無駄にテンションの高い、アヤシげなテレビショッピングなどで売られる定番商品。サッと拭くだけで汚れが嘘のように落ちるクリーナーとか、なんでもかんでも嘘のようにくっつけてしまうガムテープとか、1度は見た覚えがあるだろう。

卵を置いて座っても割れないクッション」もまた、その手の定番の一つだと思う。ぶっちゃけ似たようなものは、もう何年も前から似たようなアピール方法で売られ続けている気がする。見るたびに「どうせ嘘やろ」と思ってきたが、先日類似品をAmazonで発見。面白そうなのでCMのごとく卵を敷いて座ってみたぞ!

・本当に割れないのか

今回購入したのは、「Kakkoi 無重力クッション 超通気 ゲルクッション 涼しい 健康クッション 姿勢矯正 腰痛 坐骨神経痛 痔防止 蒸れない オフィス 車 椅子用 夏場最適」というめちゃくちゃ長い名前の商品。購入時には2380円だった。


ぶっちゃけると、似たようなものはAmazonで無数に売られている。こいつに決めた理由は、「卵を置いて座っても割れない」という記述と共に、卵の上に座っている画像が販売ページに使用されていたからである。


多分この手のアピール方法は、似たような感じで他のクッションでも取り入れられているのだろう。しかし、この商品が一番最初に目についたのだ。それに、ぶっちゃけ良し悪しなどはこの際どうでもいい。卵を置いて座っても割れないと主張するクッションが、本当に割れないのか試せればそれでいいのである。

また、先にお伝えしておくが、この先いくばくかの生卵が犠牲となる。中には「食べ物を粗末に……!」と憤る方もいるだろう。そこはご理解いただきたい。探求に犠牲はつきものなのだ。どうしても生卵に対して無慈悲になれない方は、卵を平和的に活用しているGO羽鳥のプリン記事をおススメする。


・ハニカム構造

本題に入る前に、まずは実際に届いた商品の紹介を簡単にしよう。こちら、Amazonの販売ページでは鮮やかな青が印象的だったが、到着時には黒いカバーに入っていた。片方の面に黒い滑り止め的な、極小の突起物が無数についている感じ。


そしてそのカバーを開けると……見覚えのある青いハニカム構造のクッションが! 実験前に普通に椅子に乗せて座ってみたが、奇抜な構造の割りにしっかりやわらかくて、そこそこいい座り心地だった。あと、穴を空気が通り抜けてくるので涼しかった。


・セッティング

いざ本題の「卵を敷いて座る実験」を行う際に、カバーを付けてやるべきか、外してやるべきかぶっちゃけ迷った。が、販売ページではカバーはついていない。これは、少なくともカバー無しであれば卵は割れない……という販売者の主張ではないか?

そう解釈することにして、実験はカバー無しで行うことに。ということでやってきたのは近所の公園。その辺の石のベンチにクッションをセット。普通の椅子でやるよりも条件としては過酷な気がする。


そして使用するのは、直前に近所のスーパーで購入した、フレッシュな生卵。


このまま卵をセットして、もし割れてしまったら公園のベンチを卵で汚してしまうことになる。それはマズいので、安全のためにも今回はジップロックを使用させていただくことに。中に卵を入れて、ある程度空気を抜きながらしっかりとチャックを閉じ、クッションの上へセット。

・尻で卵を割る

そして……座るッ! これは割れたやろ? さすがに卵に座って割れないわけが……割れてない……だと



なんということだ。卵は無事である。正直に言えば、最初の1回は少しビビって、やさしく座った感がある。しかし思いのほか割れない。そこで続けて遠慮なく座ってみたが、やはり割れない

マジかよ……ではあの胡散臭いテレビショッピングも本当だったのか? ぶっちゃけあの手のものは全部インチキだと思って生きてきた筆者にとって、にわかには受け入れがたい現実である。そして人は、受け入れがたい現実を前にすると、どうにか都合のいい方向に現実を捻じ曲げようとするものだ。

冷静さを失った筆者の脳裏にヤケクソじみた疑念が浮かぶ。もしかして卵が特別硬いんじゃないのか……? どう考えてもメチャクチャな言いがかりだ。しかしその場に筆者を止める者はいない。もう一度座った後に卵をベンチに叩きつけてみると……あっさり割れた。卵は(当然だが)普通の卵だった。



どうにかクッションに乗せたまま卵を割ってやろう……。卵が割れるか否かを判別するだけでよかったのに、いつの間にか卵を割ることに目的がシフトした瞬間である。この様子では、何度座ったところで尻では卵を割ることはできないだろう。いささか乱暴だが、ここは力にモノをいわせようではないか。

ということで、卵を叩いて割ろうとこころみるも……



_人人人人人人人_
> 割れない! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


完全にクッションが卵への衝撃を吸収している。……でも、もう一回殴りつけたら割れるかも知れない。それに、この2個目の卵が特別に硬い可能性だって……ある……よね?



ということで、理不尽な怒りをもってしてもクッションの上で卵を割ることはできなかった。このクッションはガチだと認めざるを得ないだろう。我の尻こそは……という方は是非チャレンジしてみて欲しい。尻の筋肉がバッキバキで硬かったらワンチャンあると思うが、普通の尻ではかなり難しいと思う。

参照元:Amazon
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.
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▼実は念のため、ちょっといい画質で逆方向からも撮影していた。目立ちまくっていたので、公園で遊んでる無邪気なキッズたちに何やってるのかめっちゃ聞かれた。

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一体何が始まるというのでしょう

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