どうやら日本一「駅ホーム」から近いホテルが誕生したらしい──そんな情報を頼りに訪れたのは、福岡県の中央部に位置する田川市。好奇心を刺激するユニークホテルの誕生に胸は高鳴り、とくに用事は無かったがダッシュで宿泊予約を済ませた。

ホテルの名前は「田川伊田駅舎ホテル」。つまり、駅舎の中に宿泊施設があるのだ。駅から徒歩0分……どころか、駅舎内だから徒歩0秒とも言えるだろう。鉄道ファン必見の宿は要チェックなのだが、部屋の窓を開けた瞬間、思わず絶句する事態に……!

・田川伊田駅舎ホテル

2018年から駅舎の改修工事が始まったという田川伊田駅。全面開業より一足先の2019年9月にオープンしたのが「田川伊田駅舎ホテル」だ。2人~4人部屋(1名利用可)まであるゲストハウスで、大人1泊2200円から。記者が利用した日は3300円だったぞ。

チェックインは15時から可能で、22時過ぎに駅に到着。ホテルがあるのは駅2階だ。改修中とはいえ、昭和感の漂うノスタルジックな駅構内である。エレベーターでも行けるが、階段を利用して2階へ!

・寝台駅舎「浪漫号」

2階廊下の突き当りまで行くと、寝台列車「浪漫号」と書かれた場所がある。そう、ここが田川伊田駅舎ホテルだ。すぐ隣には線路。どうやら水族館的な距離感で、電車や駅ホームを眺めることができる模様。こ、これはテンションが上がります……!

さっそく受付でチェックインを済ませてカギを受け取り、スタッフの方に施設内を案内してもらった。寝台列車風のレトロな内装はナイス。タイムスリップ気分を味わいながら、共用エリア(キッチン・シャワー・トイレ)の説明を受けた後……

いよいよ、マイルームへ。

・客室11の悲劇

なんとラッキーなことに、記者が泊まる「客室11」は通常4人部屋なのだが、この日は他に予約者がいなかったため、1人で利用してOKとのこと。マジで最高かよ! よし、それでは、窓を全開にして電車が来るのをのんびり待とう。そう思って窓を開けたら……


…………

おいこっちロータリー側じゃねえかァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッ!!

景色退屈過ぎィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイーッ!!


・予約時にリクエストした方が良さそう

窓を開けたら、まさかの駅前ロータリー。あまりにも衝撃的で、思わずスタッフの方に「こっちって、電車来ませんよね」と確認してしまった。もちろん返事は「はい」の一言。仕方ない……が、目の前で電車を楽しみたい方は、予約時に部屋を指定した方がいいだろう。

その後、スタッフの方に半泣きで「もし空いている部屋があれば、電車が来る時に見学させてもらえませんか?」と懇願。たまたま部屋が空いていたのと、電車が来るタイミングがもうすぐたっため、チラッと見せてもらえることに……! 本当にありがとうございます!!


そして数分後……

感動……

この部屋に……

泊まりたかった……


・アメニティグッズは充実

さてさて、満足したのでふたたびマイルームへ。今さらだが、アメニティグッズはかなり充実していた。大小タオルはもちろん、館内着にスリッパ、浴室用ボディタオルに歯ブラシ、ヘアブラシなどなど……手ぶらで訪れてもOKと言えるレベル。枕元にコンセントもあるからスマホ充電も可能だ。


共用キッチンで夜食用のカップラーメンを食べてからシャワーを浴びて布団へ。ベッドマットレスは少し硬いが、寝返りが打てるほどの広さはある。清潔感もあるし快適だ。遠くの方から聞こえる「ガタンゴトン」の音色が眠気を誘い、気がついたら朝までグッスリ寝ていた。


・発車時刻に合わせてチェックアウト

チェックアウトは10時。階段を降りたらすぐ改札だから、電車の発車時刻ギリギリまで休めるのが良い。くり返しになるが、駅ホームの目の前に泊まりたい方は予約時に確認が必要だ。駅舎内のゲストハウス、興味のある方はぜひ覚えておいてくれ。

・今回ご紹介した宿泊先の詳細データ

名称 田川伊田駅舎ホテル
住所 福岡県田川市大字伊田2621-1
時間 チェックイン15:00~23:00 / チェックアウト~10:00

Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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▼清潔感のある館内


▼目の前が線路・駅ホームでした

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