緊急事態宣言が発令されるなど、新型コロナウイルスを巡る状況は日ごとに深刻度を増している。各地の状況は当サイトでも随時お伝えしているところだ。

外出自粛が浸透している地域と、そうでない地域。状況は様々だろうが、今回は少し都心部を離れて観光エリアの現状をレポートする。取材を通して見えてきたものとは──。

・観光地の今を追う

本稿の取材を行った時点(2020年4月12日)では、京都府は緊急事態宣言の対象地域には指定されていない。実際に大阪府や兵庫県と比較すると感染者の数は大きく下回っている。

しかしながら、観光名所を数多く抱えている京都は平時なら人の密集が起きやすい地域でもある。緊急事態宣言の発令後、最初の日曜日。週末を迎えた京都の様子を追った。

・静まりかえる古都

やってきたのは京都市右京区にある渡月橋の周辺。ご存知のとおり嵐山と呼ばれるエリアだ。渡月橋の北側には多くの土産物屋が立ち並び、付近には天龍寺や野宮神社をはじめとする著名な寺社も点在する。

筆者はそれほど遠くない場所に住んでおり、このあたりの混雑具合はよく知っている。日曜日の昼過ぎ、普段なら歩くのも困難なほど人で賑わう地域だが──。

メインストリートともいえる土産物屋街には、異様な光景が広がっていた。いつもは車道にあふれるほど人が歩いている歩道に、ポツリポツリと数えるくらいしか人影がない。

店舗は営業しているところが多かったが、お客さんの姿はなく閑古鳥が鳴いていた。威勢の良い呼び込みの声も聞こえてこなければ、人力車の姿も見られず。ヒッソリとしている。

確かに天気は良くなかったが、日曜日の昼間にこれだけ閑散としている嵐山の姿は記憶にない。渡月橋、天龍寺、そして観光客に人気の竹林方面へも足を伸ばしてみたが、やはりどこも状況は同じだった。

・見えてきた人々の本気度

嵐山周辺を取材したのには、理由がある。それは純度100パーセントの観光地だから。

いくら外出自粛といっても、都心部には必要があって出歩く人が最低限はいる。一方このあたりを訪れる人というのは、ほぼ観光客だと断定していい。人々がどれだけ本気で「不要」の外出を控えているかという観点では、市街地以上に参考になるのではと思ったのだ。

そして実際の状況は、お伝えしたとおり。想像以上に自粛ムードは浸透していると感じた。また「宣言の対象地域じゃないから遊びに行っても大丈夫じゃん」という気の緩みもないように思われた。

今はみんなが我慢している。一刻も早いコロナ禍の終息、そして再び観光地に賑わいが戻る日を今は待ちたい。

Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.
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▼嵐山近辺の様子

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