ロケットニュースではライターを募集している。これまでにも幾度となく募集を呼びかけてきたが、人の数だけネタの切り口は存在するし、その意味で全人類が潜在的ライターと言えるので、まだまだ募集している。

そんなわけで、今回は「興味はあるけどライターって難しいんでしょ?」という方に向けての記事だ。答えとしては正直ムズい。筆者(西本)がロケットの外部ライターとなって半年以上が経つが、大手を振って手探り中である。しかし難しさ以上にやりがいを感じる仕事だし、何より言いたいのは「応募するだけならタダ」「応募し得(どく)」ということだ。

・ハードルが低すぎる

ロケットのライター募集要項をお読みいただければわかるように、「審査手数料5万円」などとは書かれていない。必要なのは履歴書と応募記事2本だけだ。ライター経験も不要である。あれば歓迎はされるが、決して必須ではない。

個人的に、この「経歴不問」という点は非常に大きいと思っている。ライター募集にあたって実務経験を求めるところは多い。「ライターだったことがないとライターになれない」というライターのパラドックスに行く手を塞がれるケースだ。それを考えればロケットのハードルは相当に低い。地面にめり込んでいるレベルで低い。


・応募したから今がある

「でも履歴書は見られるんでしょ?」「本当に経歴不問なの?」「ゴリゴリに値踏みしてたりしない?」という疑問に対しては、筆者のエピソードを記しておこう。

筆者の経歴に関しては以前の記事でも書いたことがあるが、平たく言うと8年間ニートだった。平たくしすぎて荒野みたいな紹介になってしまったのはともかく、「そろそろ手に職をつけねば」というところで目に入ったのがロケットのライター募集だった。

もともと文章を書くことが好きだったのでライターの仕事も探していた筆者は、実務経験が不要なことに驚いた。同時にチャンスだとも思った。プロのライターに門前払いされることなく文章を読んでもらえる。小説の賞に応募したりするより手間もかからずに。

失うものなどない。メリットしかない。「それならとりあえず応募してみっか」と気安く応募書類を送りつけた結果、幸運にも面接の機会をもらった。類を見ないほど情報量の少ない、悪い意味で読み手に優しい履歴書であったにもかかわらずである

面接の際も、値踏みの余地もないくらい裸一貫のこちらを温かく迎えてもらえたし、真摯に話も聞いてくれた。それをいいことに、人生経験に乏しい己自身をむしろ積極的に押し出していった。それが自分の「ネタの切り口」になると思ったからだ

経験値の低い人間ならではのものを書きたい──そうしてライターへの思いの丈をぶつけた末に、今では記事をお届けする立場に立てている。ほとばしる何かを感じ取ってもらえたのだと思う。

裸一貫の男のほとばしる何かと言うと聞こえは悪いものの、「経歴不問」を示す上でこれほどの好例もないだろう。もともと仕事ではないにせよ文章を書いていたことがプラスに働いた部分はあったかもしれないが、そういった経験なしでロケットのライターになった人もいる。

大事なのはやはり、経歴よりもやる気、飛び込んでいく心意気であるということだ。


・誰にでもチャンスはある

とはいえ、当然ながらやる気だけではままならない。どんなネタを記事にするか、どのようにして記事にするかは、熱意と同じくらい重要だ。

それらの能力については編集部が厳正に審査してくれるはずなので、とにかく興味のある方はとりあえず応募してみてほしい。気軽に応募できること、メリットしかないことは既にお書きした通りである。

まずは何でもいいから記事を書いてみるのもよいだろう。日々の生活にネタ探しのアンテナを取り入れ、見つけたネタを文字にする。想像以上の難しさがそこにはある。しかし「自分だけの切り口」も必ず存在する。こんな筆者にだってあるのだから、絶対にある。

偉そうに書いてしまったが、少しでも皆さんの応募意欲をかき立てることができていれば幸いだ。決して及び腰にはならないでほしい。本物のロケットは限られたエリートしか乗れないが、こちらの「ロケット」はニートでも乗れるのだから。

詳細は募集ページをご覧ください。

執筆:西本大紀
Photo:Rocketnews24.