自分が生きている間は大丈夫。そう悠長に思っていたのだが、どうやら世界のタンパク質不足はすぐそこまで来ているらしい。日本経済新聞によると2030年がその時。このまま人口増加が進むと、需要と供給のバランスが崩壊するという。ここ数年、タンパク質豊富な昆虫食が注目を浴びているのもそのせいだ。

さて、当サイトはこれまでさまざまな昆虫食を取り上げてきたが、今回は「いもむしゴロゴロカレー」なるものに挑戦することにした。カレーと昆虫……クセにある2つが混ざり合うことで食のケミストリーは起きているのだろうか。

・いもむしカレーと対面

編集部に届いた「いもむしゴロゴロカレー」の試作品は無添加のレトルトカレーで、野菜とシアワーム(いもむし)、香辛料くらいしか使用せず。牛脂や増粘多糖類、小麦粉などは使っていないらしい。

現在、商品は味と栄養成分の向上のため試作を繰り返している段階とのだが、果たしてどこまで昆虫のクセをなくすことに成功しているのか。それではさっそく登場していただこう。いもむしゴロゴロカレーさん、いらっしゃ〜い!

あっ、虫が苦手な人はこのあたりで引き返すことをオススメするぞ!




ジップロック内にある段階だと普通のカレーだけど……



ここからが閲覧注意……




ほんとにいくよ?



3



2



1



バンッ!


ババンッ!


ババババンッ!


パッと見は普通のカレーのようだったが、思いっきり いもむし が寝そべっていた。とはいえ、ワインで下味をつけているため、袋から取り出すとオシャンティな匂いがする。この時点だと、イケなくはなさそう!

こういうのは勇気が大事──。ってことで、思い切って いもむしを口に放り込んでみた。


いただきま〜ぁ……うぐっ……



正直に言おう……


こいつは……


マズうぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!


こ、これはイカン。試作の段階とは分かっているが、とにかくマズすぎる。噛んだときは思ったほどショックを受けないものの、じわりじわりと苦味が口の中に広がっていく。なんというか生かさず殺さずで、毒が全身にまわっていくような感覚だ。毒を盛られたことないけど。

時間が経てば経つほど思考回路はショート寸前。その後、一生懸命「これはカレーライス」と何度も脳内変換するも、体が昆虫の苦味を感じ取って胃に入れることを拒否してしまった。それにしても、昆虫が入っているとここまで破壊力が増すとは……。やはり昆虫食ってキツい……?

・昆虫食のツートップが試食

そうとも思ったが、いかんせん私は昆虫食初心者。ある程度、鍛錬を積んだ者ならば味の見極めもできることだろう。そこで、当編集部の昆虫食を得意とするツートップに食べてもらった。まずはその一角……

中澤星児


カブトムシをはじめ、ゲンゴロウ、サソリ、イナゴなどなど、その戦歴は輝かしい。そして経験者だけのことはある。カレーやライスから手をつけることなく、ど本命のいもむしから攻め始めた彼はどう感じたのかというと……

「これイヤっすねぇ……ちょっと硬いところがライスとは合わないかもしれないですね。いもむしの味は甘くないレーズンっぽいかな。そもそも虫として美味しくない。まだカイコとかコオロギを使った方がカレーに合うんじゃないでしょうか」


──と具体的な代替案が出てくるあたり、さすがの実績である。では、もう1人に登場してもらおう。いろんな虫を食べたことがある強者……

GO羽鳥


イヤイヤ言いつつも、躊躇(ちゅうちょ)することなく一口でパクリ。過去にゴキブリを食べた鉄のハートは伊達じゃない。で、その感想は……

「これまでいろんな虫を食べてきたけど……あっ……これはうまくねぇ……(涙目)。粘土っぽいのを食べているような……ダメ、う〜んダメ。う〜ん、うまくねぇ……」

・昆虫食が美味しくなる未来はあるのか

一言でバッサリ切るなら「マズい」という結果になったが、それもそのはず昆虫を美味しく食べる調理方法はまだまだ開発されていないのだ。むしろ時代はこれから。マズいが積み重なって美味しいに転生する日を待ちたい。

なお、「昆虫食のentomo」のいもむしゴロゴロカレーはクラウドファンディングサイト「Makuake」で支援することができる。ここまでマズいマズいと言っておいてなんだが、昆虫食が本格的に食卓に並ぶ日はそう遠くない。高タンパクだし、未来を人より先に切り開きたい方は覗いてみてはどうだろう。

参照元:Makuake「いもむしゴロゴロカレー」日本経済新聞
Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.

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