東京都八王子市と神奈川県相模原市の境には、1980~90年代に「走り屋の聖地」と呼ばれた大垂水峠(おおたるみとうげ)がある。カーブの多い峠道だから脇見運転注意なのだが、できれば……今回ご紹介する「ラーメン屋さんの看板」だけは見逃さないでいただきたい。

看板には「湧水ラーメン」と書いてある。こちら、大垂水峠の “湧き水” でとった鶏ガラスープが絶品のラーメン店『富士屋』だ。知る人ぞ知る秘境ラーメン、バッチリ食べてきたので報告しよう!

・峠道にいきなり現れるラーメン屋

高尾山ICから国道20号を相模湖方面へ進んでいくと、都県境を越えたあたりで視界がパッと広がり……いきなり噂のラーメン店が現れた。マジで「えっ、こんなところに?」ではあるが、アクセスが悪いラーメン店にロマンを感じなくもない。やはり期待してしまう。

駐車スペースに車をとめて、敷地奥の店舗へ。看板に書いてある「1日限定30食のチャーシュー麺」が気になるな。ってことで「いらっしゃいませ」の挨拶にかぶせ気味で「チャーシュー麺をください」とオーダー。

……するも、「チャーシュー麺をくだ……」のタイミングで「ごめんね、売り切れちゃったの」と店主。やるな、見事なカウンターだぜ。どうやら13時到着は遅かったらしい。気持ちを切り替えて、訪問前から決めていた「湧き水ラーメン(600円)」を注文した。

待っている間に用意されたのは、ビン詰めの天然水。同店自慢の “湧き水” である。さっそくコップに注いで飲んでみると……なんかもう、めっちゃまろやかだな。ペットボトルの天然水とかそーゆーレベルじゃねえぞこれ。この場所で店を構える理由、これか!

・やっぱりスープが超うめぇ

全然詳しくはないが、たぶん料理において「水の果たす役割」は重要だろう。ラーメンの到着が楽しみである。そして待つこと7~8分……待ちに待った「湧き水ラーメン」が運ばれてきた。見るからに澄んだスープだ。透き通っている。おそろしく透き通っているッ!

まずは、もちろんスープから。レンゲですくって、ズズッとひとくちいただきます……ほほぉ~、すっきりまろやかな味わいが口に広がりますなァ~。素朴な醤油スープの美味しさがじわじわ~っと感じられる。旅の疲れも癒されるな。

中細の縮れ麺はチョイ柔らかめで、優しい味わいのスープとバランスが取れている。口の中でとろけるチャーシューも良い。そりゃ売り切れるわ。全体的にピュアで洗練されている印象。秘境ラーメンの名にふさわしい一杯と言えるだろう。

食後にいただいた「湧き水ホットコーヒー」もスッキリと美味しい味。わざわざ来た甲斐はあった。都心からのドライブにもちょうどイイ距離だから、機会があればぜひ味わってみてほしい。おそらく最初に飲む「水の美味しさ」に衝撃を覚えるハズだ。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

名称 富士屋
住所 神奈川県相模原市緑区千木良179
時間 9:00~18:00
休日 水曜日

Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

▼洗練された味わいの「湧き水ラーメン」

▼チャーシューも美味しい

▼食後にいただいた「湧き水ホットコーヒー」

▼わざわざ行く価値はアリ!

日本、〒252-0174 神奈川県相模原市緑区千木良179