ロケットニュース24

話題の「無印のメロンソーダ」を飲んでみた / POPやファンタのメロンソーダとの違いは

2020年3月24日

無印良品のメロンソーダ。それは、今最も入手困難なメロンソーダ……かもしれない。SNSで話題となり、売り切れまくっているようなのだ。筆者も都内で探し回ったが、購入したタイミングだと錦糸町パルコの無印良品を除き他は入荷待ちだった。

公式サイトのブログによると、無印良品のカフェ「Cafe&Meal」で提供される「クリームソーダ」に使われているものらしい。これを用いて自宅でクリームソーダを作りたいという人が多いもよう。なるほど。クリームソーダはともかく、個人的には他のメロンソーダとの違いが気になる。比較してみるしかあるまい。

・3種のメロンソーダ

ということで、3種のメロンソーダが終結。ラインアップは以下の通り。


1. サントリー POPメロンソーダ 430ml(近所の自販機で130円)

2. コカ・コーラ ファンタ メロンソーダ 500ml(セブンイレブンで税込み151円)

3. 無印良品 メロンソーダ 330ml(無印良品で税込290円)



・POP

まずは見てわかる部分の違いについて触れていこう。POPメロンソーダ(以下POP)から。3つの中で唯一ペットボトルに入っているこちら。どことなく80年代感のあるデザインは嫌いじゃない。どう見てもケミカルな色合いを透明なボトルで見せつけているところも良い。古き良きメロンソーダ感がある。

成分表によると、果糖ぶどう糖液糖、香料、酸味料、リン酸塩(Na)、着色料(黄4、青1)とある。何1つとして自然な物が入っていないのはテンションが上がる



・ファンタ

次はファンタ。ボトルのデザインについては特に言うこともないだろう。ファンタはファンタだ。金属製のボトルで、外からは中身がわからない。成分を見てみよう。

原材料は果糖ぶどう糖液糖、香料、酸味料、着色料(クチナシ、紅花黄)、保存料(安息香酸Na)、V.B2。POPとは着色料の種類が違うようだ。そういえば合成着色料は不使用だとボトルに小さく書かれていた。そして、POPには入っていなかった安息香酸とビタミンB2が入っている。



・無印

最後はメインの無印。ボトルはいかにも無印感のあるデザイン。そもそも茶色の瓶。そしておなじみの簡素なラベル。メロンソーダはどこもとにかく緑色にしがちだが、無印はあくまで無印デザインだった。飲むには栓抜きが必要で、開けたらすぐに飲み切るのが前提だと思われる。

原材料は砂糖(国内製造)、酸味料、香料、ベニバナ黄色素、クチナシ青色素。まさかの砂糖。国内製造なのだとか。ぶっちゃけ産地はどうでもいいが、果糖ぶどう糖液糖と砂糖では甘みの感じ方が違う。砂糖を使っている点は文句なしに評価すべき点だろう。

そして、着色料はファンタ同様にクチナシとベニバナ由来。保存料は入っていない。値段がぶっちぎりで高いのは、砂糖と瓶のボトルと、他の2種ほど多くはないであろう生産量のせいだろうか。まあ、ヴェブレン効果(一定以上の所得層には高価なほど需要が増す的なやつ)を狙ってのことかもしれないが。



・色はバラバラ

そろそろコップに注ぎ、色を見てみよう。違いを知るため、同じプラスチックのコップに注いで眺めてみると……



まさに三者三様。POPの色は、ぶっちゃけ注ぐ前から見えていたので特にコメントは無い。しかしファンタと無印は興味深い。どちらも同じ、ベニバナとクチナシ由来の着色料を使っていることは先述の通り。

配合比が違うのだろう。ファンタは黄色っぽく、無印は青っぽい。一番緑なのはPOPなのだが、緑色すぎていかにもな人工感がある。青味の強い無印の緑について、公式HPでは「淡いグリーン」という表現をしていた。

フラッシュを用いて強い光を当てるとターコイズグリーンで、部屋の蛍光灯程度だとビリジアンな感じ。茶色い机の上に置くと「小学校の頃に水彩絵の具で木を描いていて、葉っぱを緑で塗ろうとしたら幹の茶色がちょっと混ざって誕生した緑」。

この青味の強い無印のグリーンは、氷をぎっしり入れて色が薄くなった状態で太陽光などの強い光に当てると、きっとかなり薄くて淡い緑になるのだろう。薄暗い所だとあまり良くない。


・味と香り

最後に味と香りを比べてみよう。まずはPOPから。とってつけたようなメロンの香りが良い。味はどこまでも甘く、どこまでもイミテーションなメロン。でもこれが昔ながらのメロンソーダな感じがするので、個人的に好感度は高い。愛すべきケミカルフレーバー。

続いてファンタ。意外なことに、一番香りが弱いのはファンタであるように感じた。味はPOPをやや瑞々しくした感じ。メロンソーダとして少し自然な感じを目指したのだろうか。

そして無印。僅差でPOPよりも強く香り、傾向としてはメロンの種周辺みたいな感じがする。味は、相当柔らかくなって瑞々しい状態のメロンっぽい。しかし甘さは控えめだ。元の状態ではそこまで甘くないので、アイスクリームを入れてクリームソーダにしても甘ったるくならないのだろう。


・クリームソーダ体験のための

ということで、話題の「無印のメロンソーダ」。人気だというので気になって飲んでみたが、なるほど確かにこれは他のメロンソーダとは別物だった。本来はカフェでクリームソーダに用いられているというのも納得。

まあメロンソーダ自体がそんなに種類も無く、どのメロンソーダも思いのほか独特ではあった。しかし、ことアイスクリームとの相性は無印が一番いいと思う。ただ1本330mlで290円というのは、単なるメロンソーダとしてはやっぱり高い。

単体でがぶ飲みするものではなく、クリームソーダを作って写真を撮ってSNSに投稿して飲む。その諸々の体験の材料としてのメロンソーダなんだろうなぁという気がする。洗練されたクリームソーダ体験のための素材みたいな。

もしかしたら無印のメロンソーダが抱える最大の問題は、最適化された無印産のバニラアイスが、まだ売られていないことかもしれない。

参照元:無印良品サントリーファンタ
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼恐らくは無印のメロンソーダ史上最も映えない写真。290円のメロンソーダをコンビニのプラカップに入れる人は中々いないのでは。一応SNSでよくあるフィルムっぽく彩度落とすフィルターをかけておきました。


▼公式HPの「店舗在庫状況」から在庫のある店舗を確認できる。買ったときは錦糸町しか残って無かったが、執筆時では状況が変化していた。入荷されたり売り切れたりが激しい可能性。

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