もはや日本ではなくなっている『上野アメ横センタービル地下食品街』。スッポンから豚の頭までアジアな食材の宝庫である。そんな地下世界の出入口に昆虫食自販機が設置されているのを発見した。発見……してしまった……。

正直、虫が苦手な私(中澤)。自販機に近寄るのさえ気が引けるが、見たからにはこんなに気になるものを記者として捨ておくわけにはいかない。そこで近づいてよく調べてみたところ、怖すぎるボタンを見つけてしまったでござる……。閲覧注意。

・入り口の1つに設置

地下食品街への入り口はいくつかあるが、この自販機があるのは『東京靴流通センター 上野アメ横店』横の入り口だ。商品を見てみると、ゲンゴロウ、バッタ、タガメ、竹虫、蚕、フンコロガシなどなど29種類の虫缶がある。種類がめちゃくちゃ豊富なのにテンションが上がらないのはなぜだろう


っていうか、「お楽しみCAN」って何だよ

1番左上の缶が黒く塗りつぶされており「何が出るかな? お楽しみCAN」と書かれているではないか。ホラーとかに使われる字体で。これもう作った人も狙ってやってるよね。

いまだかつてこんなに楽しくない「お楽しみ」があっただろうか? 価格が1000円と安めの設定なのもそこはかとなく恐ろしい。まともなものが出てこなさそうで。

・真実を暴く時

ともかく、見つけたからには実際に試して伝えるのが私のジャーナリズム。というわけで、1000円を投入し、ボタンを押した。


\コロン/

軽い音とともに出てきたのは、1600円の竹虫の缶。ほっ、竹虫なら以前食べたことがあるぞ。正直、ゲンゴロウ(1200円)とかバッタ(1300円)とかカナブン(1200円)じゃなくて良かった。さっそく、家に持ち帰り開けてみたところ……


缶の中には商品の袋が入っており、そこに処理が書かれている。どうやら、茹でた後、乾燥させたもののようである。商品の袋を開けると……


中にはさらにビニール袋が入っており、その中にはカラカラの竹虫がギッシリ

おそらく、記者になる前なら袋を缶に戻しそっとフタを閉めていたことだろう。だがしかし、ロケットニュース24での様々な経験を経た今の私にとってはスナック菓子程度にしか見えない。何か大切なものを失った気がした

・味

ともかく、食べてみると、味はやはり塩味のスナック菓子みたいである。例えるなら、酒のつまみとかおやつ用として売ってる「アーモンドフィッシュ」の小魚の食感がスナック菓子に寄った感じ。微妙に虫臭さのようなものはあるが、逆に食べなれていないと「これが虫臭さ」とは明確に分からないんじゃないだろうか。

とは言え、いくらここで食べられる味であることをプレゼンしたところで興味のない人が「買ってみようかな」とはならないだろう。というわけで、この自販機が気になる方は上野アメ横に行ってみてください。

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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