スーパーなどで「今日はちょっとイイそうめん、いくかーっ!!」となったら、それはもう『揖保乃糸(いぼのいと)』を意味している。揖保乃糸は他のそうめんに比べて高いのは常識であるが、そのぶん美味いのも常識。

よって陳列されている『揖保乃糸』を、特に何も考えずカゴに入れて購入するわけであるが……ここでひとつ、みなさんに聞きたい。「揖保乃糸を買う時、価格を気にしていますか?」と。「定価、知ってますか?」と。


・揖保乃糸マジック

もしかしたら私だけかも知れないが、なぜか揖保乃糸に関しては、特に疑問も持たず、提示されている “言い値” で買っている。揖保乃糸マジックとでも言おうか、「もともと高いんだから、細かいことは気にしない」みたいな感覚なのだ。

これがグリコの『プリッツ』だったら、「100円? たけえ!」「78円? 安いな……」と即時に判断できるのだが、どういうわけだか揖保乃糸に関しては、“いくらくらいなら安いのか” を把握していないのである。

ということで2020年7月某日、私の家の近所にあるスーパーならびにドラッグストアの『揖保乃糸(上級品 / 赤帯)』価格を抜き打ちチェックしてみたところ、以下のような感じであった。安い順に並べてみると……


・西友 (下高井戸)税抜278円
・オオゼキ (松原)税抜279円
・東武ストア (下高井戸)税抜298円
・まいばすけっと (松原)税抜298円
・クリエイト (松原)税抜298円
・ココカラファイン (下高井戸)税抜298円
・京王ストア (代田橋)税抜318円
・スギ薬局 (下高井戸)税抜338円


ななな、なんと60円もの差が生じていたのである! 60円といったら、もう少し足せばグリコのプリッツが買える金額……。デカいぞこれは! 空港での両替と街中での両替くらいの違いはあるぞコレ! あとは「税抜298円」が多いな……ということも見て取れる。

──と、ここで疑問に思うのは、一体全体、いくらくらいなら「安い」と判断できるのかということであろう。そもそも定価っていくらなのか?


・メーカー希望小売価格は「税抜400円」

そこで、揖保乃糸のメーカーである『兵庫県手延素麵協同組合』に直撃取材してみたところ、『揖保乃糸(上級品 / 赤帯)』のメーカー希望小売価格は「税抜400円」であるとの回答だった。また、店舗でいくらで売られているのかについては把握していないため、「いくらなら安い」とは答えられないという。それはまあ当然か。

とにかくメーカーとしての答えは、希望小売価格400円(税抜)。それを考えれば、今回調べた8店舗、すべてが「安い」ということになるが……ウムムムム。


・それらをふまえて勝手に判断

しかしながら、消費者の立場として、それらをふまえてあえて私(羽鳥)が勝手に判断するならば、最も多いのが「税抜298円」なので、税抜298円なら「普通」と判断して良いと言えるだろう。揖保乃糸の実勢平均価格、それこそが税抜298円。通貨的に表現するなら「1ibo(ワンイボ)=298円」。それ以下だと安い(買い)……みたいな感覚で、私は今後の円相場、いや、麺相場を見極めたいと思っている。それでは!


参考リンク:【揖保乃糸ホームページ】兵庫県手延素麺協同組合
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24