ねぎだく。──どんな牛丼なのかは、今あなたの頭にある通りだ。そのまんまではあるが念のために説明しておくと、玉ネギが多めの牛丼のこと。『つゆだく』とか『つゆぬき』とか『頭の大盛』などといったオーダー方法の1種である。

それが、明日2020年1月8日の11時より全国の吉野家で復活する。値段は並盛で454円(税抜)。大盛だと614円(税抜)で、特盛は734円(税抜)、超大盛は824円(税抜)。また吉野家によれば、「サイズによっては増量分の玉ネギが丼の上に乗り切らない場合があるため、別鉢での提供」とのことだ。

──そう聞いて、あなたは気にならないだろうか? 超特盛になったら、どんだけ玉ネギまみれの牛丼になるのか? と。

・並盛は牛肉と玉ネギが1:2

ちなみに、『ねぎだく(並)』では、牛肉と玉ネギの割合が1:2。玉ねぎの量は、通常の並盛の4倍……と事前に発表されている。では、大盛、特盛となるにしたがって、玉ネギの割合は増していくのだろうか? たとえば、大盛りなら牛肉:玉ネギが1:3、特盛だったら1:4といった感じで。

もしそうだとしたら、「超特盛」はほぼ玉ネギご飯になってしまう。ありえないと思うかもしれないが、吉野家の牛丼は玉ネギも美味いので、“ほぼ玉ネギご飯牛丼” の需要があっても不思議ではない。なにより、そんな特殊なビジュアルの牛丼が出たら……ますます吉野家を好きになってしまう! 

──と思いながら、“中の人” に聞いてみた。


Q:ねぎだくの超特盛だと、牛丼が玉ネギまみれになるのでしょうか?


中の人:「いいえ。ねぎだくの超特盛では、牛丼と玉ネギの割合が1:1です。ちなみに、玉ネギのグラム数は非公表になります」


──やはり……と言うべきか。吉野家はネタに走らず! 繰り返す、吉野家はネタに走らず!!

意外だったのは、超特盛になると、並盛の1:2から玉ネギの割合が下がっていること。これは当然、全体のバランスを考えてのことだろう。いくら『ねぎだく』を頼む人が基本的に玉ネギ好きとはいえ、その割合を増やしまくるのは味的に得策ではないとの判断らしい。

記事を書くうえではちょっと残念だけど、吉野家の真面目さを垣間見たようだ。


・『ねぎだく』の歴史

なお、『ねぎだく』は元々、吉野家の1号店「築地店」限定で提供されていたサービス。なんで築地かと言ったら、吉野家によるとこういうことらしい。


「築地店は魚市場で働く食のプロが常連客であることが多く、常連客は自分好みの牛丼を食べようと通好みする特殊注文を生み出し、店舗もそれらの注文に応じた牛丼を提供していました」


──「自分が店員だったら面倒くさくて絶対にキレてる」と思わなくもないが、実に築地らしいエピソードではないだろうか。早い話、食にこだわりの強いプロが客として集まる店だからこそ、生まれた注文方法らしい。

しかし、2018年10月6日に『ねぎだく』は一旦幕を閉じる。築地市場の豊洲移転に伴い、吉野家「築地店」自体が閉店したからだ。以降、『ねぎだく』は幻の注文方法となってしまったのだが……!

ここからは、先に述べた通り。明日、いよいよ復活するぞ〜!


・他の注文方法は復活する?

ついでなので、もう1つ余談を。吉野家のファンであればご存知かと思うが、幻となった注文方法は『ねぎだく』だけではない。『あつしろ(ご飯が通常よりさらに熱々)』や『つめしろ(冷ましたご飯で牛丼)』、『肉した(ご飯の下に牛肉)』なんてものもある。正確に言うと、あった。これらのオーダー方法は、現在どの店舗でも対応不可。しかし……!

いつの日か、『あつしろ』とかも食べられるのかな〜と思って “中の人” に聞いてみたところ……


中の人:「それらの復活は、現在検討しておりません」


──とのこと。

よって、今後 “幻” の中から復活するのは『ねぎだく』だけかもしれないぞ。個人的には、『肉した』や『とろだく(脂身の多い牛肉を盛り付け)』は是非とも食べたいところだが……そんなことを言っても仕方がない。ここは素直に「ねぎだく」の復活を祝おうではないか。SAY! ね〜ぎだく! ね〜ぎだく! ね〜ぎだく!!

参照元:吉野家(PDF)
執筆:和才雄一郎

▼こちらが、超特盛の『ねぎだく』で……

▼並盛の『ねぎだく』はこちら。なお、一部店舗では販売していないとのこと