世界中で新型コロナウィルスの感染者数が右肩上がりに増え続ける中、東京都の小池百合子都知事は幾度かに渡り「テレワーク」「時間差出勤」「外出の自粛」などを呼びかけてきた。その効果もあってか、電車はいつもほど混雑しておらず、また休日は外出を控える都民も多いように感じられる。

一方で、街を見渡せばビジネスマンの数も少なくなく、時間帯によって駅は普段とさほど変わらない人であふれている。果たして今、リアルな東京はどうなっているのか? 今回は東京の玄関口『東京駅周辺』の様子をレポートする。

・巨大ターミナル駅

全国の新幹線網が集結していることからもわかるように、首都・東京の玄関口として知られる東京駅。皇居のある「丸の内」方面、そして日本橋のある「八重洲」方面共に都内有数のビジネス街であり、東京駅から多くのビジネスマンがオフィスに歩を進めている。

また近年の東京駅周辺は、大型商用ビルが立て続けにオープンした影響で「高級ショッピング街」としての顔も持つ。単なる巨大ターミナル駅にとどまらず、ビジネスマンと多くの観光客が集まるエリア、それが『東京駅周辺』だ。

・観光客はほぼ見当たらず

2020年4月の平日午前10時頃、その東京駅周辺の様子はというと、やはり人通りは少なかった。ピークは午前9時頃であるものの、普段の10時ならばもっとビジネスマンを中心とした人がいてもイイ。特に八重洲口方面は人が少なかった印象だ。

さらに観光客の姿は激減しており「はとバス」の出発口に並ぶ人は皆無。ただバスが出発時間まで停留し、バスの運転手たちがマスクを付けながら立ち話をしているだけであった。当然、いつもなら皇居方面へ流れる観光客の人影もほぼ見当たらない。

それは東京駅から少し離れた「日本橋」周辺も同様だ。普段ならウィンドウショッピングを楽しむ人の姿が多い日本橋エリアも、当然のように人が少なかった。仕事ではない個人の意思でどうにかなる箇所については、多くの人が外出の自粛を心がけているようだ。

・ビジネスマンはそれなりにいる

逆に、普段より少ないながらも、丸の内方面はそれなりの人数が行き来していた。東京駅の各改札口から出てくる人の数は決して少なくなく、多くの企業でテレワークや時差出勤が実施されているにせよ、元々の絶対数が如実にあらわれた格好だ。

なお、東京駅周辺の某大手商社に勤める知人によると「3月初旬からテレワークが続いている」とのことである。出社するのはチーム単位で営業職と事務職が1日1名ずつで、普段と比べると「1/5~1/7になっているイメージ」とのことだ。

当然、全ての企業がそうではないにせよ、テレワークを実施する企業が多いことは事実であろう。つまり、東京駅周辺で見かける人たちは「それでも休めない人たちが多くいる」ことを表しているのではなかろうか。そしてその数は決して少なくない。

なお、各種メディアによると「7日にも緊急事態宣言が発令される可能性が高い」とのことだが、果たして東京駅周辺からさらに人が少なくなることはあるだろうか? いま東京が大きな岐路に立たされていることだけは間違いない。

参照元:朝日新聞デジタル
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.