ペヤング擁するまるか食品が、怒涛の新作ペヤングを発売し始めてどれくらいが経つだろうか? 今でこそぶっ飛んだ商品が多いペヤングではあるが、一時期まではたまに「たらこやきそば」や「激辛カレーやきそば」を発売する程度であった。

転機となったのは、おそらく2015年の「にんにくMAXやきそば」あたりだろうが、それについては置いておく。今回ご紹介するのは2020年6月8日より発売中の『ペヤング黒ゴマMAXやきそば』だ。これまで数えきれないほどの派生形ペヤングを食してきた私、P.K.サンジュンだが、黒ゴマMAXにはある意味でド肝を抜かれた。なぜならば……。

・爪痕を残せるか

いまや相当ぶっ飛んだ商品でない限り……いや、実際に超ぶっ飛んでいたとしても、そこまで大きな話題になりづらい派生形ペヤング。今年に入ってからも数々の新作を世に送り出しているが、大きな話題になったのは『獄激辛やきそば』くらいではなかろうか?

例えば5月に発売された「豚脂MAXやきそば」なんて、3年前ならそれだけでネット上をザワつかせた可能性は高い。……が、ハードルが上がっているのか、それとも飽きられているのか、豚脂MAXでさえ爪痕を残したとは言えないハズ。確実に言えることは「変なペヤングを出しておけば話題になる時代は終わった」ということだ。

・裏切りが欲しい

さて、そんな状況下で発売された『ペヤング黒ゴマMAXやきそば』(税別193円)は、ぶっちゃけかなり地味な印象である。そもそもゴマは何と合わせても美味しいし、何かに紛れていても違和感がない食材の代表格だ。端的に「たぶんこんな味なんだろうな」という予測ができてしまう。

となると『黒ゴマMAXやきそば』が歴史に名を残す方法はただ1つ、死ぬほどウマいか死ぬほどマズいか、である。さあ、第一印象は地味でも何でもいい。良い意味でも悪い意味でもいいから、盛大に俺を裏切ってみろ──。

というわけで、いつも通りに湯切りをしたら、ソースと大量の黒ゴマを投入して『黒ゴマMAXやきそば』は準備完了。ソースは「ソースやきそば」のソースではなく、黒ゴマの香りが漂う専用ソースとなっている。カモン、黒ゴマMAX。

そしてここからが非常に難しい。結論から言うと『黒ゴマMAXやきそば』は、良い意味でも悪い意味でも私を裏切らなかった。ややピリ辛のソースは悪くなく、普通にウマい。大量の黒ゴマも口の中でプチプチ弾けつつ、セサミの香りを漂わせていく。


けど、なに?


「想定内中の想定内」とも言うべきか、1つとして驚きはなかった。「黒ゴマMAXだからこんな感じなんだろうな」という予想を少しも上回らず、かといって下回りもせず、ただそこにいた普通の黒ゴマMAXやきそば。ある意味では “究極の普通” と言ってもいいだろう。

・普通としか言いようがない

あまりに普通なので、誰かに「黒ゴマMAXやきそば、食べてみてよ」とはオススメしないし、だからと言って「やめておきなよ」とも言わない。なぜならば、普通だからだ。無理矢理褒めるならば「よくぞここまで普通の味が出せましたね」となるだろうか。とにかく普通だ。

というわけで、『ペヤング黒ゴマMAXやきそば』は本当に普通なので、オススメもしなければ否定するようなこともしない。どうぞご自由に。ただ、1度食べればきっと、私の言う「普通」の意味がわかっていただけるハズだ。本当に普通だから。

参考リンク:ペヤング
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.