お茶を飲むなら喫茶店、昭和を感じさせる純喫茶が好きな私(佐藤)は全然知らなかった。「カフェラテ」がすごい進化を遂げていたことを。ラテの泡の上に絵を描くラテアートはそれほど珍しいものではないのだが、それ専用のプリンターがあることを知った。ラテアートのプリンター!? あれ、手で描いたりシートを載せたりするものじゃないの!

イスラエルに本社を置く「リップルズ」というメーカーがスゴいマシンを開発し、すでに日本にも数百台導入されているという。一体どんなものなのか? 実物を見たらすげえキレイに絵を描ける! しかも高速と来たから驚きだ。思わずお茶を……、いやカフェラテを噴きそうになったぞ!

・高速ラテアート!

実はすでにそのラテアートを私は目撃していた。東京・新宿にオープンした世界で唯一のGAPのカフェにそのマシン「リップルメーカー」が導入されていたのである。そうとは知らずに記事を執筆したところ、日本の販売元のリップルズの担当者から連絡があった。「そんなマシンがあるとは知りませんでした。ぜひ実物を見てみたいです!」とお願いしたところ、快諾頂き、この目で見て来たぞ。


マシンそのものは、一般的ないわゆるプリンターと異なる。カフェの一角に設置されていても、誰もプリンターであるとは気づかないだろう。


ところが、台にグラスに入れたカフェラテを置き、液晶パネルのボタンをポン! と押すと、泡の上に絵を描き始めるのである。描画のスピードは驚くほど速い! まるでレーザープリンターの高速印字を見ているようだ。


今回取材をさせて頂くにあたって、事前に当サイトのロゴをメールでお送りしていた。マシンにはそのデータが読み込まれており、ボタンを押すだけで泡にロゴが印字されるという訳だ。



・スマホの画像もラテアートに

すごいのはそれだけじゃない。スマホに入っている画像をその場でラテアートにすることもできてしまう! そんなの絶対やってみたいやん、写真撮るやん、そしてSNSで共有してまうやろ!

まずは専用サイトにアクセスする。サイトにアクセスする際は位置情報の共有が求められる。これは、最寄のマシンにデータを送信するために使用されるものだ。

ちなみに描画できるのは、スマホの写真のほかにテキスト、サイト上に共有されているデザインのいずれかから選択。スマホ画像を使う場合はトップページで「写真」を選択する。アップロードした画像はラテアートに使用した場合は10分、使用しなかった場合でも30分経過したら削除されるそうである。


使用する画像はできるだけ背景が白いものが良いそうだ。サイズや明るさなどを調整して、マシンに画像を送信する。


マシンに画像が登録されたことを確認して、ボタンを押す。すると……。


ワシやがな! 泡の上にワシがおるがな! ボタン1つでラテアートができるとは、おそるべしリップルメーカー!!


・ビール版もある

一体何で絵や文字を描いているのだろうか? 実はコレ、コーヒー由来の成分のインクなのだとか。したがって、天然素材を使っているので、身体にも害はないそうだ。最近同じく天然素材を使った赤色のインクも登場している。カフェラテをマーケティングツールの1つとして活用することを目的に開発されたとのこと。たしかに、店のロゴや名称をラテに描くことができれば、差別化できるだけでなく、SNSに投稿されれば宣伝にもなるだろう。う~ん、なるほど賢い!

なお、コーヒーだけでなくビール版のリップルメーカーもあるそうだ。面白い! 泡でつながる新しいメディアの形。それがリップルメーカーという訳だ。これからアイスのカフェラテやビールを飲みたくなる季節。街のどこかでリップルメーカーに出会えるかもよ!


取材協力:リップルズ
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24