香川県の「丸亀」と聞くと、うどんを思い浮かべる方が多いのではないだろうか。筆者もそうで、丸亀市の名物は当然うどんだと思っていた。しかし、実際に丸亀を訪れて地元の方々に話を伺ってみたところ、意外にもうどんは地元の方にとって日常に馴染みすぎていて「名物」という感覚が薄いんだそう。

そこで、丸亀の方々に改めて「名物」を聞いてみると、意外にもうどんではない「ある食べ物」の名が挙げられた。その名も「骨付鳥」。なんでも鳥のモモ肉を丸ごと1本使っていてボリューム満点な上、パンチのある味付けに魅せられ、定期的に食べたくなってしまうという。最高か。そんな魅惑の「骨付鳥」を発祥のお店で食べてきたので、さっそく紹介するよ!

・「おやどり」と「ひなどり」

丸亀名物「骨付鳥」発祥のお店は、丸亀駅前近くに本店を構える居酒屋「一鶴」。創業から60年以上もの間、骨付鳥を提供し続けているようだ。居酒屋さんだと思えない、落ち着いた店構えも魅力の一つ。

骨付鳥には「おやどり(1008円)」と「ひなどり(894円)」の2種類がある。初めて食べる方には柔らかい「ひなどり」がオススメだが、「おやどり」は弾力があって味にクセがあるものの、鳥の旨味を堪能できるツウ好みの味わいなんだそう。それならば両方を食べ比べてみるしかない!

地元の方々に教えていただいた、骨付鳥を食べやすくするという魔法の言葉「バラシで」を唱え、「おやどり」「ひなどり」を注文。ワクワクしながら待っていると、骨付鳥たちが来た〜! 「バラシで」注文したおかげで、骨から外して一口サイズに切った状態でやってきた。ありがたい!

まずは食べやすいという「ひなどり」から。一口食べてみると、皮のパリッとした食感とスパイシーな味付けが、プリッとした柔らかなモモ肉を引き立てていて美味しい! 実は筆者、鳥の皮が苦手なのだが……カリッと揚げられている上、しっかりと味が染み込んでいるため、これならいくらでも食べられる。パリパリの皮とプリプリの身のギャップが良い。

コショウ、にんにく、そして塩がガツンッと効いた味付けも最高。確かにこれはパンチのある味付けだ。付属のキャベツをタレにつけて食べ、さっぱりしたところで次は玄人に愛されるという「おやどり」を食べてみる。クセの強さから、初心者には敬遠されがちだというが、果たして……いざ!

お、美味しい……ッ! 「クセ」というより、鳥の「旨味」が強い! 「ひなどり」と違って「おやどり」はモモ肉自体の持つ旨味が、濃い味付けに負けないレベルで主張してくる。おまけに、弾力のある身を噛めば噛むほど旨味がジュワッと溢れてくる。ありがとう、おやどり……

写真を撮るのも忘れるほど夢中になって骨付鳥を食べていたら、あっという間になくなってしまった。しかし、「骨付鳥」の楽しみはまだ終わらない。骨付鳥を食べ終わったところで、おむすび(3個入り・308円)を注文。

やってきたおむすびを、残った骨付鳥のタレにつけて……食す!

美味しい〜!! 骨付鳥でタレの味を散々味わったはずなのに、おにぎりにつけて食べるのはまた一味違って止まらない。パンチのある味はそのままに、鳥の旨味が広がるタレは、お米の持つほのかな甘みに合わないはずがない。地元の方が「絶対おむすびを頼んで!」と言っていたのも納得だ。また、骨付鳥の締めにはおむすびの他、とりめしをオススメする方もいた。

そこで「とりめし(462円)」も注文してみたが、これは鳥のダシがよく効いていて、おむすび同様タレをつけて食べるのもイイが、単体で食べても十分美味しかった。

おむすび・とりめしに付いてくるスープまで、鳥の旨味がしっかりと堪能できて良かった。最後まで鳥づくし。

・横浜と大阪にも

今回筆者が行ったのは丸亀駅近くにある本店だが、香川県には本店も含めて丸亀市に3店舗、高松市に3店舗ある。それに加え、香川県以外にも3店舗(横浜に1店舗、大阪に2店舗)を出している。

うどんのイメージが強い香川・丸亀の知る人ぞ知る名物「骨付鳥」。気になった方は、ぜひ食べに行って欲しい。パンチのある魅力に、夢中になってしまうかも?

・今回訪問した店舗の情報

店名 「骨付鳥 一鶴」丸亀本店
住所 香川県丸亀市浜町317
営業時間 平日 11:00~14:00(L.O.13:45)、17:00~22:00(L.O.21:30) / 土・日・祝 11:00~22:00(L.O.21:30)
定休日 火曜日

Report:伊達彩香
Photo:RocketNews24.

▼ガツンッと来る味付けなのに、不思議とまた食べたくなる。

▼丸亀のゆるキャラ「とり奉行骨付じゅうじゅう」さんのTシャツ。愛用中。

▼香川の人気お菓子「うどん揚げぴっぴ」の骨付鳥味。代金の一部が丸亀城の石垣修復に向けた募金になるそう。

▼丸亀の名物といえば骨付鳥、丸亀の名所といえば丸亀城。2018年に台風の影響で石垣が崩落し、現在修復中……頑張れ!

日本、〒763-0022 香川県丸亀市浜町317