明日(2019年11月8日)は「酉の市」。毎年当編集部では、最寄りの新宿・花園神社で熊手を買うのが恒例だ。2012年から毎年決まった露店で購入しており、今年も無事に1年過ごせたことを露店のオヤジさんに報告に行くのである。それが楽しみだ。

お祭りといえば、いろいろな出店を見るのも楽しい。田舎出身の私(佐藤)は、東京に来てからはじめて目にする出店がいくつかある。「あんず飴」もそのひとつなのだが、実は今まで1度もあんず飴を買ったことがない。

そこで実際に買ってみたところ、あんず飴の真実を知り驚愕! さらに食べ方が良くわからず、あんず飴を食べるのに失敗したらしい。どう食べるのが正解なんだ?

・昼間の酉の市

酉の市の期間中、夜になると花園神社は大混雑する。歌舞伎町界隈の飲食店や、新宿の企業関係の人たちが大勢詰めかけ、境内には参拝の長蛇の列。時間によっては、身動きもできないほどの人だかりになる。


夜が本番ではあるが、ゆっくり楽しみたいのなら昼に行くことをオススメする。昼はほとんど混み合っておらず、外国人観光客が行き来するのみ。少なくとも、私の場合はそうだった。

出勤前の時間に花園神社へ向かったら、落ち着いて熊手を買うことができたぞ。その際、神社をうろうろしていたところ、ひとつの屋台が目に留まったのだ。それがあんず飴屋である。


あんず飴? 聞いたことはある。しかし、うちの田舎にあんず飴を売っている出店はなかった。そういえば、りんご飴は食べたことがあるけど、あんず飴は食べたことがない。これは良い機会だから、1つ食べてみよう。


・あんず飴のシステムがわからない

1つ200円とのことなので、小銭を取り出して「ください」と伝えると、店のおばちゃんが「どれにします?」という。どれ? 何を選ぶんだ? あんず飴はあんず飴じゃないの?


私は知らない! あんず飴のシステムを!!


おばちゃんに初めて購入することを正直に伝えると、みかんやイチゴなどの用意されたフルーツの中から、最初に好きなものを選ぶと教えてくれた。 “あんず飴” なのに、あんずだけじゃなかったなんて驚きだ! マジかよ、あんず飴!! 本来はあんずもあるようなのだが、まだ出店の準備が整っておらず、あんずはなかった。仕方がないので、みかんでお願いすることに。

おばちゃんが提供の準備をしている間に待っていると、「それ1回やってください」という。それ? 横を見ると、小さなピンボール台がある。


なんと1回ゲームができるらしい


値札に「ゲーム付き」って書いてあるのは、そういうことだったのか!? ピンボールでアタリが出ると、もう1個もらえるらしい。マジかよ、あんず飴!! 仕組みが複雑すぎて、素人には難易度が高い。まるで二郎じゃないか!

しばらくすると、たっぷりの水飴、そのなかにみかんの入った棒を渡された。再びおばちゃんからの指令だ。「そこのモナカ(の皮)にのせて食べてください。噛むと歯に(水飴が)つくので、ペロペロ舐めてくださいね」とのことだった。なるほど~、これがあんず飴か。人生で初めて手にするあんず飴だ。



幼少の頃に経験した人には、懐かしいのかもしれない。しかし私の場合は、思い出の景色に1度も登場したことがないので、微塵も懐かしさを感じない。むしろ新鮮な驚きの詰まった一品である。


・食べるのに失敗した

そういえば、おばちゃんは飴を手渡す際に、こんなことを言っていた。「そこ(屋台の上にあるトレー)に氷をおいて、冷やして食べるんだけど、今日はまだ氷を準備してないから」。あんず飴を知らない私には、何を言っているのかサッパリわからない。だが、この話の意味をあとになって理解することになる……。


さて、実際に食べてみよう。境内の階段の端っこに荷物を下し、腿の上にモナカを置きながら、まずは写真撮影。初めての経験で私は少し興奮していたらしい。いつもより余計に写真を撮っていた。


すぐにでも口に放り込めば良かったものを、チンタラ写真を撮っているうちに、みかんが水飴のなかからズルリと抜け落ちてしまった……。


あれ? これ、こういうモノなの? みかんはどうやって食うの? もしかして、さっきおばちゃんが言っていた冷やす話は、この状態を避けるための対策だったんじゃないの? 棒についた水飴を舐めるのか? わからん! あんず飴、全然わからん!!


仕方がないので、棒についた水飴を舐めた。たぶん違うよね? こういう食べ方じゃないよね? 失敗してる気がするんだけど。


あんず飴を正しく知る人よ、誰か正解の食べ方を教えてくれーーー!!


Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]