みんな「ほおずき」で遊んだことはあるかな? ワイルドなキッズライフを送った昭和生まれならそこそこある気がする。でも平成生まれのヤングたちや、昭和でも都会育ちの元シティキッズたちはたぶん無いんじゃないかな……と思う。

未経験な方には申し訳ないのだが、ほおずきの実を使って笛のように音を鳴らす遊び方がある。その際に実の中身をほじくり出すのだが……道具を使わず、口で吸出そうとすると、汁やら種やらが青臭くて苦かった記憶がある。アレをゼリーにするとか正気かよ? とりあえず食って確かめるしかあるまい。

・ウマいのかよ

問題のゼリーは「ほおずきゼリー 恋ごころ(750円)」なる商品で、秋田県の上小阿仁村で作られたものらしい。フルーティーで糖度が高い的なことが書いてあり、どうも記憶にあるほおずきとはマッチしない。

食べられること自体は子供のころから知っていた。しかし、へびいちご同様に「食っても死なない」という意味での「食べられる」であって、「食べるとウマい」という意味での「食べられる」だとは思っていなかった。

・ウマかった

こういうアヤシイものは興味が尽きない。さっそくポチると、1週間ほどで到着。


このゼリーはどういうわけか球状で……


ゴムに包まれており、魚肉ソーセージとかでありがちな、金属の止め具で封がしてある。


説明書には、つまようじで割って食べろと書いてある。


ということでやってみると、けっこう力を入れないと割れないことが判明。ちなみにゴムの感じについては、「大人のゴム」とだけ言っておこう。


いざ食べて見ると、普通にウマい。スモモとパイナップルを足して水っぽくしたような味だった。いったいキッズのころに経験した、その辺に生えているほおずきのゲロマズさは何だったのか……。


・非食用ほおずきを食べてみる

マジにフルーティーで甘いやん……。こんなの思い出のほおずきと違う……。アレはもっと臭くて苦かったはず。それとも何か思い違いをしているのだろうか? かれこれ25年くらい前の記憶なので、その可能性はある。これはほおずきを食べてみるしかあるまい。

残念ながらその辺を探しても全く生えていなかったため、花屋でゲット。1個68円と激安だ。確証は無いが、多分日本でその辺に生えているのと同じものだろう。食べる前に、あらためてほおずきについて説明しよう。ほおずきは、赤い袋状になっているのが特徴だ。


この赤い袋は、花が咲いていた時に緑色の「がく」だった部分。花が枯れたあとに成長して、袋状になるのだ。赤いのは夏ごろだけで、自然界では秋ごろになると袋が葉脈を残して風化する。

結果として、赤い袋だった部分がレース状にスケスケになり、その中に真っ赤な実が見える感じになる。どんな見た目か気になる方は、「透かしホオズキ」でググってほしい。

つまり、先ほどから笛にするだとか、ゲロマズだとか言っているほおずきの実というのは、この袋の中にある。ちょっともったいない気もするが、袋をバリバリとひき裂くと出てくる。


こいつをそのまま食ってみると……(食用ではないのでいい子はマネしないでね)


あれ……? 食える……だと……?


味はまあ、そこまでウマくはない。が、マズくも無い。皮と種には、やや生のピーマンじみた青臭さがあるが、汁にはほのかにプチトマトっぽい甘さがある。ゲロマズには程遠い感じだ。

ほおずき……お前、マジで食えたんだな。いったい記憶にあるあの苦くて臭いヤツはなんだったのか……。ほおずきゼリーほどのウマさが無いのは、きっと食用ほおずきと、その辺のほおずきの違いだろう。

秋田の上小阿仁村で栽培されている食用ほおずきは、そもそもペルー原産だそうだ。袋のサイズに対して実もデカいので、きっと品種改良とかされてウマさに特化しているのだろう。

それにしても、あのゲロマズなほおずきは何だったのか……今度はむしろその正体が気になってきた。しかし悲しいかな、昨今ではその辺にほおずきなど生えていないため、試して回ることも困難。この謎はきっと迷宮入りするのだろう。ほおずきも生えていないこんな世の中じゃ……。

参照元:上小阿仁村(PDF)、楽天
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼本当は、7月中旬の浅草とか神楽坂のほおずき市で、多分日本の野生のと同じ種類だと思われるほおずきをゲットしようと思ってたんですよ。逃したんですけどね。ちなみに花屋で1個68円。安いし透かしホオズキ作って見るのもいいかもね。

▼けっこう力入れてたのに割れなかった。