先日、栃木県の熱心な餃子ファンから「栃木の餃子は宇都宮だけじゃない」という衝撃的な事実を教えてもらった。いわゆる街おこし。てっきり市で盛り上げているものだと思っていたが、どうやら県内各地で餃子がお盛んらしい。しかも、さらに話を聞けば南部地方は大きめの餃子が主流なんだとか。これ……センター試験に出るかも!

そんな経緯で改めて栃木県は餃子県だと勉強したのだが、新たな面白い餃子があるとなればやることはひとつしかない。食べるのみ!!

・冷凍餃子専門店の一品

この度、通販で購入してみたのは栃木県南部に位置する小山市(おやまし)にある昭和50年創業の「小山餃子」。ここは一品香城東店直営のお持ち帰り冷凍餃子専門店で、地元民のソウルフードなんだとか。

それにしても冷凍餃子専門店とは……否が応でも期待が膨らむし、栃木県民の餃子愛に震えるしかない。HPでメニューを眺め、とりあえずひとくち餃子15個、大きい餃子25個のセット(2800円)を頼んでみた。

数日後、届いた箱から餃子を取り出すと……


スゴく……


スゴく……大きいです……。


事前に「大きい餃子」とは書かれていたが、なんというジャンボサイズ。横幅8センチもあるから5個も食べれば満腹になりそうだ。とりあえず同時に頼んだ一口サイズと比べてみても……おいおい! こいつを見てくれっ……!!

スゴく……大きいです……。


こんなに大きい餃子、見たことあるかい? 2倍……いや、全体を考えると5倍くらいはあってもおかしくない。小山市の人たちは日頃からこんなに豪快な餃子を食べているのか! スゴい、スゴい! 栃木の餃子って奥が深い!!

・途中でお湯を捨てるタイプの餃子

──と作る前から興奮してしまったが、まだまだ驚きは続く。そう、冷凍餃子にしては経験のない調理方法だったのだ。これまで水か湯を加えて蒸発するまで加熱って流れがほとんどだったが、なんと小山餃子は煮込みが終われば中の湯を捨てる必要がある。

ちなみに大きい餃子は、本体がかぶる8分目くらいまで湯を入れる。それで沸騰させて餃子がプクッと大きくなったら湯を捨て、キツネ色になるまで焼いて……

ほい、完成! いやはやぁ〜


ナイスですねぇ〜!


・皮に特化

ではでは、さっそく実食といこう。餃子のサイズがサイズだけに『進撃の巨人』の巨人のごとく大きく口を開いてかぶりつく。

うわっ……うあぁぁ……これはスゴいな……。


口に入った瞬間にバゴンッときた。その特徴はなんといっても……


『皮』!!


一言で表現してと言われたら「すげえ皮」。なんというか、信じられないかもしれないが皮にコシがあるのだ。もちろん餡もスゴい……スゴいのだが、あまりに皮がスゴくて頭に入ってこない。そうだ、これは……これはまるで……

煎餅(せんべい)を食べているかのよう。餃子が煎餅。何を言っているのか分からないかもしれないが、まるで煎餅……焼き目が煎餅くらいパリパリしているのだ。

普通の餃子であれば餡が主役になりがちだが、小山餃子は完全に皮がすべてを語りかけてくる。餡は黒子。もはや うどん や きしめん を食べているかのような錯覚さえする。これは他にない餃子で唯一無二! 栃木の餃子、奥が深いよぉ……。

・買うなら大きい餃子がオススメ

余談だが、一口サイズの餃子も試してみたら大きい方が全面に良さが出ていてはるかに美味しかった。決め手はやはり皮。小山餃子を買うならば「大きい餃子」がオススメだ。

群雄割拠の餃子界においてすぐに忘れ去られる餃子は星の数ほどあるが、しっかりと爪痕を残すあたり栃木のレベルの高さがよく分かった。また1つ、面白い餃子と出会うことができたし、これがあるから面白い。まだまだ餃子道は続く──。

参考リンク:小山餃子
Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.

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