2020年も残りあと約1カ月だ。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、通年とはまるで違う1年を過ごしたように感じる。外出自粛・緊急事態宣言などで遠出をする機会が減り、当初予定されていた東京五輪は来年に延期。そんななかでも新しいお店や新サービスを提供するお店に、足を運ぶことができた。

11月29日(いい肉の日)にちなんで、今年訪ねたお店のなかで強く印象に残った肉の店を5つ紹介しよう。それらに加えて、5選には入らなかったが、今年を象徴するお店を「+1」として紹介しちゃうぞ!


1.焼肉キャンプ
今年1番印象に残ったのは、キャンプをコンセプトにした焼肉レストラン。その名も「焼肉キャンプ」だ。ただ肉を焼いて食べるだけなら、何も目新しいことはないのだが、ここはテーブル上でキャンプ体験を味わうことができる。


ロースターとIHコンロを備えていて、飯盒でご飯を炊けてしまうのだ! 炊きあがるのに時間はかかるけど、その待ち時間さえも楽しめる!! 炊き立てご飯に焼き立ての肉、もう最高!



「ご飯を炊く」、家でもできるその行為を、キャンプというコンセプトを通してエンターテイメントにしたのは見事。今年ナンバーワンのお店だ! 


2.ステーキ五郎
二郎インスパイア系といえば、ラーメンと相場が決まっている。しかし東京・新橋と赤坂にお店のある「ワインホールグラマー」は、ステーキで “二郎した” のだ。


ここのお店、本来はバー。昼のみステーキ五郎としてランチ営業している。メニューはヤサイをてんこ盛りにした鉄板ステーキのみ。本家と同じくヤサイもニンニクも脂(バター)もマシマシにできるぞ


「二郎インスパイア = ラーメン」という固定概念を打ち崩した素晴らしい肉メニューである。


3.カタマリ肉ステーキ & サラダバー にくスタ
今年、いや私(佐藤)の肉人生のなかでもっともデカいステーキにも遭遇した。ワタミグループのステーキレストラン「カタマリ肉ステーキ & サラダバー にくスタ」には、トンでもないサイズのトマホークステーキがあった(入荷状況により在庫が異なる)。


基本はシェアする目的で提供されているのが、骨付きのトマホークステーキである。ところが私は1人でお店に行ってしまった。しかもその日の在庫は唯一1.6キロの肉のみ。コレがスゲエデカさだった!



現在はコロナの影響で友人知人と食べ物をシェアしにくい状況だが、新型コロナが落ち着いたら、今度は人と一緒に肉をシェアしたい。とにかく「豪快」の一言に尽きる肉である。


4.J.S.STEAK STAND
大手ファッションブランド「ジャーナルスタンダード」の飲食部門のひとつ、「J.S.STEAK STAND」はオシャレなステーキ専門店である。1人ステーキというと男性的なイメージがやや強いのだが、ここは女性1人でも入りやすい、カフェのような雰囲気のお店だ。


ランチで提供しているアンガスチャックステーキセットは300グラム税別1380円。価格は「いきなり! ステーキ」と同等ではあるが、女性ウケが良さそうな点を考えると、将来的に人気店にバケるかも!?



5.焼肉定食やまと
今年の焼肉業界は「焼肉ライク」の躍進が目覚ましかった。急速に店舗を拡大してキャンペーンをジャンジャン展開して、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。しかし肉質を問うのであれば、精肉店直営の「焼肉定食やまと」のことを真っ先に思い出す。


まだ都内に2店舗しかないものの、のちのち5店舗、10店舗と増えていけば、焼肉業界全体を脅かす存在になれるポテンシャルを持っている。



システム的には、ライクと同じく埋め込み型の1人用ロースターを採用。精肉店直営だけあって肉の質はとても良い。仕組みは一緒で肉は良いとなると、流行らない理由が見当たらないが、はたして今後どうなるだろうか?


おまけ:ブルースターバーガー
最後に1つ、焼肉ライクの運営元「ダイニングイノベーション」がオープンしたハンバーガーショップを紹介したい。東京・中目黒に1号店が誕生した「ブルースターバーガー」はテイクアウト専門店である。スマホでオーダーするか、店内のセルフレジで会計して商品を持ち帰るだけ。お店で食べることはできない。


イートインを省いた分、店舗運営のコストを抑えているので、価格も安く設定されている。ハンバーガーは1個税別170円から。低価格でハイクオリティの商品の提供を目指しているそうだ。



ハンバーガーはマクドナルドが1人勝ち。他社がそれに追随する状況が続いていた。焼肉ライクを成長させたノウハウで、今後ハンバーガー業界で新旋風を巻き起こすことになるのだろうか? 2021年の展開が気になるところである。


・ありがとう、肉の店!

コロナ下で飲食業界は厳しい状況が続いており、外食を避けて自宅や会社で食事を済ませる人が増えている。UberEATSや出前館などデリバリー需要の高まりとともに、ゴーストレストランも増えている。そのなかで焼肉・ステーキの専門店は苦戦を強いられていると思う。どうか、この苦境を乗り越えて、いつまでも人々に元気の源「肉」を提供し続けて欲しい。いい肉の日に、これらのお店に感謝したい。焼肉屋さん、ステーキ屋さん、いつもありがとう!

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24