何ごとにおいても、敵の状態をしっかり把握しておくことは極めて重要である。それは何もスポーツやビジネスだけでなく、ダイエットもそう。敵を知っているかどうかが、成功と失敗を分けるのだ。

だからこそ、『つるとんたん』の糖質カットうどんでダイエットしようと思うならば、押さえておくべきことがある。もし知らなければ、糖質カットうどんを注文すること自体が困難になるのだから。

・つるとんたんの糖質カットうどんについて

ご存知だろうか? つるとんたんを。店名を覚えていなくても、「器が洗面器(大サイズ)並みにデカいうどん屋」と言った方が、「あ〜はいはい」となるかもしれない。

そのつるとんたんが、糖質カットうどんを国内の全店舗で販売している。正確には『つるとんたんロカボうどん』といい、糖質が60%オフらしい。最近はどこも似たような商品を販売しているから、それ自体は珍しくも何ともない。


ただ、つるとんたんの糖質カットうどんは、コンビニで売っているカロリー50%オフのパンとは訳が違う。そのうどんを選ぶには、それ相応の覚悟が必要だと思うのだ。

なぜなら、糖質カットうどんでダイエットをするためには3つの壁が立ちはだかっているから。どんな壁なのか、以下で詳しく説明しよう。


第一の壁:「つるとんたんまで来てダイエットのことを考えるんだったら、最初から来るなよ」という心の声

つるとんたんに行くときは、美味しいうどんを求める気持ちがMAXに高まっているもの。ただ単に腹を満たせればOKってわけじゃない。「美味しさ」を強く求めている。だからこそ、はなまるうどんや丸亀製麺よりも高いお金を払うのだ。なのに……


なぜそこで美味しさ以外のものを優先しなくちゃいけないのか? だったら、最初からインスタント春雨スープでも食ってろ! それに、糖質カットうどんを選択した結果、「やっぱり普通のうどんの方が全然うまいやん」となったらどうするのか? 店に来た意味無いだろうが!!」


──という心理が働いてしまったら、糖質カットうどんを選択することは極めて難しくなる。実際、私自身が何度も「第一の壁」に弾き返された。というか、「第一の壁」を乗り越えたのはつい最近だ。


第二の壁:価格

つるとんたんでは、全てのうどんを「糖質カットうどん」に変更できるのだが、その際に税込180円の追加料金が発生する。これが痛い。なにせ、つるとんたんはどのメニューも安くない。1000円オーバーのメニューだってざらにある。そこにさらに180円!?


だったら丸亀製麺3回行くわ! ……となった時点で、ダイエットしようという気持ちが吹き飛びがち。気をつけたい。


第三の壁:うどん3玉まで無料のシステム

「第一の壁」を乗り越えて、「第二の壁」をなぎ倒したあなたは、ようやく店員さんに「糖質カットうどんでお願いします」と伝えることが出来るだろう。が、店員さんから以下のように質問されたとき、動揺せずにいられるだろうか?


「うどんは何玉になさいますか?」


そう、つるとんたん特有のあのシステムだ。3玉までなら無料というアレ。その神システムっぷりをまざまざと見せつけられて、「1玉で」と言えるか? 特に、2玉や3玉の注文が習慣化している人よ、どうだろう? 意思を貫けるか?

ちなみに、糖質カットうどんを2玉注文する場合、追加の180円が2倍……つまり税込360円かかる。3玉にすると3倍で税込540円。だからこそ1玉にしないとお金的にもヤバいのだが、そのタイミングで悪魔がこう囁(ささや)いてくるのだ。


「だったら糖質カットのうどんは止めて、普通のうどんにしなよ。それなら3玉まで無料だし。お金的にも負担が少なくて済むじゃん」


……この言葉に耳を傾けてしまったが最後、あなたは「第三の壁」から突き落とされることになるだろう。


ちなみに、私はいまだに「第三の壁」を克服できてはいない。いつもここで「じゃあ糖質カットうどん2玉で」とか「やっぱり普通のうどんでいいです〜」と言ってしまう。


それだけ「第三の壁」は厄介で、つるとんたんを初めて訪れる人の場合、どれだけダイエットに対する気持ちが強くても失敗しかねない。ただ、冒頭で述べたように、敵の状態をしっかり把握しておくことが大きな助けになるかと思う。

今回のケースで言えば、壁の存在を事前に知ることで、クリアできる確率は上がるはず……という気持ちから本記事を公開した次第。ダイエットに励む同志よ、健闘を祈る。私もいつか、「糖質カットうどん、1玉で!」と言えるように、心を整える予定だ。

Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24. / Wikimedia Commons.

▼こちらが糖質カットうどん(つるとんたんロカボうどん)。タイトルにあるように、ガチで美味い!

▼いい意味で、糖質カットうどんを食ってる気がしない。味的には文句なしだが……

▼「1玉で」と言うことの難しさよ。