最初に重要なことを言っておくと、これから紹介するマスクの一部はネットでも購入できる。タイトルに「銀座」とあるが、銀座に行かなければ買えないってわけじゃない。

もちろん、直接店舗に行ける人はその方がいいだろう。1枚3000円前後と決して安いマスクではないので、買う前に実物を手に取って確かめられる環境にあるなら、そうした方がいいかと思う。

購入できる場所は「GINZA SIX」に入っている銀座蔦屋だ。本屋さんと言うより、骨董美術館っぽいと言うか、アートの香りが濃厚に漂う空間と言うか……。とにかく、開放的で居心地のいい本屋さんの一画で、そのマスクは売られている。欲しい人は急げ! なぜなら──

あまりにも人気があるからだ。つまり、店頭販売が今後もずっと継続されるかどうかは分からない。実際、人気すぎて一時期店頭販売が休止されていた。それが再開になったのは、つい数日前のこと。


まさにその再開日に私はお店へ行ったところ、マスクのエリアは人だかりが出来ていた。決して安くないマスクに、多くの人が群がっていたのだ。これは一体どういうことだろう。

なるほど、確かにそこで売られているマスクは、30枚入りで1000円くらいの不織布(ふしょくふ)マスクとは明らかに違う。ウェディングドレスメーカーが作ったものや、西陣織のメーカーが作ったものもあり、マスクと言うよりアート作品に近いと言っていいだろう。「美しすぎる」と評判になるのも納得だ。

しかし! それは結局見た目の問題ではないか。マスクは何より機能が大事。なのに、みんな見た目ばっかり気にしちゃって……。そんなナメた気持ちを抱きながら、私はもっとも人だかりが出来ていたマスクをゲットした。


それは見るからに美しいレースのマスク。価格は1枚2500円(税抜)。なんでも、オーダーメイドでウェディングドレスを制作している「Herkimer décor(ハーキマーデコール)」が、ドレスを作る際に出たレースとシルクの端切れで作ったものらしい。超高級フレンチが “まかない” で作ったラーメンみたいなもの……だろうか?


・ミシュランに載るレベルのラーメンだった

さて、実物を確かめてみよう。家に帰って、封を切る。そして5秒後、私はそのマスクがただ見た目だけに凝ったものではないことに気がついた。というのも肌に当たる部分が……



気持ち良さそう! 説明書を読むと、「肌側に使われているシルク生地は、和服の裏地として最高級である羽二重」が使われているらしい。また、シルク自体が吸放湿性、通気性、保温性に優れているようで、マスクは「コットンの生地にシルクを重ねて3枚構造」になっているとのこと。


なんだ、ただの完璧なマスクか。そう思って身に着けてみたところ……



めっちゃ気持ちいい〜!



口周りだけ天国〜!!


そのへんの不織布マスクだって着け心地が悪いわけじゃないが、こちらは別格。いってみれば、普通の不織布マスクが普段使いのパジャマなら、このウェディングドレスマスクはホテルのパジャマである。

強いて欠点を挙げるとしたら、布独特の匂いがあることだろうか。決して不快な匂いではないのだが、中には「ちょっと合わない」って人もいるかもしれない。個人的には「慣れてしまえば気にならない人がほとんどではないか?」って気がするものの、そのへんは個人差があるから何とも言えない。

とにかく、美しさが注目されている銀座蔦屋マスクは、その中身もまた隙のない代物と言っていいだろう。ナメた気持ちで買ったけど……参りました。

参考リンク:銀座 蔦屋書店「GINZA ART MASK PROJECT」 「オンラインショップ
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼一般的な不織布マスク(左)と比べたら、こんな感じ。ウェディングドレスマスクはフォルムからして美しい。

▼スペック的なところ。もちろんメイドインジャパンである。