新型コロナウィルスに世界が揺れる中、いまなお爆発的大ヒット記録を更新し続けるゲームソフトがある。そう、ニンテンドースイッチ専用ソフト『あつまれ どうぶつの森』だ。「自粛期間中はあつ森ばかりやっていた」という人も多いことだろう。

私、P.K.サンジュンも1日1回のログインを欠かしたことは無く、コツコツと理想の島が出来つつある……と言いたいところだが。テクニックのなさゆえ、理想と現実のギャップに悩みも尽きない。今回は私が知り合ったある “あつ森民” の方の告白が、あまりにも正直かつわかりすぎたので本人の許可のもとインタビュー形式でお届けする。

・理想の島を作る

「何もない無人島を理想の島にしていく」──。たった一言で表現するならば、あつまれ どうぶつの森はそういうシミュレーションゲームである。好きな家具を飾り、好きな花を咲かせ、川や高台までも好きなように構築していく。この自由度の高さこそ、あつ森最大の魅力だろう。

そう聞くと「じゃあ、好きなように島を作ればイイじゃん」と思われるかもしれないが、実際のところ “理想の島” を作り上げたプレイヤーはそう多くないハズ。なぜならば自由度が高いがゆえ、随所でセンスやテクニックが試されることになるからだ。

さて、今回話を聞かせてくれたAさんは30代の女性で、このブームに乗じてどうぶつの森デビューを果たした “どうぶつの森ビギナー” である。私と同じく1日1回のログインは欠かさないほどあつ森にハマっているというが、同時に “あつ森疲れ” も感じているという。


・あつ森疲れとは?


──“あつ森疲れ” されていると聞きましたが、長時間プレイしすぎて疲れたということですか?

「いえ、違います。あつ森自体は本当に楽しくて、こんなにゲームにハマったのは初めてかもしれません。時間があればいくらでもプレイできますし、毎晩寝落ちするまであつ森をプレイしています」

──なるほど。それはそれで疲れそうですが、わかる気もします。ではAさんの言う “あつ森疲れ” とは何なのでしょうか?

「そうですね……お恥ずかしいんですが、自分の島がしょっぱいことですね」

──なる……ほど。

「理想の島にしたくて頑張ってるんですけど、なかなか思うようにいきません。自分では “すごく良くできた!” と思ってその瞬間は悦に入るんですけど、YouTubeを見たりフレンドの島に行くと、悦に入っていた自分を呪いたくなるほどクオリティが低いんです」

──私もそこまで極端ではありませんが、わかる気もします。

「家具とかレシピとか、自分が持ってないものはそこまで悔しくないんですよ。いずれ手に入ったときにどうにかすればいいだけですから。自分の無力さを痛感するのは、家の配置だったり川の形だったり、地形に関することが多いですね」

──ふむふむ。

「YouTubeとかを見ると、高低差を活かした素敵な島が本当に多いんですよ。特に “奥行き” って言うんですかね? それに比べると私の島は平面的でのっぺりしているというか……しょぼすぎるんです」

──確かにYouTuberさんとかはお上手ですよね。

「島クリエーターで地形を整えるのって時間がかかるじゃないですか? 真似したいテクニックはいくつもあるんですけど、それも1つにまとめられないし、なかなかガッチリやり込む時間もなく……本当に悩ましいです」


・フレンドを招けない


──うーん、イチからやり直すのにはそれなりの覚悟と時間が必要ですよね。

「ぶっちゃけ、自分1人でやるなら結構満足してるところもありますし、このままでもいいんです。ただ、あつ森を購入したとき、SNSでリアルな友達と繋がっちゃってるんですよね」

──なるほど。

「最初は私も何も知らなかったので、無邪気にフレンドを島に招待してたりしたんです。でも、フレンドの島に行くと全ッ然レベルが違うんですよ。あの頃 “ここがカフェだよ~” とか言ってた自分をぶん殴ってやりたいです」

──まあ、でも “隣の芝生は青く見える” じゃありませんが、人の島は上手に見えますよね。

「ですよね? なんか島の広さも私の倍くらいある感じがしちゃいます。なので最近はもっぱら “招かれ専” ですね。口が裂けても “遊びにおいでよ” とは言えません」

──なるほど。ただ、画像を見せてもらった限り、Aさんの島もお上手に見えますが?

「それは比較的恥ずかしくないポイントを、いい角度で何度も撮影しているからです。いわゆる “奇跡の1枚” と同じですね」

──なんかインスタ映え疲れと同じ現象ですね。

「その通りだと思います。こんなことになるなら、こっそりあつ森を始めれば良かったです。あつ森自体は本当に楽しいのでやめるつもりは無いんですが、友達には “飽きちゃった” と言ってニンテンドーアカウントも削除しようかと思っています」


・インスタ映え疲れと同じ?


──そこまでしますか……。

「自分でも馬鹿げていることはわかってるんですけどね。ただ、人と比べると自分の島のしょっぱさがあまりにもツラくて……。唯一の癒しは何も知らない4歳の甥っ子に、週1で自慢することですかね。“すごーい!” って純粋に喜んでくれるので、それに救われています」

──赤裸々な告白、ありがとうございました。


あつまれ どうぶつの森はシミュレーションゲームというだけではなく、オンラインを活用したソーシャルゲームの一面も持つ。フレンドとの交流はとても楽しくメリットも多い反面、Aさんのように “あつ森疲れ” を生む一因ともなるようだ。個人的にはAさんに共感することも多かった。

とはいえ、こんなことを言ったら元も子もないが、あつ森もしょせん “ゲーム” である。特にあつ森は人と競うゲームではないので、マイペースにまず自分が楽しむことが1番ではないだろうか? とりあえず、自分のしょっぱいエリアを直してきます。

参考リンク:あつまれ どうぶつの森公式サイト
Report:P.K.サンジュン
ScreenShot:あつまれ どうぶつの森(Nintendo Switch)