「旅行大好き東京都民」の私は、今日という日を待ちわびていた。ついに『GoToトラベルキャンペーン』対象地域に東京都が追加されたのだ。旅行代金の補助はもとより、個人的には “政府が「行ってこい」と明言してくれた” ことが何より嬉しい。

別にこれまでも「不要不急の移動」が法律で禁止されていたわけではないが、「自粛のヤメ時」が分からなかったのである。そろそろ経済だって回さねばならないし、各自が節度を持ちつつ少しずつ移動を開始していく頃合いなのではないだろうか。

さて、あまりにも待ちわびすぎていた私は、キャンペーン初日の今日に狙いを定めて旅行を計画した……のだが、そこには想定外の落とし穴もいくつか潜んでいた。注意喚起の意味を込めてお知らせしておきたいと思う。

・キャンペーンの注意点

GoToトラベルキャンペーンに東京都も追加されることが「ほぼ確定」となったのは、9月後半になってからのこと。正確には10月1日以降出発の旅行に対するキャンペーンは『GoToトラベル第2弾』であり、9月30日までに東京都を除外して行われた『第1弾』とは内容が若干異なる。

キャンペーンの概要をまとめると以下の通り。


・宿泊は1人1泊2万円、日帰りは1人1万円を上限に、旅行代金の1 / 2相当額を支援する(国内旅行のみが対象)

・うち7割は旅行代金を割引、3割は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与する

・連泊や利用回数の制限はなし


ここで注意したいのが「新幹線や航空チケット単体の申し込みはキャンペーン対象にならない」という点だ。個人で宿泊先とチケットを別々に申し込んだ場合、宿泊代金だけが割引対象になる。

対して旅行代理店等が販売するツアーに申し込むと、チケットとホテル代の合計金額から1日あたり2万円までを支援してもらえるので、一見「それならツアーで決まり」と思いがちだ。しかしよく見ると、どちらがお得かは「ケースバイケース」であるらしい。


・1人はつらいよ

国内ツアー旅行に慣れている人には常識かもしれないが、旅行代理店などのホームページに日程や行き先を入力すると “最安値” が表示される仕組みになっている。試しに「10月1日から那覇6泊7日」で検索すると、航空券とホテルがセットで破格の「2万8000円」と表示された。

が! さっそく購入しようと入力画面に進み、よく見るとコレ “5名1室” の料金じゃないか。今回に限らず私は1人旅派なのだ。改めて “1名1室” の最安を割り出したところ……約4万6000円!

そこからGoToキャンペーンの割引を差し引くと、しめて約3万円という計算になる。ただしこれは「旅行会社が指定する便に乗り、最低ランクのホテルに宿泊した場合」の価格だ。そのため選択肢は “深夜着・早朝発の飛行機” や “得体の知れないホテル” が多い。それを変更すると万単位で料金が跳ね上がるシステムである。

それでも那覇6泊7日とすれば爆安なのだが、どうせならある程度は好みに合った計画を立てたい。そこで、そこそこ納得のいく時間帯の飛行機と宿泊先を別々に探してみたら……GoTo適用で合計約3万円!

よって今回の格安1人旅の場合、 “最低ランクのツアー” と “多少こだわった個人旅行” がほぼ同価格になることが判明した。個人旅行なら途中で計画を変更することもできるし、個人的には「それなら断然後者」との結論に至ったワケだが、こればっかりは好みや状況によるとしか言えない。

少しでもお得に旅をしたい人は、とにかく事前リサーチを重ねるしかないだろう。ちなみに予約サイトによって “GoToキャンペーンの割引を最初から引いた総額が表示される” パターン、 “適用前の総額が表示される” パターンとに分かれている、という点にも注意を払いたい。


・いくぜ沖縄!

さて、早朝5時に起床した私は成田空港へ向かった。なぜ羽田でないのかといえば、費用を抑えるためLCCを利用したからだ。「多少高くてもそういった手間が煩わしい」という人はパック旅行を選ぶべし。

コロナ以降9カ月ぶりに訪れた成田空港は閑散としているが、さりとて「ガラガラ」というほどでもない。私が搭乗した便に関してはおそらく満席である。体感としてはうち7割ほどが10〜30代の若年層。パリピっぽい人たちも多数。

ただ、彼らはフライト中もみなキッチリとマスクをつけ、ソーシャルディスタンスを守っている様子だ。若い人の旅行と聞けば “ドンチャン騒ぎ” といったイメージを持つ人もいるかもしれないが、多分それはごく一部の話なのだろう。

かくして到着した那覇空港も少し寂しげな雰囲気……しかしキャンペーン初日とはいえ平日だ。これは何とも言えない。

観光地の未来は旅行者ひとりひとりの心がけにかかっている。


・混乱する現場

ところで気になる『旅行先で使える地域共通クーポン』についてだが、キャンペーン公式サイトには「旅行業者・宿泊事業者より配布します」との記載があった。そのため私はてっきり宿泊先で受け取れるものと思っていたのだが……

宿泊先の方に尋ねたところ「ウチはクーポンは無いと思う」という答えだった。宿泊料金に関しては確かにキャンペーンが適用されているが、クーポンだけ対象外というパターンもあるのだろうか? そのあたりをツッコんでみると「仕組みがよく分かっていなくて……申し訳ない」とのことだ。

実は私は今回の宿を予約する際、本当は使い慣れた予約サイトを経由したかった。しかし予約フォームに情報を入力していくと、東京都の追加は決まっているにもかかわらず「東京都在住の方はキャンペーン対象外」と表示され、それ以上進めなくなってしまう。

その件について予約サイトに問い合わせると「10月1日から予約できる」との返答。仕方なく宿に直接電話し、他の予約サイトを紹介してもらったのだ。そういった経緯もあり、宿の人をこれ以上問い詰めるのは忍びない。今回は小額なため、私はクーポンを諦めることにした。

ちなみに再び該当の予約サイトを確認してみたが、10月1日正午現在、まだ「東京都民は対象外」との表示が出現する。おそらく現場は混乱しているのだろう。GoToキャンペーンは事前のリサーチがマジで重要だということを、重ね重ねお伝えしておく。

クーポンをもらえないとすると私の今回のプラン、金額的にはパックツアーより少し高くついてしまったのかもしれない。しかし自らの目利きで宿を選び、それが想像どおり素晴らしかった喜びは格別だ。GoToトラベルキャンペーンは来年1月31日宿泊(2月1日チェックアウト)までで対象によって異なる。。各自で自分のスタイルに合った旅をカスタムしよう。

参照元:GoTo トラベルキャンペーン公式サイト
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.