2019年9月20日に新しいiPhone(11・11Pro・11ProMax)が発売開始して以降、私(佐藤)はGoogleのスマホ端末「Pixel3」と11Proの、画像動画の撮影性能の違いについて比較してきた。

今回は2つの端末、それに超軽量アクションカメラ「insta360 GO」の3つの製品のスロー撮影を比較してみた。そうしたところ、それぞれの製品の特性の違いが良く分かった。

・習慣的に運動している人へ

習慣的にスポーツを行う人は、フォームの確認などでスロー動画を撮影する機会があると思う。本稿は、そんなスロー動画を撮影する頻度が高い人に、参考にして頂きたい。

「あまりスロー動画は撮らない」、「そもそも運動の習慣がない」という人は、私の過去の記事 【実践】ストレッチを2年半以上続けたら、開脚で顔が床につくようになった! を読んで、習慣的に身体を動かすことにどれだけ意味があるかを今一度考えて欲しい。そんなあなたに向けて、『少しは動け!』と私は心のなかで叫んでいることをここに明かそう。


さて、毎度のことながら前置きが長くなった……。3つの製品でそれぞれ撮影を行ったところ、それぞれの強みがわかった。3つの製品について1つずつ紹介していこう。まずはiPhone11 Proだ。


・iPhone11 Proのスロー撮影



このモデルの最大の特徴は、iPhoneで初めて3つのレンズを搭載したことにある。望遠・広角・超広角の切り替えは、スロー撮影でも有効だ。


撮影速度は、デフォルトで「720p HD/240fps」で設定されている。これは1秒間に240コマ撮影できることを意味している。撮影環境によっては、蛍光灯のチラつきが気になる可能性があるので、「1080p HD /120fps」に切り替えた方が良いだろう。


ただ、この切り替えが「設定 → カメラ → スローモーション撮影」の順で呼び出さないといけないので、急を要するときには多少面倒くさい。


スロー動画の速度編集はiPhoneの「写真アプリ」から、動画を呼び出すことで可能である。スライダーを左右に動かして、ゆっくりと再生したい箇所を調節しよう。


Airdrop経由で他のiOS端末に編集動画を共有できるところが、iPhoneの良いところだろう。また、1080p で240fpsのスロー動画を撮影できるのも、11Proの強みだ。キレイに細やかな動画を撮影したい人には、この端末が良いかもしれない。チームでスロー動画を共有するという人にもふさわしいかも。


・Pixel3のスロー撮影



Pixel3は、カメラアプリを起動すると、画面下タブにスロー撮影の項目が見えない。「その他」の項目のなかにある「スロモ録画」から機能を呼び出さないといけないので、ひと手間かかってしまう。


そこだけ気にしなければ、撮影速度の(1/4×撮影・1/8×撮影)の切り替えがカメラアプリ上でできるので、その点はiPhoneよりも優れていると言えるだろう。撮影環境に応じて、すばやく切り替えられるのは良い。


撮影した動画の速度編集も、iPhoneと同じように「フォトアプリ」から直接行うことができる。編集そのものも、スライダーを動かすだけのシンプルなつくりだ。


ひとつ残念なのは、端末で速度編集した動画を、その編集のままエクスポートできないことである。iPhoneの場合はAirdropでiOS端末に移動できたり、iOS ⇔ Android間でデータ転送できるアプリで動画を移動しても、編集した動画をそのまま見ることができた。

だが、Pixel3からiOS、もしくはパソコンに移動すると、フォトアプリで速度編集したものが反映されていない。全編スローモーションのままでしか動画をエクスポートできないようである。(少なくとも、私が検証した段階では、速度編集した動画をエクスポートできなかった)。


動画を共有する頻度が少ない、ソロでプレイする競技をしている人には、Pixel3が向いているのかもしれない。


・insta360 GOのスローモーション



今回の検証で唯一のアクションカメラ。カメラ単体でも撮影は可能だが、専用アプリをインストールしたスマホ端末がなければ、撮影した動画の確認ができない。また撮影時は、その映像を確認できないのも、この製品のウィークポイントである。


とはいえ、約20グラムの超軽量カメラなので、そこまで多くは求められないだろう。


この製品は、通常撮影モード・ハイパーラプス撮影モードの際には、アスペクト比(縦横比)を撮影後に変えることができる。だが、スローモーション撮影の場合は、16:9の固定。フレームレートは撮影時100fpsだが、アプリ経由で出力する際に、25fpsとなる。


再生速度に関しては、速度編集時に自在に操ることができる。それがこの製品の強みだ。1/4倍から最大256倍まで、スローで撮影したことを台無しにする勢いで、超高速にすることも可能だ。スロー撮影とは……。


撮影時の画面を見ることはできないこと。そしてカメラ単体だと電池の持ちが短い(20分)ので、こまめに充電ケースに戻してやる必要がある。これらの難点はあるが、撮影後の編集でその足りない部分を補って余りある。スマホを買い替える時期ではないという人に、オスメの製品だ。


以上、3つの製品を比較して紹介した。習慣的に運動しているという人は、参考にしてみて欲しい。もちろん、運動していないという人も。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24