もうすぐバレンタインデー。今年は「おうちデート」が主流になりそうだけれど、ちょっと気になるアンケート結果が明らかになった。

男性がデートにかける金額はいまだに女性の2倍以上、しかし女性の多くは「割り勘している」と思っているというもの! ええっ、そんな図々しいことしてましたワタシ!?


・デートにかける平均金額

調査を行ったのはリーディングテック株式会社。異性とデートをしたことがある全国の18歳以上の男女に尋ねた。1回あたりのデートで支払う平均額は男性が6805円、女性が2612円。2倍以上の開きがある。

0円という区分はないのだけれど、女性の場合は「1000円未満」が25%を超えているので、ほとんど支払わない人も一定数いると思われる。

一方の男性は、中央値が5000円だが、4人に1人は1万円以上支払っている。食事はもちろん、行った先の入場料なんかを2人分払っているような感じか。

実際の金額ではなく「支払いは男女どちらが行うか」という主観的な質問になると、男女や年齢でばらつきが出てくる。全体では「男性が多めに払う」「男性が全額払う」を合わせると約7割になり、「男性が多く出すのが普通」という感覚がまだまだ多数派のようだ。逆に「女性が多めに払う」はほとんどいない。

ただし、若い世代になると「割り勘」派が台頭してくる。年齢別に並べるときれいに階段状に! 昭和世代に近いほど「男性が支払う」という価値観が強まり、逆に若ければ若いほど割り勘が多くなってくる。10代や20代では「男性が全額払う」のはかなり少数派。


・女性は割り勘だと思っている

問題はここから。先ほどの質問、男女別に集計すると、回答傾向にズレがあるようなのだ。調査時点で同じカップルに聞いているわけじゃないので、あくまで一般的な感覚なのだが……

どの年代でも男性の7割は「自分が多く払っている」と感じている。先ほどの平均金額の数値とも一致する。ちょっとした見栄で「俺がおごってるぜ~」と回答を盛っている可能性もないわけじゃないが、肌感覚としては事実に近いだろう。

ところが女性、特に10~30代の若い世代において「男性が多く払っている」と答える割合が減少。「いや、割り勘だし」という感覚が強いようなのだ。

調査を行ったリーディングテック株式会社ではいくつかの可能性を指摘。あり得ると思ったのが、飲食店で男性が会計を済ませて、女性に「2000円でいいよ」などと少なめの金額を請求しているとき。男性側が多く飲み食いしたときに、よくやると思う。

あと「夕飯をおごってもらったから、お茶代は私が出すよ」などのように、気分的にはギブアンドテイクなのだが、厳密には金額が一致しないとき。あるいは男性がなにかをサプライズで用意したときも、女性側の支払いの意識は薄くなる。


最後の可能性「おごってもらっているのに、女性がそれに無頓着で、割り勘だと思い込んでいる」! これ最悪!!


ただ、この調査では、互いの満足度などは聞いていないので感情まではわからない。金額のアンバランスがあっても、2人が納得しているなら他人がどうこういうことではないし。

もうちょっと突っ込んで「デート代の負担をどう思っているか」「今までの最高額」とか聞いていたら、もっとおもしろかったかもしれない。いや、修羅場か。


・新しい価値観

男性が多く支払うという習慣は、家父長制などの時代背景を除けば、もともとは男女の収入差に基づいたものだろう。「寿退社」なんて言葉もあったくらいで、女性は男性と同じ条件では昇進・昇級できない。収入が多い方、つまり男性が多く支払うのが合理的だった時代もあったのだ。

しかし今では働き方が多様化しすぎて、収入源も人それぞれ。男女ではくくれなくなっている。若者世代の「割り勘が当たり前」という感覚は健全だと思う。

個人的には男性が女性に「なにかしてあげたい」と思ってデート代を出してくれるのは、とても嬉しいこと。プレゼントのようなもので、決して「当然」ではない。だからデート代を出さないのは「ケチ」という考えは、絶対に違うと思うぞ。


参考リンク:リーディングテック株式会社
執筆:冨樫さや
Photo:PR Wire、RocketNews24.