2019年5月、ネット上で話題になったシヤチハタの『迷惑行為防止スタンプ』をご存じだろうか? 当時、Twitterで漫画「痴漢されたら安全ピンで撃退するように勧められた話」が話題になっており「それくらいしてもイイと思う」「冤罪だったらどうするの?」……などと賛否が寄せられた。

その流れで「安全ピンではなくスタンプでどうにかならないか?」との提案を受けて、シヤチハタが開発を進めていたのが『迷惑行為防止スタンプ』である。2019年8月27日、約3カ月の時を経てその『迷惑行為防止スタンプ』がようやくテスト販売まで至ったが、結論からいうと用意した500個が即日完売したという。

・テスト販売開始

『迷惑行為防止スタンプ』は、特殊インキ “UV発色インキ” を採用したスタンプだ。要するにブラックライトを当てると浮かび上がる特殊なインキを使用したスタンプで、ブラックライト付き、またいざという時に素早く使えるようキャップは無い仕様になっている。

価格は税別で2500円、テスト販売では500個が即日完売したというから、想像以上に『迷惑行為防止スタンプ』を待ち望んでいる人は多いのかもしれない。開発の経緯や今後の展開などをシヤチハタの広報に聞いてみることにした。


──『迷惑行為防止スタンプ』がいよいよ販売となりましたが、ネット上では「冤罪だったらどうするんだ」などと否定的な声もありました。社内ではどんな議論があったのでしょうか?

「Twitterで発表もしていましたので、我々としてはとにかく開発する、と。ただ、あくまで『迷惑行為防止スタンプ』を開発した目的は、少しでも抑止力なればという想いであることに変わりありません」

──ふむふむ。

「今回テスト販売にまで至りましたが、究極的にはこのスタンプが使う機会がないことが1番の理想です。スタンプのボディの色に採用したのは注意を促す黄色で、マークはストップを意味する手のマークにしました。これも抑止力を考慮した結果です」

──なるほど。あくまでメインは抑止力なのですね。では即日完売についてはどうお考えでしょうか?

「正直、我々としても驚いています。まさか即日で完売するとは想定していませんでした」

──それだけ迷惑行為に悩む人が多い証拠かもしれませんね。

「冤罪などの意見については、我々としても申し上げるのが非常に難しいところなのですが、迷惑行為、違法行為を許さないという意思表示は必要なことだと思っています」

──今後はどのように展開していくのでしょうか?

「テスト販売を通じられて寄せられた声を元にさらに改良していく予定です。主に実用性や抑止力を検証できればと思います」

──多くの女性がこのスタンプを携帯することで「迷惑行為に及びづらい空気」が出来るといいですね。

「そうですね。今後も当社がどのような形で社会に貢献できるのか、模索していきたいと思います」


シンプルに「即日完売」という事実だけを見るならば、それだけ迷惑行為に悩む人が多いということだろう。もちろん冤罪などの心配などがないワケではないが、本来我々が非難すべきはシヤチハタや商品ではなく、あくまで「迷惑行為をする人物」であることを忘れてはならない。

おそらく、近い将来『迷惑行為防止スタンプ』は一般販売されると思われる。スタンプ1つで全ての迷惑行為が無くなるワケではないが、こうした1つ1つの積み重ねがより良い社会を作っていくハズだ。

参考リンク:シヤチハタ
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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▼このツイートから誕生した商品だ。