ファストフードチェーンの大手・松屋。牛丼やカレーもさることながら、『松乃家』のとんかつや、『ヽ松(てんまつ)』の天ぷら、『ステーキ屋松』のステーキなど、姉妹店のコスパの良さには驚かされるばかりである。2019年11月13日、そんな松屋がまた新業態をオープンした。


その名も『松そば』……そう、そば屋である


ウマイそば屋を求めて色んな町を放浪する「立ち食いそば放浪記」を180回以上連載している私(中澤)。そばと聞けば黙ってはいられない。そこで、ダッシュで行って来たぞ

・コスパに衝撃

店がオープンしたのは、西武池袋線清瀬駅の駅前だ。ギリ東京というくらい埼玉との県境にあるこの街。どことなくのんびりした雰囲気が漂う駅前商店街に『松そば』を発見した。

『松乃屋』と一体となっているこの店。メニューには「十割そば」の文字が。しかも、さるそばが税込350円って安すぎだろ! さすが松屋姉妹店……そう思いながらメニューをさらによく見ると……


定食ライス・みそ汁おかわり無料!!」

──マジかよ!? みそ汁まで!? ちなみに、定食は「天ぷら定食(税込740円)」「上天ぷら定食(税込880円)」「特上大海老天ぷら定食(税込1170円)」「海鮮かき揚げ定食(税込740円)」の4種類。

・店内の様子

思わず定食につられそうになったが、『松そば』なんだからそばを食べてみないことには始まらない。そこで、入店して券売機で「牛ぜいたく盛り肉そば(税込680円)」の食券を購入した。

店の奥にはカウンターがあり、カウンターの上に番号が表示された小さい画面が設置されている。どうやら、あそこに食券の番号が表示されたら取りに行く様子。高速道路のサービスエリアなどでよく見かける形式である。席で待っているとほどなく番号が表示された。

・ワクワクが止まらない見た目

牛肉とネギとごぼう天がトッピングされた「牛ぜいたく盛り肉そば」。つゆが染み染みの牛肉がなんとも松屋っぽい風情を醸し出しているではないか

しかし、ここまで細麺の十割そばは初めて見たかもしれない。つゆの色も醤油カラーが薄めで、そばにおいてもすでに松屋の個性をビンビン感じる。はたしてどんな味がするのか? 新業態に定評がある松屋だけにワクワクが止められない。いただきます!

・実食

まずはつゆを飲んでみると、醤油味薄めの甘めつゆだ。と言っても味自体はしっかりついているため、優しい味と表現した方がいいかもしれない。個人的には「みんなの食卓でありたい」と掲げる松屋らしい温もりを感じた。

そして、トッピングの具では、そんな松屋らしさがさらに爆発。つゆでクタッとなった牛肉を食べると、口の中に牛めしの記憶が広がっていく

基本的には松屋っぽい魅力にあふれたそばなのだが、180店以上立ち食いそば屋を回ってきた者の視点から、1つだけどうしても気になったことがあるため追記しておこう。

それは、そばが十割にしても切れやすいこと。ただ箸で持ち上げただけでプチプチ切れてしまったのは残念だった。また、そばっぽい腰もないため、ガチの十割そばを目当てに行ったらちょっとガッカリするかもしれない。

とは言え、これは立ち食いそばマニアのいち意見であり、冷静に見ると、十割そばが350円で、定食のご飯・みそ汁までお替わり無料なのは凄い。『松乃屋』も併設されているし、メニューのバリエーションの豊富さを考えればこの店に行く価値は十分にあるだろう。

まだ始まったばかりの業態である『松そば』。これからどんどんその味は磨かれていくに違いない。少なくとも私は信じている。いつの日か、『松そば』が350円でマニアもうなるような十割そばを出してくることを。松屋ならできるさ。そうだろ?

・今回紹介した店舗の情報

店名 松そば 清瀬店
住所 東京都清瀬市松山1-9-4
営業時間 24時間営業
定休日 無休

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.