないが、有名ラーメン店のカップラーメンがコンビニやスーパーに並ぶようになって久しい。逆にコンビニに1つも無いことの方が珍しいほど、今や「有名店のカップラーメン」はあたり前の存在と言えるだろう。だがしかし……。

あなたはこう思ったことはないだろうか? 「……で、実際のところどうなの?」と──。該当するラーメン店に足繫く通う常連さんならば「近い・近くない」がわかるかもしれないが、ぶっちゃけ「こんな感じなんだ……ね?」とモヤッとする人も少なくあるまい。その謎、私、P.K.サンジュンが解決します。

・本当に近い味なのか?

冒頭でもお伝えした通り「有名店のカップラーメン」は実に数が多い。なんなら「有名店のカップラーメンを定期的に販売しないといけない条約」があるのではないかと思うほど、店頭に並ぶカップラーメンは「〇〇監修」「○○コラボ」であふれている。

もちろん、有名店のカップラーメン化のメリットは理解しているつもりだ。店に行かずともお店に近い味が、手軽かつリーズナブルに利用できるならユーザーにとっても大変ありがたい。お店もメーカーも消費者も嬉しい、ウィンウィンウィンな関係なのだろう。

ただし、それは「カップラーメンがお店の味に近いこと」「お店の味をある程度再現できていること」が大前提となる。そこにズバリと切り込む企画が『有名店のカップラーメン、本物の直後に食べる』で、記念すべき第1回は「一蘭とんこつ」が登場だ。

・一蘭とんこつ

2021年2月に発売開始となった「一蘭とんこつ」は、なんと開発に20年以上もかかっている……とロケットニュース24に書いてあった。詳細についてはこちらの記事をご覧いただきたいが、490円という強気の価格設定や、あえての “具無し” を鑑みるに、かなり気合いが入った商品であることは間違いない。

で、ここでルールを説明しておこう。今回ならば一蘭で直接とんこつラーメンを食べた直後にカップラーメンの「一蘭とんこつ」を食べる。1番確かなのは店でカップラーメンも食べてしまうことだが、それはさすがにまずい。モラルを守れる限界ギリギリの挑戦、それがこの方法だろう。

というわけで、まずは一蘭に足を運び「とんこつラーメン」をオーダー。個人的には久々の一蘭であったが、やはり一蘭は安定感が抜群。特にまろやかでコクのあるスープからは “一蘭らしさ” を存分に感じた。目新しさことないものの、まさに王道のとんこつラーメンである。


そして舌に店の味を染みこませたら……


店の外でカップラを即食い!


そして思った……


「わかるけど、結構違うな」と──。


麺に関してはそもそもが生麺と乾麺の違いがあるので、ここでは大した問題とはしない。いわゆる “バリカタ” 系の麺に寄せようとした努力は十分に伝わってきた。問題は一蘭の「まろやかでコクのあるスープ」である。

・ロケットニュースの言う通りだったでござる

端的に言うと、味の方向性としては両者とも同じ……なのだが、カップラーメンはまろやかさが圧倒的に欠けていた。店舗がスープだとするなら、カップラーメンはお湯、それくらい口当たりには大きな差を感じた次第だ。

ただし、コクについてはなかなかの再現度ではなかろうか? スープを飲んだ後、ほのかに口に残る甘み、つまりコク。こちらはカップラーメンでも7割くらいは再現されていたから、大健闘と言っていいだろう。

結局のところ「お店がライバルになり得るかというと、さすがにならない」「近所に一蘭がない人はいいかも」と、ロケットニュース24に書いてあった通りである。個人的には490円出すならお店で980円の本物を食べたいが「一蘭とんこつ」もそれなりに店の味に近い。少なくとも「別物」だとは感じなかった。

というわけで、第1回の『有名店のカップラーメン、本物の直後に食べる』は “5割再現” とジャッジしたい。繰り返しになるが、店で食べれるなら店をオススメするが、一蘭難民の方ならば束の間の一蘭気分を味わえるハズだ。

参考リンク:一蘭公式通販「一蘭とんこつ」
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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