あなたは幽霊を信じますか? まことしやかに語り継がれる怪談・都市伝説、各地での目撃談や奇妙な事故の数々。そんな噂の中でも世界最恐と呼ばれる場所がある。その名も「チリンガム城」。イギリスにある古城だ。

季節は夏。夏と言えば幽霊の季節である。というわけで、チリンガム城に行ってみた結果……予想外の事態に

・血塗られた城

2019年8月現在、チリンガム城で検索すると、「幽霊城」「血塗られた城」「呪われた城」などのワードが次々と表示される。スコットランドとイングランドの戦いの舞台となったこの城では、かつて大量処刑や拷問が行われたという。そのためか、現在も幽霊の目撃談は後を絶たないらしい。

スコットランドの国境沿い、海に近い田舎に佇むこの城。ニューカッスル・アポン・タインからレンタカーを借り、1時間半ほど北上すると、牧歌的な道の脇に門が見えた。

・違和感

門を入ると鬱蒼と茂る木。そして、その中に1本道が奥まで伸びる。さすがにオーラがありやがるぜ。はたして、私(中澤)は生きてここに戻ってくることができるだろうか

ゴクリ。唾を飲み込む音さえ大きく耳に響く。緊張の中、暗い木のトンネルを進んでいくと目の前に現れたのは……


駐車場……!

違和感を感じながらも車を停め、さらに進むと木のトンネルの先に城が見えてきた。そびえ立つ重々しい城壁。あれがネットで世界最恐心霊スポットの1つに数えられるチリンガム城か。


早まる鼓動。今すぐ逃げ出したい気持ちを踏みしめ城に近づいてみたところ……


めっちゃ路駐されてる……!!

城の前に車の列が出来るレベル。再び謎の違和感を感じる。いや、ここは世界最恐の幽霊城。幽霊が出るという時点で現代の常識が通用しない空間であることは分かりきっている。ということは、この車は幽霊のものかもしれない。

・城の中へ

だが、そう考えると、一体どれだけの数の幽霊がこの城にいるというのか? 背中を冷たい汗が伝う。湧き上がる焦りを抑えつつ、ついに城の中に踏み込んだ結果!


受付……!


大盛況……!!


観光スポット的なーーーーー!!!

なんと、ネットで「幽霊城」「血塗られた城」「呪われた城」と語られている城は人気観光スポットになっていた! 全然怖くねェェェエエエ!! ちなみに、入城料は10.5ポンド(約1365円)、開城時間は12時から17時である

・牢獄や処刑場が公開

とは言え、スコットランド人が大量処刑されたなどの話は事実。城内に入ると、当時の牢獄や処刑場などが公開されているのだが、暖炉やお洒落な家具の設置された部屋に、唐突に牢獄への入り口が口を開けていたりするのは、当時のリアルが感じられる。

牢獄は1人寝られるかどうかくらいの狭さで、昼でも真っ暗。外はカラッとした空気なのに、中に入ると、ムワッと湿気が立ち込めている。5分いるだけでも辛い

処刑場には、アイアン・メイデンなど、当時拷問や処刑に使われたという器具が展示されている。暗い処刑場に入ると、ひんやりとした冷気を感じた。


数々の器具で再現された処刑のもようはおぞましさすら感じるレベル。この冷気はクーラーなのか? それとも……


と、その時! どこからともなく子供の泣き声が……!!

 


家族連れだった。

それにしても、この処刑場は確かに独特のオーラがある。私も子供なら泣いていたかもしれない。そのためか、入り口には「神経質な人や子供のいる女性は入らないことをお勧めします」という注意文言も。

・観光スポットとしては優秀

なお、中庭や他の部屋は優雅でとても美しかった。それだけに拷問部屋や牢獄との対比は凄まじく、個人的には当時の華やかさと残酷さを凝縮したような場所だと感じた。

過去に実際にあった恐ろしい現実を体感することができるこの城。幽霊が出るかは不明だが、イギリスの重い歴史を知ることのできるスポットの1つであることは間違いないだろう。

・今回紹介したスポットの情報

店名 チリンガム城
住所 Chillingham, Alnwick NE66 5NJ, England.
営業時間 12:00~17:00(最終受付16:00)

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
Screenshot:Google

▼完全に観光スポットと化している

▼城内の様子

▼拷問部屋とのギャップが凄い