もはや社会現象……とまでは言わないが、漫画『鬼滅の刃(きめつのやいば)』がそれに近い人気を博している。連載中の漫画作品がここまで話題を集めるのは、それこそ数年前の「キングダム」以来ではなかろうか? 

それでも42歳の私、P.K.サンジュンは1ミリも『鬼滅の刃』を読む気が無かったのだが、ひょんなことをきっかけに同作を読み始めたところ、当時の最新刊(18巻)まで読み切れたことは以前の記事でお伝えした。続けざまに先日発売された19巻を読んでみたところ……。

・読み切れないかと思いきや

詳細については以前の記事をご覧いただきたいのだが、周囲にどれだけ「おもしろいよ!」と薦められても、私にはどうしても『鬼滅の刃』を読みたくない理由があった。端的に言うと「小年漫画のキラキラ感に胸焼けを起こすから」である。

今から10年ほど前、何人もの人から「ワンピース」をゴリ押しされたため読んでみたものの、結果的には10巻いかずに撃沈。いや、みんなが言いたいことはわかるけれども、薄汚れたおっさんに「海賊王に俺はなる!」は響かないんだ。そう言われたところで “無” なんだ──。

・最新刊は…

ところがどっこい、鬼滅の刃は18巻まで読み切れたから自分が1番驚いた。その最大の理由は「展開の早さとテンポの良さ」だと考えているが、果たして最新19巻はどうだったのだろう? 結論から言うと……。


スルスルッと読めた\(^o^)/


相も変わらず、鬼滅の刃はスピード感が凄まじい。汚い大人の考え方をすれば「これだけ人気あるんだからもうちょっと引っ張ればいいのにね」なんて思ったりするが、出し惜しみのなさには清々しささえ感じる。このテンポで話が進むならば「あと2巻くらいで最終回じゃね?」とも思った次第だ。

また、生きていようが死んでいようが「キャラを大切に扱ってるなぁ」とも感じた。ネタバレになるので詳細は伏せるが、死んだキャラの想いが紡がれるシーンは鬼滅の刃の見せ場であり、またファンから愛される理由であろう。19巻でもそれが炸裂している。

・このまま完結させるべき

今後の展開がどうなるかはわからないが、個人的にはこのスピード感を保ったまま鬼滅の刃を完結させて欲しいと思っている。鬼滅の刃の大ファンではないがゆえ、無責任な意見を述べさせてもらえれば、このまま完結すれば鬼滅の刃は伝説の作品となれる……と思う。

歴代の少年ジャンプ作品を振り返ると、絶頂期で完結を迎えた作品は本当に少ない。思い浮かぶのは「スラムダンク」くらいだろうか? あくまで個人的な意見になるが、ドラゴンボールもフリーザまでで良かったし、北斗の拳もラオウのくだりが絶頂であった。

これは「北斗の拳」の武論尊(ぶろんそん)先生から直接聞いたことがあるのだが、当初は先生ご自身も「ラオウまでで終わり」と思い制作活動を行っていたそうだ。そのエネルギーこそが「我が生涯に一片の悔いなし」の名言を生み出したのであろう。

ところが出版社としてはドル箱作品を手放したいハズがなく、結果的に北斗の拳はその後もしばし連載が続いた。出版社の気持ちも十分に理解できるし、そうした大人の事情でズルズルと話が続くのはある意味で人気作品の運命(さだめ)といえる。

……が、結果的に尻すぼみになってしまう作品の方が多いことを考えると「鬼滅の刃は絶頂期で終わらせるのが正解」というのが私の意見だ。一通り決着が付いた後、今のテンションを維持するのが至難の業であることだけは間違いない。

とにもかくにも、鬼滅の刃は圧倒的スピード感を保ちつつ、出し惜しみ一切なしでクラマックスへ突き進んでいる。単行本しか読んでいないが、真面目な話、2020年中に終わる気配が濃厚だ。おっさんでもスルスルッと読めるから、まだの人はぜひご一読いただきたい。

参考リンク:鬼滅の刃ポータルサイト
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼北斗の拳の話は、武論尊先生から直接伺いました。