マクドナルドのレギュラーセットが700円近くする時代。そう考えると、ファミレスのハンバーグは安い。明らかにマクドナルドのパティよりデカくてウマイのに500円前後だったりする

そんな安めのファミレスハンバーグに違いはあるのだろうか? サイゼリヤ、ガスト、デニーズの最安ハンバーグを食べ比べてみた結果……サイゼのコスパがヤバイ

・テイクアウトの最安ハンバーグ

まず、同時に食べ比べるため今回はテイクアウトで購入する。比較的手頃な価格帯のファミレスとして知られるこの3社。それぞれテイクアウトでの最安ハンバーグを購入したところ以下の3つが出そろった。


サイゼリヤ「デミグラスソースのハンバーグ(税込490円)」
ガスト「ハンバーグ(税込485円)」
デニーズ「和風ハンバーグ(税込740円)」

──激安王サイゼリヤよりもガストが5円安い。それもそのはず、サイゼリヤのテイクアウトメニューにはグランドメニューで最安の「ハンバーグステーキ(税込400円)」が入っていないのである。テイクアウトハンバーグに置いては最安の地位をガストに明け渡した形だ

逆に、頭1つ抜けて高いのはデニーズ。それだけに味に期待が高まるが、そんな期待を超えてくるほどの “何か” がないと、巻き返しは厳しそうな価格差である。

・縦長のスタート

というわけで、買った段階で端をきって先頭に立ったのはガスト。それにピタリとつけて追走するサイゼリヤ、最後方から直線一気を狙うデニーズという展開。はたして、デニーズは末脚を発揮することができるのか? それとも、ガストやサイゼリヤが逃げきるのか?

それぞれのフタを開けてみると、サイゼリヤとガストがさらに逃げる。デニーズより安いにもかかわらず、ハンバーグはガッツリしており、コーンやポテトなどのオードブルもしっかり添えられているのだ。

しかも、サイゼに至っては半熟卵まで付属されているではないか。この中盤戦はサイゼリヤが制したと言っても過言ではないだろう。5円どころではないほど内容の充実度に差があった。サイゼ、ガスト、ちょっと離れてデニーズ。ハイペースな展開でいよいよ直線へ。そう、実食だ

・直線の攻防

先頭から順番にひと通り食べてみたところ、まず、最もウマかったのは……


デニーズ

ゴロゴロした食感に肉の旨みが染み出す。また、厚みもあって、頬張ると非常に肉を食べている満足感が高い。ハッキリ言ってハンバーグの味的には飛び抜けていると言えるだろう。その末脚はまさに後方一気! ガンガンまくってきている。


・サイゼリヤが競る

だが、サイゼリヤも黙ってはいない。肉感はデニーズに劣るにしても安っぽさのない味だ。

個人的には、この鍵を握っているのはソースだと思う。デミグラスソースでも甘ったるくなくて奥行の深い味がする。これはワインがきいているからだろうか? ソースに和えられたマッシュルームも良い仕事をしている


さらに、半熟卵などの総合力でデニーズに食らいついていく。キレのデニーズと持続力のサイゼだ


一方、直線で少し動きが鈍ったのがガスト。サイゼと食べ比べると、肉、ソース共に少し安っぽさを感じるのである。

しかし、485円でこの味は分かる。裏を返すと、これはおそらくサイゼリヤが凄いのだろう。食べ比べたら、考えるまでもなく分かるほど、サイゼリヤのハンバーグは味のバランスが良く高コスパだ。

・実力を出し切ったからこそ

デニーズとガストが価格通りの実力を見せてくれたからこそ分かったサイゼリヤのハンバーグの凄さ。ってか、490円でこの味ってコスパヤバイだろ。この勝負、明らかにサイゼリヤの勝ちである。

馬券舞い散るファミレスの空に名勝負の華が咲く。王者サイゼリヤはハンバーグにおいても強かった。これからも庶民に寄り添い、ちょっとしたリッチさを与えてくれるその味を応援している。

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.