歴史と伝統の息づく街・京都。華やかな雰囲気に魅せられ、国内のみならず世界中から多くの人が訪れる一大観光都市である。

しかし光あれば闇あり。長きに渡り歴史の表舞台であった京都には、いわくつきの心霊スポットが数多く存在する。今回は京の都を荒らし回った鬼の頭領・酒呑童子(しゅてんどうじ)が眠るという「首塚大明神」に突撃してきた。結論からいうとマジでヤバすぎた……!

・大江山の鬼伝説

京都市の西の外れ、亀岡市との境界線の近く。国道9号線から少し脇道に入ったところに、今回の目的地はある。

平安時代。大江山(現在の福知山市あたりにある山)に住む鬼たちが京の都にやって来ては、若い女性をかどわかすなどの悪事を働いていたという。その鬼たちを束ねていたのが伝説の悪鬼・酒呑童子である。

時の一条天皇は武将・源頼光に鬼退治を命じる。頼光は酒呑童子を討つことに成功し、はねた首を現在の老ノ坂あたりに埋葬した……。その場所こそが、今回訪れる「首塚大明神」である。


・一歩目から怖い

鬼の首が眠っているとは、言い伝えからしてヤバ過ぎる。内心ビビりながらも、筆者は首塚へ続く脇道へとやってきた。「少しでも怖さが紛れれば」と思って用意したピカチュウランタンと懐中電灯を手に歩き始めたのだが……。

一歩目から怖いんですが……。

鬱蒼と茂る竹林に、立ち並ぶ廃墟、廃モーテル……。あまりにも不気味な光景が続く。風がないにもかかわらず、ときおり木々がザワザワと音をたてる。何者かが筆者の侵入を警戒しているのだろうか?

懐中電灯とランタンの二段構えで挑んでよかったと心底思うほど、道中は暗く、そして怖い。このネタはボツにして帰ろうかと正直思ったほどだったが、ここで引き返してはプロの名にもとる。意を決して歩を進める。

歩くこと10分弱、首塚大明神が見えてきた。


・境内はさらに怖い

入口の鳥居からヤバイ雰囲気をプンプンと感じる。筆者は特に霊感が強いわけではないが、ここが「なんちゃって心霊スポット」でないことくらいは感じられる。これはアカンやつや……!

鳥居をくぐり、奥を目指す。行く手を遮るように地面からは木の根が露出している。

ついに本殿へと到着した。噂によると、この鳥居をくぐった者は呪われてしまうそうな。

思春期のころは「シド・ヴィシャスみたいに若くで死んでやるんや!」と粋がっていた筆者だが、いざとなると命が惜しい。呪われて死ぬのは嫌だ。そんな思いで賽銭を入れておいた。酒呑童子さま、この賽銭で見逃してくだせえ……。

社の裏手に回ると、こんもりと土が盛り上がった場所がある。この場所こそが、酒呑童子の首が埋められているとされる塚である。この中に伝説の鬼が眠っている……。

塚から発散される邪悪な気配、恐怖、畏敬の念……いろいろなものが入り混ざり、ここで筆者のメンタルは限界に達した。とるものもとりあえず、逃げるように来た道を引き返した。


・助かったと思いきや……

幸いにして、その日は無事に帰宅することができた。しかし翌日、少しだけ不気味なことがあった。

それは寝ているときのこと。なかなか寝付けず布団のなかで悶々としていると、消しておいたはずのパソコンが急に立ち上がったのだ……! Windowsの起動音にビクッとして目を開けると、寝る前に消したはずのパソコンが付いていた。

あれは何だったのか? 心霊スポットに行った翌日だっただけに、マジで怖かった……。

「あの場所に近づいてはならない」という酒呑童子からの警告だったのか。いずれにせよ、首塚大明神は遊び半分で近づくにはあまりにも不気味な場所だった。皆さんも肝試しなどで訪れる場合は、くれぐれもご注意を……。

Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.

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▼最初から最後まで怖かった。

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